戻る
前のページでは「曲のキーが「C」の時」と「曲のキーが「Am」の時」を考えました。
「#」も「♭」も付かないので比較的わかり易かったと思いますが
実際にはそれだけではありません。
世間には、譜面上に「#」や「♭」がたくさん付いている曲が数多く存在します。
 (※ 譜面の先頭に付いている「#」や「♭」を調号と言います)
当然それらはキーが異なるわけですから、それぞれのキーでそれぞれのコードの組合せがあります。

その中のいくつか(比較的目にするもの)を表にしてみましょう。
  曲のキーがメジャーの時     曲のキーがマイナーの時 調号の数
キー 1度 2度 3度 4度 5度 6度 7度   キー 1度 2度 3度 4度 5度 6度 7度
Dm Em Am Bdim   Am Am Bdim Dm 無し
D♭                 B♭m               7
Em F#m Bm C#dim   Bm Bm C#dim Em F# 10
E♭                 Cm Cm Ddim E♭ Fm A♭ B♭ 9
F#m G#m C#m D#dim   C#m               8
Gm Am B♭ Dm Edim   Dm Dm Edim Gm A B♭ 11
F#                 D#m               6
Am Bm Em F#dim   Em Em F#dim Am 11
A♭                 Fm               8
Bm C#m F#m G#dim   F#m               9
B♭                 Gm               10
C#m D#m F# G#m A#dim   G#m               7
  ※ 全部記入してしまうとゴチャゴチャしちゃうので、半分だけ記入しましたが
    表では空白になっている部分も、実際には該当するコードがあります。

(残りも含めて)この表が全て覚えられればそれに超した事はないのですが、そう簡単には頭に入りませんし
頻繁にキーが変わると言う事もあまりありません。
まぁ、一行目の Am を覚えておいて、他はその都度指折り数える事にでも…。

ただ、急にキーを変えなければならない事態というのもあります。
歌い手さんが「高い声は出ないのでキーを少し下げて欲しい」とか
ギター弾きさんが「カポタストを使って押さえやすい形になるようにしたい」などなど…。

そんな時(全て頭に入っていなくても)表のルールさえ解っていれば解決出来ます!!

ところで、この「和音の話」の最初のページに出てきましたが
「和音の名前」は
どの音が [1(Root)] なのか
どちらの [スケール] で並べた時の1、3、5なのか
で決まりました。

キーが変わると言う事は、
どの音が [1(Root)] なのか の部分が変わるだけで
● どちらの [スケール] で並べた時の1、3、5なのか は変わりません。

と言う事は…
メジャーコードかマイナーコードかと言う事は 一旦忘れましょう
マイナー とか 7 とか -5 とか sus4 なんかは、あとでくっつけちゃえば良いんですから。

で、どうするのかと言うと…

まずこのように並べます。

 

これはキーを変える前だと思ってください。
次に曲で使われているコードを探します。
例えば、 E♭、Cm、A♭、B♭7 が使われている場合
それぞれのコードのルート音に印をつけます。

 

そして、元のコードから、新しく何のコードに変えたいのかを一つ決めたら
(ここでは E♭ を C にする事にします)
元のコードの下に変えたいコードが来るように、下にもう一段書き足します。

       
                               
       

すると、残りの印の下にも、それぞれ変更後のルート音が来ますから
書き足した段のルート音で元のコードを読み替えてみましょう。
   「E♭」が「C」
   「Cm」は「Am
   「A♭」は「F」
   「B♭7」が「G7
となります。…簡単でしょ


ただ、毎回この2段を書いているのは面倒ですし、何に変えるか迷う時はこの2段をいくつも書かなくてはなりません。
そこでこんな物を作ってみました。

これは三つのパーツで構成されていて、
    Top
    Center
    Bottom
真ん中のパーツを左右にスライドさせると、上の表と同じ結果が出ます。
(最近ではほとんど見かけませんが)計算尺と同じ要領です。
下の数字はカポタストを使う人用ですから、まぁおまけみたいなものかな…。

先程の E♭ を C にする の場合は

こうなります。下の数字は「3」。  …で、上から読んでいくと、
(ギター弾きさんには) E♭ で弾く為には カポにすれば良い となります。
    Top Center Bottom    

逆に下からも読めますよ。 例えばこれは、
カポ Amを弾くと Emで鳴る と言う具合です。
  Bottom Center Top    


空白も全て埋めた大きな表を頭に入れる事が出来る人や、毎回2段を書くのが面倒でない人は
もちろんそれで結構ですが、そうでない人はこのスケールを作ってみては如何でしょう?


とりあえず、和音のお話はこれでおしまい。

お疲れ様でした。    …一服しようっと。 (´ο`)┌〜 フゥ〜…