昨年・2004年はB'z活動史上最も長いソロ活動期間だった。
松本さんは外国のビックアーティスト達を新バンドTMGを結成、シングル・アルバム・ライブDVDリリース、全国ツアーを行った。
一方稲葉さんもシングル・アルバム・ライブDVDリリース、全国ツアーを行った。
B'zとしてシングル「BANZAI」「ARIGATO」がリリースされたものの、活動の主はソロに置かれていたのだ。
互いにソロ活動を経て2005年、ついにB'zが本格始動!全国ツアーの決定に加えニューシングル「愛のバクダン」がリリースされた。
そしてその「愛のバクダン」を含むB'z14枚目のアルバム『THE CIRCLE』が発売された。
ツアータイトル「CIRCLE OF ROCK」と共通するキーワードとなる“CIRCLE”という言葉。
「輪廻」…ソロを経て再びB'zで廻り合ったこのアルバムにぴったりのタイトル。
今回は馴染みのサポートメンバー、徳永さん(ベース)とシェーンさん(ドラム)を加えた4人のバンド体制でレコーディングされた。
バンドサウンドにこだわったB'z流のロック!進化を遂げたB'zの新境地である。
01.「THE CIRCLE」
アルバムの入り口、イントロ的位置なのだがその世界観が一気に広がる感じがある。
宗教的な、異国情緒あふれる不思議な曲だ。
―“破滅と再生と技を 今こそ未知の力を われらに与えておくれ”
02.「X」
元来、B'zのアルバムの1曲目、または2曲目はB'zの王道を行くナンバーが来るのは一つのお約束でもあった。
しかしこの曲はちょっと違う、前曲の「THE CIRCLE」の意思を引き継いだような不思議な持ち味を持っている。
ダイナミックなサウンドに広がる深みのある詞…来世はない、今がどこまでも続く…一寸先はX(未知数)なのだと…。
―“無限の可能性 未知の未来 神さえ予想不能
己が 今を変える なにもかもがX”
03.「パルス」
個人的に真っ先にツボを突かれたのはこの曲。
メロディアスなイントロから一転、畳み掛ける音の波、スピード感あふれるメタルなナンバー。
“どくんどくん”や“どっこいどっこい”といった歌詞には驚かされた、字だけで見るとアレかもしれないが音に乗るとこれがカッコイイ!
ライブで映えること間違いなしである、このスピード感はたまらない。
3分ないがインパクトはこのアルバムの中で一番かもしれない。
―“どくんどくん ふるえる 誰より強い心を持て”
04.「愛のバクダン」
B'z38枚目となるこのアルバムの先行シングル。
ポップロックでシンプルで軽快でキャッチャー、でも軽くなく、しっかりとした音造り。
これぞ17年のキャリアが成せる業ではないだろうか?
タイトルのインパクトも充分(笑)パワー抜群のナンバーだ。
このアルバムの中では浮いた存在に聴こえるかもしれないがそれもまた良い味を出していると思う。
―“人がこしらえた 悲しみのからくり なんとかできるのは ふとしたSmile”
05.「Fly The Flag」
ザクザクと斬り込んでくるようなナンバー。
躍動感があり、メッセージ性も感じられる。
ただカラオケで歌うにはリズム感がしっかりしていないといけないと思う。
―“一生懸命 生きている 名もない旗を掲げろ
Zig Zag Zig Zag もだえてる 青臭い衝動だけが 全身にあふれる”
06.「アクアブルー」
メロウなサビと疾走感のあるサビ、2種類のサビを持つ曲。
聴きやすく、「愛のバクダン」と並んでポップなナンバーだ。
歌詞が女性目線で稲葉さんらしさも感じられる、ちなみに「アクアブルー」とはケータイのランプのことだそうだ。
やはり稲葉さんの視点というか表現者としての力量には毎回驚かされる。
歌詞の割にテンポは良く、聴いていて気持ち良い。
―“アクアブルーが静かに 闇の中で光ってる
今日もこの街のどこかで ホタルみたいに光ってる”
07.「睡蓮」
このアルバム唯一の本格的なスローバラード。
松本さんの作り出す「和」を感じさせる洗練された美しいメロディー、素敵すぎ。
暖かく優しい、フォルセット交じりの稲葉さんの声も心地よい。
アルバムでもっとも安らげるというか浸れる曲。
―“燃えつきてもいい そんなふうに 生きよう
いいんだ 戻る場所は この胸に しまおう”
08.「Sanctuary」
これって名曲なんではないだろうか?
