返詩47



いつもとは少し違う土地を踏みしめた


言葉も違う
習慣も違う
違うところだらけの地


すれ違う人の事を私は何も知らない
私の事をすれ違う人は何も知らない


でも
ちょっとした優しさだとか笑顔だとかは
やっぱりどこも変わらないんだね


何だか嬉しくなってしまって
いつもとは違う世界を全速力で駆け抜けた




会いたい人がいる
どうしても忘れられない人がいる


彼女を失ってから
僕は僕でなくなってしまったよ


どうしても思い出してしまうんだ
彼女と交わした会話だとか
彼女の笑顔だとか


彼女という大きな存在を
僕が忘れられるはずないよ


会いたい人がいる
守り抜きたい大切な人がいる


もう会えないと分かっていたとしても




小さなバツ印です


きみは誰よりも素敵
けれど誰よりも退屈


私ね
きみの優しさに惹かれていたよ
包み込んでくれるような暖かさが居心地良かった


でもね
優しすぎるのはつまらないの


残念だけれどバツ印


それでも印をはっきりと書ききれず
小さくしてしまうのは
どこかで期待しているからなのか


なんてわがままなことよ




散ってしまうでしょう
この一途な想いを告げたその時は


何にも負けない白さを手に入れた私は
胸が押し潰されるように苦しくもあります
心が躍るように嬉しくもあります


ころころと変わってしまう私ですが
いつかその肌に 指に 触れられる事を願っているのです


そうでありながらも
いずれ変わってしまう時が来るでしょう
私が私でなくなる時が来るのでしょう


それまで私は じっと前を見すえ
心の中にいつまでも白さを描きます


白さを忘れることのないように
それが真実であったことを私に刻みつけておくように


きっと散ってしまうでしょう
本当は私自身それを望んでいるのですから



夕焼け色の街から抜け出した私
あなたの事を想っていたよ


でももう会えないの


だからちっちゃく言ったんだ
「サヨナラ。」って


見上げた夕焼けの赤さは
まるであなたの頬のよう