返詩50


涙を一つあげましょう


小さすぎる程の其れは
きっと与えられたもの全てに幸福をもたらすでしょう
新たなる命を吹き込むでしょう


しんと染み渡るのを感じられたその時は
あなたは元のように笑顔を取り戻しているはずです


失ってしまったものの大切さに気付き
また新たに生きることを誓うはずです


涙はいずれ笑顔に
その永遠を私達は生きています



私は死んでしまうんです


嫌い嫌いと言ってはおりますが
本当は違うという事に気がついていらっしゃいますか


心に嘘をついているという事
きちんと自覚しております


それでも素直になれないというのは
誠に辛い事ではありますが
それが私自身でもあるのです


それ故にいつかは変わりたいと常々思っております
全てはあなたの為に


さて
一花咲かせませう



そう いつだって臆病だった


自分を守る為に嘘をついて
結局は何も信じ切れないままで


後悔をするのはいつも過ぎ去ってからばかり
変えれないものを思い続けても仕方がないのにね


なんて臆病なんだろう
過去も現在も何も変わらない


消えない過去を背負ったままの
消えそうな私


(いっそ消えてしまえれば楽なのに)


これでいいのです、と言った 私


完成したはずだった作品
でもそれは未熟な未完成なものでしか無く


だからといって
私にはどうすることも出来ない
頭は霧がかかったように曇ったままであったからだ


未完成のままの作品
渋る私の表情とは正反対の表情


これがいいのです、と言った あの人



あなたに奪われてしまったのです



“見えないものに壊されてしまいそう”と


登りたくないと言うくせに
下を向くのは怖いと言う


“渦巻きに吸い込まれてしまいそう”と


いっそなくなってしまった方が楽なのかも知れない
それでも足が竦んでしまう私は
一体どこまで臆病なのか


ねえ もしこの螺旋階段を登りきることが出来たら
あなたと一緒になれるのかな
やっぱりぐるぐると回り続けてしまうのかな


案外 それでも良いのかも知れない
私自信どこかで望んでいる


何もかも最初から
あなたに奪われてしまったのです