電話の向こう。

聞こえてくるのは、意地悪男の声。















   意地悪な彼氏
                              イ ジ ワ ル な カ レ シ















ただ今の時刻、深夜0時。

子供ならとっくに布団の中でグッスリの時間です。



でも、残念ながら私は子供ではないので、眠れません。

さて、私はどうしたらいいですか?







『・・・んなこと俺が知るか。』


そう言うと思った。

私が、電話越しにあなたにそう伝えると、呆れられたような声で答えられた。



「そんなこと言わないでよ。」

本当に眠れないんだもの。



携帯を手にしたまま、枕に突っ伏す。

・・・・やっぱり眠れそうにないわ。




『・・・・・で、本当の理由は何だ?』

「え?」

そう言うとは、思わなかった。




『こんな時間に電話掛けてくるってことは、何かあんだろ。』

「・・・別に。ただ暇だったから。」


枕に突っ伏していた顔を上げる。

ただ暇なだけよ。

気まぐれで、電話しただけ。

・・・・・・・・





『何か言いたいことあるんだったら言ってみろ。』


・・・・・・まったく、もう。

妙なとこだけ、鋭いんだから。





「だって言ったら、絶対困っちゃうもの。」

『んなこと、いいから。』

「・・・・会いたい。」




電話を掛けた理由は、これだけ。

あなたに会いたい。


それが叶わないのなら

せめて、声だけでも。



「会いたいの。会いたい会いたい会いたい。」


口からは、ただそれだけしか言葉が出なくて。

あとは、涙が少し。




『我侭女。』

「うん。我侭なの。」

『開き直んな。』

電話越しに聞こえる言葉とは裏腹に、あなたは少し笑ったような気がした。






『カーテン開けてみな。』

「どうして?」

『いいから。』

訳がわからなかったが、とりあえず言われたとおりカーテンを開けてみる。




『よう。』

「・・・・な・・んで?」


窓を急いで開ける。

ああ。

手が震える。



窓を開けたそこには、携帯電話を持って手を振るあなた。




なんで。

どうして。

あなたがここにいるの?



「どうして・・・」

「会いたかったから。文句あるか??」

「・・・・ない!!」








私の彼氏は、意地悪。

でも、そんなあなたが大好き。








05/9/3


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えっ!?何コレ??とか、言っちゃダメですよ^^;

記念すべき、初!司×つくし小説。


書いててすごく新鮮でした。

・・・・が、慣れないカップリングのため、皆さまの反応がドッキドキ!気になります。

(「司つく、なめんなよ!」とかいう声が聞こえてきそうで怖い。汗)


なにはともあれ、書けて良かった。

パソ修理中で長らくお待たせしてしまってスイマセンでした。ペコリ。