返詩44



もっと素直になりたかった


大好きと言いたかった
愛してると言いたかった
ずっと傍に居てと言いたかった


なのに
最後の最後まで素直になれなかった
意地を張って 強がって
それに何の意味が在るというの?


思い返せば後悔ばかりで
貴方の笑顔を 声を 思い出して


「...大好きだったの」
素直になれた時にはもう 貴方は居ない




愛しているから閉じこめたくなる
自分だけのものにしたくなる


狂気な愛
凶器な想い


触れてしまえばきっと壊れてしまう
それでも壊したい
破壊願望もまた愛なのだ


俺の手の中で壊れてしまえばいい




あいしてる
言葉で言うのは簡単
でも表現するのは難しいと思うの


アイシテル
本当に?
それなら証明してみせてよ


愛してる
私が瞳を閉じたらそれが合図だから




見えないもので繋がっている私たち


私は君が大好きで
君も私が大好きで


ほら矢印が向き合ってる


たまには矢印が反対方向を向いてしまうけど
すぐにまた こんにちは


だって私たちは親友だから
見えないけれど強いもので結ばれているから




ビルの屋上から見下ろした風景


生き物
全てが脆く見えた


体を乗り出したら意図も簡単に自分など
塊になるだろう


でも生きてる


こんなに脆いのに生きている
自分は生きている
それでいいじゃないか


宙を漂っていた足はいつしか
しっかりと地を踏みしめている


「親子丼美味しいよ」
ありがとうございます、と笑ってる自分が居た