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O4番(藤井篤保君) 議長のお許しをいただきましたので、去る8月27日に通告をいたしましたとおり質問をさせていただきます。
世界の中の日本の将来の進路を考える上で、国際化が急務と叫ばれ久しく時期を過ぎ、大きく世界が変動を見せる中で、日本の果たす役割、責任はますますその重要性が高まってきていることは周知の事実であります。
湾岸戦争後における日本の国際貢献が取りざたされ、さきの国会においてPKO法が成立をし、国際社会の真の一員となるべく歩み出したという点では、大変評価されるところであり、個人の生活を営む上においても、世界の動きを無視できない時勢となってまいりました。
国内に目を向けますと、国際交流という言葉のもと、国、各地方自治体、企業、団体においてさまざまな手法で各国の人たちとの文化、経済、知識、スポーツ等の交流を通じ、相互の理解と協力を求め、活発に活動がなされており、日本全国、総国際化の真っただ中にあり、本市におきましても、民間ボランティア等による国際交流が年を追って活発となり、市としてもその取り組みの端緒として、市長公室秘書課に国際係を設置されましたことは、地方における国際化の急速な流れに対し、将来を見据えた適切な判断であると大きく評価し、敬意を表する次第であります。今後も市民の国際化意識向上に努められ、地域の国際化の進展に適切なかじ取り役として機能していくことを期待し、念願いたしております。
そのことを冒頭に踏まえまして、今日の全国的な動向を見つつ、本市の外国人労働者の現状把握と今後の見通しと対応について質問をさせていただきます。
平成3年度の統計を見ますと、まさにボーダーレスの時代を反映し、日本の入帰国者の数は1,453万1,017名、そのうち外国人新規入国者292万7,578名、再入国者57万6,892名、計350万4,470名となっており、その増加率は年々急カーブを描いて上昇中であります。
全国津々浦々でさまざな国の人たちの姿を見かけるようになりました。入国外国人が激増する中で、大きくクローズアップされてまいりましたのが、外国人労働者の問題であります。日本で現在働いている外国人は、約50万人と推定され、この数は全労働人口の約1%を占めております。その内訳として、正規就労資格のある人が7万人、日系人15万人、留学・就学生が5万人、不法就労者が22万人プラスアルファーであります。
昨年末のバブル崩壊以前の日本経済の活況の中で、労働力の需給関係が一変し、人手不足感が広がり、雇用の機会を求める労働力送出国、いわゆる途上国の人々と労働力を求める日本の企業の利害が-致し、さまざまな形で外国人労働者が流入するようにならた結果であります。
また、本国と日本の国民所得の格差から、日本で働けば多くのお金が稼げるとの認識が、よりー層の拍車をかけてまいりました。3大都市圏と太平洋ベルト地帯に、外国人労働者は集中をしておりますが、全国的に広がる傾向を見せております。
平成元年に出入国管理及び難民認定法が、我が国の 経済、社会の各般における国際化の進展に伴う外国人入国者の増加と入国・在留目的の多様化、不法就労外国人の急速な増大という状況に対処するために改正が行われ、在留資格の拡大整備、外国人の上陸審査基準の明確化、出入国審査手続の簡易、迅速化、不法就労外国人に対処するために、関係規定整備がなされました。正規就労外国人、日系人は、受け入れ態勢も整いつつあり、企業の努力もあり、将来的には国家間の経済、技術の格差の解消、世界経済の活性化につながっていくものと期待をされております。
こうして外国人労働者に対して門戸を開きつつある反面、外国人の単純労働は、現時点では日系人を除きこれを認めておらず、今後も社会的影響を考え合わせ、慎重に対応をしていくとの姿勢を示しております。
しかしながら、現実には入国目的を偽り、単純労働につく外国人、いわゆる不法就労外国人の数は爆発的な勢いで増加をしており,その動向に伴い、医療、教育、ひいては治安までに実にさまぎまな社会問題が起こってまいりました。
不法就労外国人は、健康保険や医療扶助は一切適用されないため、医療費の支払いができない外国人が出てきておりますし、診療報酬を払ってもらえない医療機関も出てきております。人道的立場からも、医療機関としては措置せざるを得ず、その財政的負担は比重を増してきております。
子供の教育問題では,正規就労の場合、義務教育ではありませんが、各自治体として日本の社会に対応できるよう登校を勧めておりますが、日本語の話せない子供も多く、彼らの母国語を話せる教師を自治体みずからが求め、その対応をしているところもあります。不法就労者の子供においてはさらに深刻であり、就学もせずに成長し、低年齢で就労したり、犯罪に手を染めるおそれも出てきております。
また、景気の好況を反映し、労働力不足の解消の目的で単純労働者を雇い入れた企業も、バブルの崩壊とともに景気の後退が始まり不況の波にあえぐ現在では、外国人労働者の解雇に踏み切り、そうした外国人があふれ、ほかに働き口も見つからないまま、生活苦に追われ犯罪に走るといったケースも続発してまいりました。単純労働の受け入れの是非ほ,大きく議論の分かれるところでもあり、こうした諸問題を解決していくには、国の政策の抜本的な見直しが行われなくては先に進むものではありませんが、現実問題として各地方での諸問題が深刻化していることと、その対応に直接かかわる者は頭を抱え苦慮しているという事実をはっきりと認識しなければならないと考えます。
