貴方の手は とても綺麗


色も白くって

指も長くて

爪も形が良くて


まるで 私とは正反対



















たい手 と かい心



















「類の手って、素敵ね。」




そっと、貴方の手に触れてみる。

触れた貴方の手は、すごく魅力的で。

こんな事を思う私は変なのかしら?




「そう?どうしたの。」


いきなりの謎めいた私の発言を聞いた類は、頭の上に『?』マークを浮かべているようだった。

そりゃ、そうよね。

いきなり『手が綺麗』って言われたら、誰でも驚くはずだわ。





「うん。なんかね・・・・・・」



私の手は 綺麗じゃない


色もそんなに白くないし

指も短いし

爪も小さくて

「羨ましいな、って思ったの。」



・・・私の手とは 正反対






「私の手って、何だか小さくて子供みたいだもの。」




貴方の手の平と、私の手の平をくっつけてみる。

貴方の手は、私よりも ひとまわりも、ふたまわりも大きくて。






「なんで?かわいいじゃん。俺の手にすっぽり埋まってさ。」

「・・・・それは、かわいいと言うものなんですか?」

「言うものです。」

貴方は合わせた私の手に、自分の指を絡めて優しく握った。


「俺は、つくしの手好きだけどな。」





この笑顔と甘い言葉に、オンナノコとやらは、ノックアウトさせられるんだわ。

・・・・まぁ、私もノックアウトさせられた内のひとりなんだけど。





「・・・・ありがと。」

そんなことを思いながら、笑顔で答えた。






「それにしても・・・・・」

私は、繋いだ手を軽く横に振った。

「類の手ってホント冷たいわね。」

繋がった手から伝わってくる温度は、ひんやりとしていて。

ちゃんと、血が通っているのかな?とか、少し思ったわ。


それとも、それは気のせいで、

私の手が温かいだけなのなのかしら?




「うん。なんか、気がつくと冷えてるんだよね。」

「でもさ、手が冷たい人って心が温かい、ってよく言うじゃない?」



ほら、テレビとか雑誌とかで。

テレビっ子の貴方だから、てっきり知ってるかと。




「そうなの?」

「そうなの。」


私は両手で貴方の手を包み込む。



「類は、私の手を優しく包み込んで、私は類の手を優しく温める。」

そうすれば、私の手が小さいのも気にならないし、

貴方の手も、温まるじゃない。




「まさに、ギブ アンド テイク!!
 これで、私の手が小さいのも、類の手が冷たいのも両方とも問題解決ね!!」

「・・・・・・そうだな。」

類も私の手を包み込んだ。





「それにしても、なんで急にそんな事思ったの?」


・・・・・・・そういえば、何でだろう?

特に理由は無いんだよね。

あえて言うなら・・・・・


「何となくそう思っただけ。」

ふんわりと私は微笑んだ。




貴方のことを考えるのに、理由なんていらないわ。

私は、いつでも貴方のこと想ってるんだから。





「そう。変なの。」

そう言った貴方もふんわりと微笑んだ。












私の手は

貴方みたいに美しくないし

短くて 小さい


でも

私 気が付いたの


手が綺麗じゃなくっても 貴方は私を愛してくれる


それに 私の手だって

貴方の手を 温めてあげることは出来るわ


そう考えてみると

私の手も そんな捨てたものじゃないのかもね







・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

こんにちは。常に手が温かい管理人です。

【手が冷たい人は心が温かい】皆さんも一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?

当たっているか当たっていないかはよく分かりませんが、もし当たっているのだとしたら私はものすごく心が冷たいみたいです。笑

・・・・・当たってませんように。涙