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O4番(藤井篤保君) 議長のお許しを得ましたので、過日通告をいたしましたとおり質問をさしていただきます。
産業の新興の端緒として、ガラス工芸の育成機関及び施設の設置についてであります。
私たちの瀬戸市は、せとものの瀬戸として広く知られ陶磁器産業のメッカとして1,000年有余の年月を紆余曲折ながらも、そのときどきの先人たちのたゆまぬ努力と英知の結集により、その輝かしい歴史を隆々と築き上げてまいりました。
そして、その歴史は今後も潰えることなく未来に向かって脈々と刻み込まれていくことでありましょう。
このことは、 天の恵みである天然資源、木節、蛙目等に代表される他に例を見ることのできない良質の陶土を多量に産出し、かつ有効的に利用し、研究を重ね、産業を興してきたという強みがあってこそと確信をいたしております。
確かに現在陶磁器産業にとりましては、多難な時代背景ではありますが、市民の精神的な支柱、生活にかかわる最重要産業であるという性格は絶対的に変わらず、文化面、観光面からもさまざまな施策がなされ、有効的に絡み合い、発展していくのを希望するのは市民の総意であると確信をいたしております。
さて、陶磁器産業の恩恵を受けてまいりました私たちでありますが、忘れてはならない貴重な天然資源がほかにもあります。
御承知のとおりガラス製品の原料となる珪砂であります。
平成2年度の統計によりますと、全国の珪砂出荷量643万2,000トンに対し、本市の出荷量は228万7,000トン、比率で36%。国の他産地の合計が214万4,000トン
、33%。輸入そのほとんどがオ-ストラリアでありますが、200万1,000トン、31%となっており、本市は最大の産出地となっております。
そして、その埋蔵量は無尽蔵とも言われております。埋蔵量、出荷量、品質ともに全国でトップの珪砂ではありますが、人々の認識は薄く、先日も県内の某団体と愛知県珪砂工業協同組合の鉱山を見学に伺った折、皆ロをそろえて言うには、瀬戸は陶磁器の町だから粘土が出るのは知っていたけれど、ガラスの原料が出ているとは全く知らなかったと。
まして、その量が日本一だとは思いもよらなかったということです。原料を産出じているだけにとどまり、加工製品として、本市から出荷していないだけにそのPR度の低さは否めません。
板ガラス、自動車用ガラス、ブラウン管、ガラス瓶、器等私たちの生活の中にはなくてはならないガラス製品の原料産出地である本市において、製品加工を業として行っている方はわずかに1軒、本年に入り新たに窯を興された方が1軒とまことに寂しい限りであります。
そこで、その日本―の珪砂のイメージアップとPRする目的を兼ね、本市においてガラス工芸の育成機関及び施設を設置してはどうかと提案をするものであります。
最近、未知の分野であるガラス工芸に着目をし、新しい地場産業として育てていこうとする動きが各地に出てまいりました。
例を挙げてみたいと思います。まず、
富山市であります。
ここでは昭和56年、富山市高等教育機関研究委員会により、工芸に関する学科の設置について提言があり、多方面からの調査、研究がなされ、昭和63年9月に富山市ガラス工芸教育機関設置委員会が開催されました。
平成2年9月富山市立市民学園条例において、富山ガラス造形研究所の設置が公布され、本年4月ガラス造形科に第1回入学式が行われ、現在15名の生徒が、ガラス工芸の歴史に始まり高度な専門技法まで学習をし、技術の習得に励んでおります。2年間の修学期間を終えた後、自立したガラス工芸家として富山市に定着させ、行政が主体となり新しく地場産業を興していく試みであります。
次に、長野県南安曇郡豊科町であります。
ここでは、我が国で初めてである町と大学とが一体となり,
ガラスの里づくりを目指してのプロジェクトが着々と前進をしております。その舞台が安曇野ガラス工房であり,この工房は町が土地と建物を提供し、運営は町が全面的にバックアップをする財団法人豊科町開発公社が行い、制作は東京都八王子市にある多摩美術大学デザイン科ガラス工芸コースの卒業生や先生たちが、開発公社の職員という身分で間接的に町から援助をしてもらいながら制作に当たり、各自の腕を磨くという大変ユニークな形態となっております。
現在7名の制作者がおり、5年間の修学期間を終えた後独立し、町内にガラス工芸作家として工房を持ち、定着させ、その数を増していきガラスの里を創設させようとする試みであります。
一般にも解放され、月―、二回の体験講習も開催され周囲の環境も一助となり、全国のガラス工芸家、愛好家たちが集う場となり、情報の集積地、発信地としてその実を結びつつあります。
ほかにも、ガラス工芸は陶芸に比べ手軽に行える点、全国的にも体験のできる場が少ないという点で観光面からも人を呼び込む題材として着目をされ,工房を設け実施されている地域も少なからず出てまいりました。
しかし、この2地区は人材育成から始まり、その地に定着をさせ産業を新たに興していこうと行政が長期ビジョンを持ち、真剣に取り組んでいる点で評価に値するものと言えましょう。
今まで、ガラス工芸とは何のかかわり合いのなかったた地域でのこうした動きがある中で、原料を産出し、古くからガラスとかかわり合いを持ってきた本市がおくれをとっているのは、まことに残念であると言わざるを得ません。
しかしながら、陶磁器産業が良質で豊富な原料を有するという背景から、手工業から始まり現在の確固たる地位を築き上げてきたと同様に、本市ではガラス工芸が産業として育っていく環境は十分にそろっていると考察いたしております。
陶芸もガラス工芸も広い意味では同じ窯業の範疇であり、長年の伝統に培われてきた陶芸の造形、技法の中にも相通ずる点が多いということであります。
このような観点からも、ガラス工芸の育成機関及び施設を新興産業を起こす端緒として、行政と業界が一体となり長期ビジョンを持ち設置することができたなら、
工芸の持つ芸術性、文化面からも原料である珪砂のイメ-ジアップとPRに大きく貢献でき、人材育成に努め定着のできる環境を徐々に整えていけば、ガラス工芸の先進地となり得、現在の陶磁器産業と共存し双壁をなす産業となる可能性は大であると考えますが、いかがなものでしょう。
理事者として、ガラス工芸の育成機関及び施設の設置についての御所見をお尋ねいたしまして質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。
(拍手)
O議長(山川ニ三夫君):環境経済部長。
O境経済部長(川本浩夫君) 御質問をいただきましたのでお答えしてまいりたいと思います。
本市は、今さら言うまでもありませんが、ただいまお話がございましたとおり日本随一と言われる良質陶土の資源に恵まれ,陶磁器産地として1,000年余の
歴史と伝統を持っているわけであります。
陶土の上層部から産出されるガラス原料の珪砂につきましては、日本有数の産出地域にもかかわらず、それを生かしたガラス工芸の分野には表立って進出されていないのが現状でございます。市といたしましても、地場産業である陶磁器産業の伝統技術の継承発展及び後継者の育成施設とあわせて、ガラス原料の特性を生かし、新分野であるガラス工芸の進出についても育成機関、,あるいはお話がございましたとおり観光施設としての拠点整備をしていく必要があると考えているところであります。
第8次実施計画の中で、セラミックモデル工場や工芸工房構想策定事業を検討しておりまして、お話がございましたとおり長野県あるいは富山市の例もお話があったわけでございますが、そうした例も一遍十分参考にしながら、今後関係業界とも十分調整を図りながら前向きに取り組んでまいりたいと思っておりますので、よろしくひとつ御理解をいただきたいと思います。
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