第28話 四国八十八箇所めぐり

長期休暇中の2005年1月3日〜5日に、四国八十八箇所めぐりに行ってきました。
最近ブームの四国八十八箇所がどのようなところか体験したかったのが
行こうと思った大きな動機です。また、18年で四国八十八箇所を170回回り、
四国霊場会から権大先達という位をもらった父の元気なうちに道案内を
してもらい、その威光を体感する、長男の高校受験祈願、家内安全・先祖供養
祈願も行こうと思った動機です。

1日目

1月3日(月)


    <自宅駐車場にて>
午前1時、父のワゴン車に、父・私・長男・次男が乗り込み自宅を出発。

春日井ICより高速にのり、名神高速、阪神高速、明石海峡大橋、神戸

淡路鳴門自動車道、大鳴門橋を経て、四国徳島県に入りました。

 

 

 


   <遍路装束>

 <雲山寺山門前で父と2人の息子>


     <7番十楽寺山門前>

午前6時10分、1番霊山寺に到着。ここで遍路装束に身支度を整え、

いよいよ四国巡礼の始まりです。最初はお参りの手順を教わりました。

@霊場に入ったら、水屋で口をすすぎ手を洗う。

A鐘楼で鐘を撞く。参拝後は戻り鐘になるので絶対撞かない。

B本堂・大師堂で納札、お灯明・線香・賽銭をあげ、合掌し読軽。

C納経所で所定の納経料を支払い、墨書き、納経朱印をしてもらう。

D入り口の山門では入る時出る時は合掌し一礼する。

金剛杖は弘法大師の分身として大切に護持し、弘法大師が巡錫中、

一夜を橋の下で休まれ、厳しい寒さで一夜が十夜の思いをされたこと

からその遺跡が十夜ガ橋として残り、大師を慕い道中無事を祈念する

遍路は橋の上では杖をつかない約束があります。

本日は、1番霊山寺・2番極楽寺・3番金泉寺・4番大日寺・5番地蔵寺・

6番安楽寺・7番十楽寺・11番藤井寺・13番大日寺・14番常楽寺・15番

国分寺・16番観音寺・17番井戸寺を巡拝。


    <納経帳>

午後3時、少々早いですが「かんぽの宿徳島」に入りました。

ここは「日本の自然100選」に選ばれた徳島市眉山(びざん)山頂に

あり360度大パノラマが眼下に広がっています。ロープウェイでもあが

れます。料理は三が日ということもありおせち料理の入った会席料理

を味わいました。

2日目

1月4日(火)

     


    <ロープウェー乗り場>
午前7時起床、バイキングで朝食を摂り、8時15分出発。徳島自動車

道・松山自動車道で愛媛県に入り、65番三角寺参拝。また松山自動

車道・徳島自動車道で徳島県に戻り、次は66番雲辺寺です。

ここはロープウェーで上がります。頂上には雲辺寺スノーパークもある

ので、駐車場はスキー客の車で一杯でした。

 


 <錦札>


   <ロープウェーからの風景>


    <71番弥谷寺石段>

この後、67番大興寺・70番本山寺・68番神恵院・69番観音寺・71番

弥谷寺・73番出釈迦寺・72番曼荼羅寺・74番甲山寺巡拝。

弥谷寺ではおびただしい石仏を見ながら262段の石段を登らねばな

らず息も絶え絶えになりました。またこの日は団体が多く、先に納経す

るために慌しい移動になりました。

納札は、父は100回以上回っているので錦札を納めれるのですが、

これが非常にありがたい物のようです。納札箱に入れられた錦札は

本人の願いがこめられている場合があるのでそれをとると願いを背負

うことになりよくないので、直接錦札の持ち主からいただくことになりま

す。奥さんは錦札を貰おうと父の前に行列ができる夢を見たということ

でした。私も少し期待していましたが、さすがにそのようなことはありま

せんでしたが、それでも3人の方が錦札を貰いにみえました。また父は

信心深そうな方が後からみえるとわかると、自由に持っていけるように

納札入れの上に分るように置いたりしていました。

 

 

 


     <白衣>

    <山本屋旅館全景>
午後5時、善通寺参道の「山本屋旅館」に入りました。ここは父のなじみ

の宿で、父は「先生」と呼ばれ、たいへんなもてなしです。夕食の時は、

87歳になられる女将さんがお酌してくれたので酒もすすみました。父が

一人で回る時はほとんど宿には泊まらず、車の中で寝ていたようです

が、今回は子供たちが一緒ということで2泊とも旅館に泊まらせてもらえ

ました。

3日目

1月5日(水)


    <75番善通寺赤門>
午前6時30分起床。宿を後にしお参り開始時間の8時に75番善通寺へ。

ここはお大師誕生の聖地で四国一の寺域と伽藍を擁し、金堂・五重の

塔・宝物館など見所がいっぱいです。境内には屋台が軒を連ねていま

した。

また御影堂には、床の下の暗闇を回る「戒壇めぐり」があり、再現され

た弘法大師の声が聞けます。

 


  <金剛杖>


    <83番一宮寺でお参り>


     <85番八栗寺参道>


      <88番大窪寺>

今日はこの後、76番金倉寺・77番道隆寺・78番郷照寺・79番天皇寺・

80番国分寺・81番白峯寺・82番根香寺・83番一宮寺・84番屋島寺・

85番八栗寺・86番支度寺・87番長尾寺・88番大窪寺・10番切幡寺・

9番法輪寺・8番熊谷寺を巡拝。

道隆寺は眼病治癒、郷照寺は厄除け、八栗寺は商売繁盛祈願でにぎ

わっていました。

大窪寺は八十八箇所めぐりの最終となる結願寺です。今回は八十八

箇所の一部だけですが、全部回ってここにたどり着けばきっと感激も

ひとしおでしょう。

大窪寺に行く途中には遍路博物館があり、お遍路さんのいろいろな

品々が飾ってあり、父が納めた錦札、笠も陳列してあります。

熊谷寺には納経終了時間の午後5時を少し過ぎていましたがなんとか

納経してもらい、3日間の八十八箇所めぐりを締めくくりました。この後

一路帰路に就き、午後10時ごろ無事自宅に着きました。

旅行を終わってみると、あっという間の三日間で、次から次へと慌しく

お寺を巡ったという感じです。四国巡礼の手段は、徒歩・バス・電車・

自家用車と多様になってきましたが、何より本人のお参りする気持ち

の持ちようが重要でしょう。心をこめてお祈りすれば弘法大師のお力

もあるでしょうが人間本来の秘められた力が呼び起こされ、その結果

願い事も成就していくものかもしれません。