そう思うほどすばらしい!3分台の曲なのにこのスケール感は、この興奮はなんだ!?
冒頭の哀愁漂う静かさが激情の音を帯びてゆく様、サビでの展開…圧巻の一曲である。
「Sanctuary=聖地」…たどり着きたい、自分だけのサンクチュアリに。
これ、きっとコアなB'zファンならきっと大好きだろうと思う。
―“Come On さよならじゃない Come On 逃げるわけでもない
Hello 僕だけのサンクチュアリ Hello
Hello
I will be there 辿りつけるよ”
09.「Fever」
先行シングル「愛のバクダン」の2nd Beatに収録されている曲。
B'zがアルバムにシングルの2nd Beat、一般で言うカップリング、B面の曲を入れるのはめずらしい。
過去を辿ってみると90年の3枚目のアルバム『BREAK THROUGH』以来となる。
とはいえ、収録するのも納得の一曲である、正直「愛のバクダン」よりアルバムに溶け込んでいる。
シンプルでストレートに押しまくる、単純に盛り上がれる曲だ。
―“ずっこけても 起きあがる 傷だらけでも あきらめない
しつこいだろう がめついだろ こうなったら金輪際 他の誰にもやらせん”
10.「白い火花」
歌詞がとても心に刺さった曲。
すごい当てはまるというか、共感しまくりです。(汗)
僕も白い火花になれるだろうか?いやならなきゃいけないんだろう。
弾けるロックが全開にGO!カッコイイ。
―“全開にGO 全開にGO はじけとんで ここから スタートしなよ
他愛ない はかない 幻に もてあそばれないで 白い火花になれ”
11.「イカロス」
誰がこの曲の展開を読めただろうか。
Aメロのミディアムなテンポはサビでは一転し、疾走する。
恐らく誰もが意表を突かれただろう曲だ。
―“とんでみせろ 誰のためとかじゃない やってみせろ 報われなくてもいい
折れない羽と イカロスの勇気で 太陽を探そう”
12.「BLACK AND WHITE」
ハードでへヴィ、重量感抜群のロックナンバー。
TMGのロックさをB'zで表現した感じ、この曲だけドラムをブライアンさんが叩いている。
とってもアクが強い曲です、マニア推薦。
―“永遠に続く憂いの理由は 自分自身だと最期まで気づかないまま”
13.「Brighter Day」
アルバムの締めとしては初となる全英歌詞ナンバー。
全英歌詞は「DEVIL」以来、ちなみに今回のレコーディングで最後に作られた曲だそうだ。
一応日本語訳詞もついているのでじっくり読んでみよう。
曲を聴くだけでもメッセージがというか前向きさ伝わってくるのは素晴らしい表現力があってこそだろう。
浸れるミディアムバラード、とても心地よい。
―“Now I've found the road leading me to
brighter days
(今僕は 輝ける日々へと続く道を見つけたよ)”
全13曲だが時間的には50分に満たない。
しかしそこに詰め込まれた音達の個性はどれも強く、飽きさせない。
もう一度初めから聴きたくなる、これぞまさに“輪廻”である。
個人的な5本の指的曲(「愛のバクダン」「Fever」以外で)は「パルス」「アクアブルー」「Sanctuary」「X」「Brighter Day」。
B'z初心者にオススメできるかといえば難しい部分はあるかもしれない。(「愛のバクダン」や「アクアブルー」「睡蓮」辺りはOKか)
結構コアな部分もあるし、ロックはあまり一般的に受け入れにくいしね。
既出の『GREEN』や『BIG MACHINE』聴いてからこの『THE CIRCLE』聴くと良いかも。
しかしまぁシングルは「愛のバクダン」のみでアルバムを出したその意気は良いなぁと。
世間的には「なぜ「BANZAI」と「ARIGATO」入れないの?」という心境かもしれない。
一般的にはシングルは買わずにアルバムだけ買うって人が多い、だから知ってる曲、つまりシングルが多い方が好まれる。
実際アルバムの方が売上が多い理由の一つがそれ。
でも個人的にあんまりシングルとかカップリングが散りばめられたアルバムって好きじゃない。
やっぱり新曲を多く聴けるのが嬉しい。
話が少しズレましたがこの『THE CIRCLE』是非一聴してみてはいかがでしょうか?
試聴はここで出来るので→試聴ページ
戻る