私は 貴方がいないと 生きていけない


貴方は 私がいないと 生きていけない




離れられない 貴方と私


決して

独りには なれない














もしもの話
















「ねーねー。もしも、私が類の前からいなくなったら、どうする??」








ただ今の時間、お昼の3時。

二人でソファーに腰掛けながら、熱いコーヒーを飲んでいた。



そんなふんわりとした空気の中、彼女によるいきなりの発言。





「・・・・どうしたの、急に?」

「んー、別に特に理由はないんだけど、ふと思ってさ。」





ズズズとゆっくりコーヒーを飲みながら、つくしは言った。

「で、どうする??私がいなくなったら。」






つくしが俺の前からいなくなったら・・・・。

きっと俺は....



「生きていけない。」



うん。そうだ。

きっと生きていけない。







「ふーん、そっか。」


そんな俺の言葉が少し嬉しかったのだろうか。

つくしの顔はふわりと綻んだ。






「じゃぁさ、俺がつくしの前からいなくなったら、どうする??」


目には目を、歯には歯を、って言うだろ。

質問は一方的じゃ、平等じゃない。

















「私も生きていけないと思うわ。」





「・・・・・・・・・・。」

あまりにもあっさり答えるので、一瞬耳を疑ってしまったほど。






コーヒーを飲み終えたのか、つくしはソファーの前のテーブルに、コトリとマグカップを置いた。

「類のいない世界なんて、まっぴらごめんだもの。」

少しはにかんだ笑顔で、俺の肩に寄りかかる。



「今日も、一ヶ月後も、一年後も、何十年後も。死ぬまで、ずっと一緒よ。」

俺の目を見つめながら、微笑んで言ってくれた君。



『うん』という代わりに、力いっぱいにつくしの身体を抱きしめた。

俺の気持ちが伝わるように。







胸の中に収まる君と、抱きしめ返してくれる細い腕が、じんわりと温かかった。








05/5/28


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もしも、自分の大切な人がいなくなってしまったら・・・なんて考えて書いてみた作品。


「死ぬまで一緒」って、つくしに言われた時の類の表情は、きっと天使のようだったことでしょう(笑)