返詩54



白く消えていった最後のかけら
手を伸ばしても届かなくて


何処へ行ってしまったの
目を閉じればこんなにも
貴方を感じることが出来るのに


忘れられないよ


気持ちも涙も
零れて溢れてしまう




がぁーと坂を駆け上る


何もかも忘れて
真っさらな気持ちで


考え事は山ほどあるけど
悩みがない人間なんて居ないでしょう?
気にしてたら始まんない


ハイテンションも
ローテンションも
全部吹き飛ばしてしまえ




時間は過ぎてゆく
手の中を零れてゆく


耳を塞いでも針の音は
鳴り止まない消えない
そうして私を取り残してゆくのね


刻まないで
私とあなたの距離を遠ざけようとしないで


私が刻むのを止めたら
時は止まるかしら


もう一度振り返ってくれるのかしら




そうじゃない
私はそんな言葉が欲しかった訳じゃない


もうこれ以上期待なんてしないで下さい
期待を背負わさないで下さい
崩れてしまうよ


「頑張れ」なんか欲しくない
それは私を苦しめるだけだったの


ただ 私は
「頑張ったね」


そう言ってくれるだけで良かったの




数え切れない程に
辛いことも苦しいことも
幸せなことも愛しいことも
たくさんありました


出会わなければよかった、と
そう思ったこともありました


でも もしそうだったら
この感情を知らずに
私は生きていくことになるのでしょう


あなたの事で悩んだり喜んだりすることも
最初から無かったものになるのでしょう


それでは あまりにも哀しい


確信できるのは
今の私が私である事
全てをひっくるめて私であるという事


あなたに片想いしている私が
きっと一番私らしい