返詩63


こんなにも晴れた日だから
珍しく一人で出かけてみた


町の雑踏の中
溢れかえる人は何も見ちゃいない
ひたすら目の前のことで精一杯


今日はこんなに空が青いのに
そのことに全く気付いていないんだ
空とは程遠く 地面に這い蹲っている
たまには空を見上げてほしいな


吸い込まれそうな青さに
自然と目が奪われてしまうよ きっと



鏡を見つめる私
切りすぎた髪を無理矢理に撫でた


「髪。下ろしてたほうがいい。」


何気ない一言だったかも知れない
でも私はどきりとしてしまったんだ


少しでもキミに近づきたいと思っているから


キミの視界に私はどう映っているのかな


「下ろしてたほうがいい、か・・・。」


鏡を見つめる私
切りすぎた髪をそっと撫でた


どうしてこんなに辛いのかな


君の笑顔は私の原動力であって
君の傍に居られることが幸せであって
...それが遠い過去のよう


どうしてこんなに切ないの
ずっと胸を締め付けられているみたい


寝ても覚めても君の事が頭を離れないよ
もうどこかへ行ってしまって
これ以上私を苦しめないで




防衛反応なのです


壁をつくることで
自分を守ることが出来るから


だって いつもそうしてきたの
感情は厄介でしょう
他人の気持ちに踏み込んでも
本当の部分に触れる事なんて出来ない
自分と同様に


なのにどうして今更こんなことに


大丈夫
まだ今なら引き返せる


カチャリとかけた鍵の冷たさと涙
きっと私は忘れない



愛とは一体何だろう
目には見えない大切なもの


でも愛にもたくさんの愛が存在する
ひとそれぞれの愛がある
きっとその本質なんて誰も分からない


愛する人にも自分にも与えられているもの
最後に辿り着く死


死ぬことは怖い
だって誰もそれを見たことがないから
だからといって怯えるのも少し違うと思うの


「幸せな人生でした」
そう思える生き方がしたい


目に見えるものばかりが大切な訳じゃないんだよ
周りを見渡してみて
自分の周りには愛が溢れているはず


それに気付くことが出来たら
あなたはまた一歩幸せに近づいている