お酒情報


第8話

ボジョレー・ヌーボー

 11月16日(木)は、待ちに待ったボジョレー・ヌーボーの解禁日です。早速、酒ディスカウント店で買い求めました。@ジョルジュ・デュブッフ・ボジョレー・ヌーボーが1680円、Aジョルジュ・デュブッフ・ボジョレー・ビィラージュ・ヌーボーが1980円で販売していました。
                 
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 今年は8月以降の天候に恵まれてブドウの作柄が良好だったため、新酒の出来も「豊かで品が良く、コクと味わいのある調和のとれた仕上がり」(サントリー)ということですが、なるほど飲んでみると納得の味で、若いワインにしては飲み応えがありました。

 ボジョレー・ヌーボーは、皆さんもご存知のようにフランスのブルゴーニュー地方の南部に位置するボジョレー地区でつくられる若飲みワインです。ボジョレー地区で使われる赤ワインの葡萄はガメイ種と決められています。 ガメイ種の葡萄は、酸味・渋味とも穏やかな特徴を持っています。ボジョレー地区でとれた葡萄の3分の1は、このボジョレー・ヌーボーのために使われます。このワインはフルーティー、軽い飲み口が売り物のワインです。ボジョレー・ヌーボーは、その年にとれた葡萄でその年の内に瓶詰めされその年の11月の第三木曜日に飲めるというワインです。

 ボジョレー・ヌーボーは、フランスのワイン競争の中でボジョレー地区のワインが勝ち抜くための新しい試みでした。そして、現在では、このワインによって大きな富を得ています。 ボジョレー・ヌーボーは一般のワインとは製造方法は異なります。それは、マセラシオン・カルボニック法(炭酸ガス浸潤法)というやり方です。収穫した葡萄(皮を破砕しません)を大きなステンレスタンクの中に入れます。そのタンクの下のほうの葡萄は上の葡萄の重さで潰れ果汁が流れ出て自然に発酵が始まります。 このような状態で置いておくと自然に発酵が始まり、炭酸ガスはタンクに充満します。そのガスの働きでまだ破砕されてない葡萄も細胞内部で酵素の働きによってワインとなる要素が抽出されます。 数日間、この状態で置いたままにします。この時に、バナナのような香りが生まれます。その後、果汁だけを抽出しさらに発酵させボジョレー・ヌーボーの完成です。

 こうして、瓶詰めされたボジョレー・ヌーボーは世界中に輸出され、その年の11月の第三木曜日の解禁日まで大切に保管されます。 日本は、時差の関係から世界でももっとも早くその時期を迎えることができる国の一つなので、珍し物好きの日本人の間で一時大流行になりました。当然、値段も跳ね上がるというまさしくバブル経済を象徴しているような現象でした。 私も数年前、名東区藤が丘に当時あった「ワインバー レモンの館」で行われた「ボジョレー・ヌーボー解禁パーティー」で、しこたま飲んだのを覚えています。今後も晩秋の風物詩として、お祭り好きの日本人の中で残っていくことでしょう。