返詩43



すぐ傍には貴女の笑顔
こんなにも近く近く
まるで夢みたい


青い空とならんであるのは蒼い海
その上に浮かんでいる白い雲
そこに居る 貴女と僕
なんて幸せな空間


肌で感じる空気はもう暖かい
もう春だね とふたり微笑む


吹いた風は頬をふわりと撫でていった




こころが痛いの


あなたのことが好きなのに
苦しくて辛くて
でもやっぱりあなたしかいないの


こんな恋を望んだわけじゃない
叶わない恋なんて諦めたいのに


それでも あなたを想ってしまう
気が付けば あなたを探してしまう


中途半端な優しさはやめて
私だけの笑顔じゃないのなら意味ない


どうか私のこころの中からいなくなって
あなたを忘れさせて 諦めさせて




もうぼろぼろだったの


すごく悲しくて 傷ついて
何度も挫けそうになった
もういいやって諦めそうになった


でもね
あなたがいつも傍にいてくれた


「頑張れ」
そう励ましてくれたのもあなただったね


ありがとう
あなたのおかげであたし頑張れたんだよ
立ち上がることができたんだよ


あなたの役に立ちたい
あたしを支えてくれた分あたしもあなたを支えたい


今度はあたしの番


「頑張れ」




そのうち貴方は動かなくなりました


私をずっと見つめたまま
頬に一筋涙の跡を残して


貴方という生命は無くなりました


何の意味もなく横たわる個体
何の理由もなく立ちつくす個体


助けることが出来たのにそれをしなかった私
ただ見ているだけの私
嘆願していた目を無視した私
それすら下らないと思った私
価値の無い私
無力な私




自分が望んでいた世界です
僕は何の悔いも有りません


僕の考えを理解しない者など要りません
僕に逆らう者など必要有りません


それはただの屑でしか無い者であって
僕とは懸け離れた生き物なのです


だから後悔なんてしていません
独りで生きていく
それだけのことです


悲しみなど有りません
寂しさなど有りません
涙など要りません
泣きたいだなんて感情も要らない
要らない要らない要らない