返詩59



君はいつも輝いていた


眩しくて羨ましくて
遠くから見つめることしか出来なかった私


前に進むどころか
それに満足すら覚えていた


でもふと気が付く
心はどこか満たされず空っぽなこと


今でも
想いに噎せ返りそうになる
どうしてこんなに苦しいの


壁なんて気にせずに突き進めばよかった
いっそ壁も全て抱きしめるくらいの気持ちで
君に想いを伝えればよかったのにね
(どう足掻いても時は戻らない)



臆病な気持ちを隠していたんだよ


強くなりたい
いつもそう思ってた


君と一緒にいると
ありのままの自分でいられる気がした
弱い部分も全部さらけ出せる気がした


やっと君という存在に出会えたのに
さよなら、
なんて



置いていかないで
呟いた言葉はきっと君には届かない




どうしてこうなってしまったの


あんなに愛しいと思えたあなたの笑顔
今の私には麻薬のようでしかない


私の心を狂わせて引き裂いて
全てを連れ去ってしまう
気持ちだけ置き去りにして


辛いよ
もう苦しいよ


あの頃に戻れたらいいのに




何も知らずに呼吸して
何も考えずに消費して
そこに一体何の意味があるというのか
(きっと意味なんてない)


そのくせ否定されることを厭がる
なんと矛盾していることだろう
(結局自分は我が儘なんだ)


自分の存在理由が欲しい
誰かに自分という存在を知っていて欲しい
(孤独じゃ 生きてる気がしない)




「好きで生まれてきたんじゃない」
そう言えたらどれだけ楽か


必要とされない人間はどうしたらいい
生きることにも死ぬことにも
中途半端な気持ちで


でも本当はあたしだって
愛したいし愛されたい
誰かに必要とされたい


この世に生まれてきた理由がきっとある
そう信じてこの命を生き抜くの