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第20話 映画「少林サッカー」

 日韓共同でワールドカップ開催中のこの時期に公開されるのが、誰も見たことがない”究極のサッカー”を描いた本作。中国拳法とサッカーという意表をついた組み合わせを、香港伝統のワイヤーアクションと最新のCG技術を駆使してダイナミックに映像化した。香港では公開と同時に圧倒的な支持を集め、香港映画歴代ナンバーワンヒットを記録。あまりの大ヒットぶりに、ミラーマックス社が全米拡大公開を決定したほどだ。この驚異的な映画を作り上げたのは、香港ではジャッキー・チェンを超えるヒットメーカーとして知られるチャウ・シンチー。「食神」「喜劇王」などで見せたコメディ・センスも健在だ。

 かって”黄金の右脚”として知られたファンは八百長試合がもとで引退を余儀なくされ、今では惨めな日々を送っていた。ある日、少林拳を信奉する不思議な青年シンと出会ったファンは、ブロック塀をも崩す彼の脚力に目をつけ、サッカーチームを作ることを提案する。少林拳を普及させたいと願うシンは、かって共に修行した仲間を集め、チームを結成。こうして、サッカーと少林拳の技を融合させた究極のサッカーチームが誕生。彼らは全国大会に出場し、優勝に向かって勝ち進んでいくが・・・・・。

 この映画を鑑賞するポイントは三つ。@子供(あるいは童心に戻れる人)と一緒に見る。Aたくさんの人と見る。B前評判、先入観、過度の期待をもって見ない。以上のポイントを守れば楽しく、おもしろおかしく見れる映画です。私の場合は、どれにもあてはまらなかったため、いまひとつ楽しめなかった。見終わって振り返ってみると、このように、泥臭いギャグ、見え見えの特撮、CGを織り交ぜた映画は最近見たことがない。その意味で希有な作品だ。もう一度上記のポイントを満たした上で見てみたい。でも、まじめに少林寺拳法をやっている人がこの映画を見たら、怒らないかな。

         

<スタッフ>
監督・脚本/チャウ・シンチー
共同監督/リー・リクチー
アクション指導/チン・シウトン
<キャスト>
シン/チャウ・シンチー
ファン/ン・マンタ
ハン/パトリック・ツェー
ムイ/ヴィッキー・チャオ