本市においても、実に多くの外国人が往来する姿が、我々の目にも抵抗なく入ってくるようになってまいりました。国際化が着実に進んでいるあらわれであり、一見華やかに見えているその裏側で、彼らの生活そして私たちの生活にかかわる重大な問題が潜伏しており、いつ表面化してきてもおかしくない状況であります。そうした観点から、国の動きを見守りつつ、予測できる諸問題についてスムーズに対応ができるように備えなければならないと思います。
その第一歩として、外国人労働者の現状把握が急務であると考えます。現実には、大変難しいと伺っ ておりますが、関係諸機関、職業安定所、労働基準監督署、商工会議所、企業、教育委員会、医療機関等との連絡を密にし情報収集に努めるならば, おのずと実態も浮き彫りとなり、市としても取り組みのできる問題も明らかになっていくものと思います。今後の重要課題として取り上げていただくことを望みまして、現時点で本市の外国人労働者の実数、実態はどのようになっているのか、わかる範囲でお聞かせいただければと存じます。
また、今ある国際係は、本市における国際化の先導役であると認識し期待をいたしておりますが、先ほど述べま した諸問題等、今後の対応につきどのような姿勢で臨んでいかれるのか、御見解を求めまして質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)

O議長(矢野誠君) 市長公室長。O市長公室長(山田利勝君)ただいまの御質問に対しまして国際化という観点から私の方からお答えを申し上げてまいりたいと思います。
初めに、私どもが現在持っております外国人に関する情報を少し申し上げてみたいと思います。
法務省の入国管理局の資料によりますと、外国人の日本への最近の入国者数は、先ほどもお話がありましたが平成2年度で約292万人、これが平成3年度になりますと約323万人ということで、10.6%の増加となっております。この入国者を在留資格別に見てまいりますと、そのうちの92%が観光とか商談とかいうことで、短期滞在ということになっておるわけでございます。
本市の外国人の登録者数を申し上げますと、平成4年8月1日現在で2,395人でございます。これを国別に見てまいりますと、韓国、朝鮮の方が1990人、ブラジルが157人、フィリピンが76人、中国が46人、アメリカ31人、その他となっております。昨年の同期よりも97人増加をいたしております。4.2%に当たると思っております。
次に、お話のありました市内の外国人就労者の状況でありますが、なかなか的確につかむことが難しい状況にありまして、瀬戸公共職業安定所等が日系人雇用アンケート調査をいたしまして、それによりますと平成4年6月時点でブラジル系日系人が50人就業をしているという集計の結果が出ております。その詳細な動向となりますと、安定所すら十分な把握ができていないというのが現状のようでございます。
また、本市の小・中学校に在籍をいたします児童・生徒は12名ありまして、そのうち9名がポルトガル語を言語としているために、それぞれの日本語力に応じて現在個別指導を実施をいたしております。就学問題につきましては、全外国人家庭に文書で確認したり、広報「せと」でもお知らせをしているところでございます。
さらに、医療につきましては、一定の資格、要件が必要でございますけれども、国民健康保険の加入もいただいております。平成4年7月31日現在では138世帯1,176人でございますので、登録者数のほぼ半分の方が加入をされておるようでございます。そのほかにも政府管掌の保険がございますから,それには永住者を中心にして、かなりの人が加入をしているということが考えられます。
問題は、こういった状況の中で、特に不法残留者のことがー番問題になるだろうと思っております。ー昨日の新聞報道によりますと、ことしの5月1日現在で日本国内に不法に残留している外国人が27万8,892人ございます。これを昨年の同期と比較をいたしますと、約11万9,000人,74. 5%と急増をいたしておるわけでございます。ほとんどが就労目的のようでございますので、国際化の進展に伴いまして、この状況はますます深刻化するものと予想をいたしております。
法務省におきましては、これもお話がございましたが、在留資格の範囲の拡大を平成2年6月から実施をいたしておりまして、今後も具体的にさらに検討が進むだろうと思っておりますし、新年度法務省としてさらに急増する来日外国人の対策費といたしまして, 不法労働の摘発体制の充実、収容施設の拡充に意を用いていくようでございます。
本市といたしましても、今後国の動向に十分注意を払っていきながら、また国際係といたしましても、国際交流の場など、いろいろな機会を通しまして情報収集あるいは情報提供に努めて努力をしてまいりたいと、かように考えております。


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