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第14話

ノンアルコールビール

             

 ビールの味わいが楽しめる炭酸飲料「ノンアルコールビール」市場が急拡大している。低カロリーが健康志向の消費者をつかんだうえ、昨年6月の改正道路交通法施行で飲酒運転の罰則が強化されたことで弾みがついた。新旧入り乱れての販売競争は過熱、これまでのところ、サントリーの勢いが目立っている。

 ノンアルコールとは、ビールと同じ原料、製法でアルコール分を1%未満に抑えた飲料。製法は@ビール酵母による醗酵を途中で止めるA出来上がってからアルコール分を取り除くーーの2つがあり、いかに味わいを本物に近づけるかが工夫のしどころだ。
 日経POSデータによる最新週(1月6−12日)ランキングでトップとなり、昨年11月の初登場以来7週連続で首位を確保したのがサントリーの「ファインブリュー」(350ml缶、希望小売価格150円)。シェアは41.7%。2位の約2倍と他を引き離している。
 同社初のノンアルコールビールは、国内の自社工場で製造する鮮度と、2000種類という膨大な中から選び出した専用酵母が生み出す味わいが特徴。「おいしさと、通常ビールの半分以下の63`i(1缶あたり)という低カロリーを両立。家庭での需要を引き出すため、缶入りタイプを投入した」と同社は好調要因を分析する。「店頭での強力な販売促進策も一翼を担っている」(大手酒販店)と、販売力を評価する声もある。
 サントリーより一足遅く昨年12月に登場したサッポロビールの「サッポロスーパークリア」(355mlビン、180円)は4位につけた。1969年に発売した「サッポロライト」以来の低アルコール商品。少量のアルコール分が含まれるため「ビヤテイスト炭酸飲料」と呼ぶこだわりようだ。新製法は特許申請中のため明らかにしていないが、24本入り1ケースで年間20万ケースの目標に対して「大きく上回る販売ペース」(同社)という。
 国産品のサントリー、サッポロに対し、キリンビールはオランダ・ハイネケン社の「バクラー」(330ml入りビン、220円)を取り扱う。発売は1990年と古いが、昨年の市場急拡大で2002年の販売量が前年の23倍と一気に増えた。今年2月にはアサヒビールがドイツ・レーベンブロイ社の「レーベンブロイ・アルコールフリー」(330ml入りビン、180円)を投入。ビール、発泡酒に続き、ビール4社がノンアルコールビールでも相まみえ、国産派、輸入派に分かれて覇を競うことになる。
 一方、酒造メーカーや輸入商社の商品は長年の実績を武器に対抗する。86年に発売、高い知名度を誇るのが、宝酒造の「Takaraバービカン」だ。2位につけた350ml缶(194円)のほか、6位の250ml缶(155円)、11位の360ml缶(204円)と並び、ノンアルコールビールの老舗としての底力を見せる。
 昨年3月には製法などに工夫を加え、コクやキレを高めた「Takaraスーパーバービカン」を九州地区限定で発売、全国に販路を広げる計画もあり、後発組を迎え撃つ。
 オーストラリアの工場に生産委託するドウシシャの「ブローリープレミアムラガー」(355ml缶115円、375ml缶150円)は、従来のブローリーの麦芽とホップを変えて2年前にビン入りから再投入した。片岡物産の「クラウスターラー」(330ml缶150円、330mlビン170円)はドイツ・ビルディング社製で、ビールの本場ドイツのノンアルコールビール市場でシェア40%をを誇る”本格派”が売りだ。
 サントリーによると、ノンアルコールビールの販売量は2000年が前年比10%増の87万ケース(レギュラー缶24本入り換算)、昨年はさらに50%増え130万ケースに達したもよう。道交法改正などを映した一過性のブームになるのか、新たな飲料マーケットとして定着するのか。今年の販売動向が一つの試金石となりそうだ。
 私も以前から、休肝日や肝臓の数値の悪いときには、「バービカン」を飲んでいました。味は今ひとつですが、仕方なく飲んでいました。最近は味もいいものが出てきたようです。アルコール分が0%のものもありますが、こちらのほうの味は、疑問符がつきます。最近は、ほとんどの飲食店に置かれているようです。中央道の駒ヶ根のサービスエリアにもあったのには驚きました。ノンアルコールといってもアルコール分はあります。何本も飲めばアルコール摂取量は上がってきます。くれぐれも飲みすぎには注意しましょう。(2003年3月25日)