返詩39



「顔を上げてご覧よ」
そう言った君の顔は僕の脳裏に焼き付いて


久しぶりに見上げた世界は
相変わらず醜かったけれど


何故だか君だけは
輝いて見えたんだ




ねえ 気付いたの
小さなこの手に残るものは何もないと


勇気がなくて言えなかったの
本当は怖かった 傍に居て欲しかったと


離れてしまうと思って
消えてしまうんじゃないかと思って


小さい手に溢れるもの
涙と不安と寂しさと
貴方との思い出




一歩一歩と歩む先には
暖かい日差し
澄んだ空気


背中に在る翼は雪のように 透き通るように
どこまでも私を連れて行ってくれるでしょう


深く息を吸って瞳を開けたら
私は前よりも きっと優しくなれる


窓から差し込む暖かい日差し
大きく欠伸をして
今日も一日頑張ろう




本当にあなたが大好きだったの


でもね一緒に居れば
貴方が傷つくって分かっていたから
貴方を一人残していなくなる
そんなこと出来なかったから


どうしても本当のことが言えなかった


貴方は私のこと恨んでいるかも知れない
でもそれでいいと思ってる
貴方の前で消えてしまうなんて出来ないから


私のことなんて忘れて
生きて ずっとずっと生き続けて
私の分まで


もっと貴方の傍に居たかったな
ごめんね ごめんね


生まれ変わってもまた貴方と出逢いたいな
独り善がりでもいいの


貴方と出会えて 幸せでした




悔しいくらいにいつもあんたの事考えてる


授業中だとか休み時間だとか
ずうっとあんたの事で頭がいっぱい


こんなに好きになっちゃったんだ
気付いた頃にはもう手遅れ


まったくもう責任取ってよね
いつもの私を返してよ


あーあ
いつの間にこんな乙女になっちゃったんだか


うじうじ考えるのはもうやめた
私らしくもない
女は度胸 当たって砕けろ


「もしもし。ちょっと話あるんだけど。」