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新型インフルエンザに関するQ&A
 インフルエンザは、インフルエンザウイルスに感染することによっておこる病気です。これまでヒトに感染しなかったインフルエンザウイルスがその性質を変え(変異し)、ヒトへと感染するようになり、そしてまたヒトからヒトへと感染するようになるといわゆる新型インフルエンザが出現することになります。
 平成15年(2003年)12月以降、タイ、ベトナム、インドネシアなどの東南アジアにおいて、通常ヒトには感染することがない鳥インフルエンザに125人が感染し、これまでに64人の死者がでています(2005年11月10日現在)。これまでのところヒトからヒトへの感染は確認されていませんが、ヒトからヒトへ感染するウイルス(新型インフルエンザウイルス)へと変異し、世界的な流行(パンデミック)の可能性がでてきています。
 そのためWHO(世界保健機関)では、平成11年(1999年)インフルエンザパンデミック計画を発行し、本年5月には、世界インフルエンザ事前対策計画が改訂され、WHOおよび各国の対応が示されました。

お問い合わせの多い質問


I.新型インフルエンザの流行

I−1  新型インフルエンザとは何ですか。
I−2  これまでに新型インフルエンザの流行はありましたか。
I−3  なぜ、新型インフルエンザの世界的流行(パンデミック)の可能性が指摘されているのですか。
I−4  新型インフルエンザの世界的な流行(パンデミック)を阻止することはできないのですか。
I−5  新型インフルエンザが全国的に流行した場合に、どのくらいの人が感染すると予測されるのですか。
I−6  国は新型インフルエンザの流行に対してどのような準備をしているのですか。また、流行した場合、どのような対策をとるのですか。

II.鳥インフルエンザと新型インフルエンザ

II−1  鳥インフルエンザ、高病原性鳥インフルエンザとはどのような病気ですか。
II−2  鳥インフルエンザ(高病原性鳥インフルエンザ)ウイルスがヒトに感染した例はありますか。
II−3  鶏肉や鶏卵を食べて、鳥インフルエンザ(高病原性鳥インフルエンザ)に感染することはありますか。
II−4  鳥インフルエンザ(高病原性鳥インフルエンザ)と新型インフルエンザとはどのような関連があるのですか。

III.国民ひとりひとりの予防と対応
III−1  通常のインフルエンザの予防接種は、新型インフルエンザに効果がありますか。
III−2  新型インフルエンザの予防はどうしたらよいのですか。
III−3  新型インフルエンザに感染した場合、どのような症状がでるのですか。
III−4  新型インフルエンザにかかったかどうか、どうしたらわかりますか。
III−5  新型インフルエンザの治療法はあるのですか。

  IV.リン酸オセルタミビル(商品名:タミフル)について

IV−1  タミフルの効能・効果、用法・用量について教えてください。
IV−2  タミフルは、どのような時に服用するのですか。
IV−3  1歳未満の子どもや妊婦、授乳婦がタミフルを使用するときの注意を教えてください。
IV−4  タミフルを飲んではいけない場合や、特に注意することが必要な場合を教えてください。
IV−5  タミフルの副作用について教えてください。
IV−6  タミフルを服用した後の異常行動等による小児の死亡例が報道されていますが、厚生労働省としては、タミフルの安全性についてどのように考えているのですか。
IV−7  タミフルを服用した後の成人の死亡例も報告されているようですが、厚生労働省としては、タミフルの安全性についてどのように考えているのですか。
IV−8  タミフルをインターネット等で個人輸入して、使用してもかまわないのでしょうか。

V.問い合わせ先

V−1  新型インフルエンザについて、わからないことはどこに問い合わせればよいのですか



I.新型インフルエンザの流行

I-1 新型インフルエンザとは何ですか。

 インフルエンザは、インフルエンザウイルスに感染することによっておこる病気です。ヒトだけでなく、他の動物もインフルエンザウイルスに感染します。通常、インフルエンザウイルスは、例えばヒトからヒトへといった同種の間で感染するものです。
 しかし、インフルエンザウイルスの性質が変わる(変異する)ことによって、これまでに、ヒトに感染しなかったインフルエンザウイルスが、ヒトへ感染するようになり、そしてさらにはヒトからヒトへ感染するようになります。この変異したインフルエンザウイルスのことを新型インフルエンザウイルスといい、そのウイルスによって起こるインフルエンザを新型インフルエンザといいます。

I-2 これまでに新型インフルエンザの流行はありましたか。

 新型インフルエンザとして、大正7年(1918年)に「スペインインフルエンザ」、昭和32年(1957年)に「アジアインフルエンザ」、昭和43年(1968年)に「香港インフルエンザ」、昭和52年(1977年)に「ソ連インフルエンザ」が流行しています。これらはいずれも世界的に流行し、多くの死亡者(たとえば、「スペインインフルエンザ」において、世界では約4,000万人、わが国では約39万人が死亡)を出しました。新型インフルエンザは、10年から40年の周期で流行するといわれています。
 しかし、新型インフルエンザウイルスがいつ出現するのか、予測することはできません。

(注:これまで一般に、スペインかぜ、アジアかぜ、香港かぜ、ソ連かぜと表記してきたものについては、本資料では、それぞれ、スペインインフルエンザ、アジアインフルエンザ、香港インフルエンザ、ソ連インフルエンザと表記しています。)

I-3 なぜ、新型インフルエンザの世界的流行(パンデミック)の可能性が指摘されているのですか。

 I-1に記載があるようにインフルエンザウイルスが変異し、新たにヒトからヒトへ感染する新型インフルエンザの世界的流行の可能性が示唆されています。新型インフルエンザがもし発生した場合、基本的にすべての人々は、そのウイルスに対して抵抗力(免疫)をもたないため、新型インフルエンザはヒトの間で、広範にかつ急速に拡がると考えられます。さらに、人口の増加や都市への人口集中、飛行機などの高速大量交通機関の発達などから、短期間に地球全体にまん延すると考えられます。この世界的流行をパンデミックといいます。
 ただし、新型インフルエンザウイルスがどのくらい強い感染力をもつのかについては、現段階ではわかりません。

I-4 新型インフルエンザの世界的に流行(パンデミック)を阻止することはできないのですか。

 パンデミックを阻止することは世界的にも非常に困難であると考えられていますが、最近の研究では、新型インフルエンザの発生の初期で、その範囲が限られている場合においては、抗インフルエンザウイルス薬の内服と移動制限を行うことで、流行の拡大を遅らせ、次の対策を講じることができることになります。しかし、これまで世界中で経験がないことなので、どの程度成功するかは未知数です。初めて発生する地域で、その発生をいかに早期に発見し、適切な対策をとることが大切です。
 わが国の対策については、「新型インフルエンザ対策行動計画」に示されています。

I-5 新型インフルエンザが全国的に流行した場合に、どのくらいの人が感染すると予測されるのですか。

 米国疾病管理センターの計算式に日本をあてはめると、新型インフルエンザが全国的に流行した場合、約1/4の人が感染すると予想され、また、医療機関を受診する患者数は最大で2500万人と推定されています。

I-6 国は新型インフルエンザの流行に対してどのような準備をしているのですか。また、流行した場合、どのような対策をとるのですか。

 厚生労働省では、平成17年10月、国民への正確な情報の提供、予防や治療など、その流行状況に応じた対策を総合的に推進するため、厚生労働大臣を本部長とする「新型インフルエンザ対策推進本部」を設置しました。同時に、厚生労働省では、「新型インフルエンザ対策行動計画」を策定し、新型インフルエンザの発生状況に合わせた具体的な対策を講じることとしています。


II.鳥インフルエンザと新型インフルエンザ

II-1 鳥インフルエンザ、高病原性鳥インフルエンザとはどのような病気ですか。

 インフルエンザウイルスは、自然界においてカモ、アヒルなどの水鳥を中心とした多くの鳥類に感染します。それを鳥インフルエンザといいます。また、鳥インフルエンザのなかでも、ニワトリ、カモなどが死亡してしまう重篤な症状をきたすものを高病原性鳥インフルエンザといいます。その原因となるウイルスは高病原性鳥インフルエンザウイルスといわれています。
 鳥インフルエンザおよび高病原性鳥インフルエンザについては国立感染症研究所情報センターホームページ(URL;http://idsc.nih.go.jp/index-j.html)を参照ください。

II-2 鳥インフルエンザ(高病原性鳥インフルエンザ)ウイルスがヒトに感染した例はありますか。

 鳥インフルエンザウイルスは、通常ヒトに感染することはありませんが、近年、図1のように、ヒトにおける高病原性鳥インフルエンザ発症事例が報告されています。これまで、タイ、ベトナム、インドネシアなど東南アジアを中心に、132人が発症、68人の死亡者がでています(2005年11月25日現在)。

II-3 鶏肉や鶏卵を食べて、鳥インフルエンザ(高病原性鳥インフルエンザ)に感染することはありますか。

 鳥インフルエンザについては、これまで、鶏肉や鶏卵を食べることによって、ヒトに感染したという事例の報告はありません。このため、食品衛生の観点からは、鶏卵や鶏肉について特段の措置は必要ないものと考えられます。
 なお、鶏卵を「生(なま)」で食べることが健康を損なうおそれがあるとの報告はこれまでありませんが、不安の方は、加熱(WHOの食中毒防止のための加熱条件:中心部70℃、瞬間)することをお勧めします。鶏肉は十分加熱して食べてください。未加熱又は加熱不十分なままで食べることは、食中毒予防の観点からお勧めできません。
 また、食品安全委員会も、平成16年3月に、鶏肉や鶏卵は「安全」とする見解を示しています。詳細は、食品安全委員会ホームページをご参照ください。

II-4 鳥インフルエンザ(高病原性鳥インフルエンザ)と新型インフルエンザとはどのような関連があるのですか。

 鳥インフルエンザウイルスが新型インフルエンザになるには、2つの仕組みがあります。
 ひとつの仕組みは、鳥インフルエンザウイルスがヒトや鳥類の体内で変異し、ヒトからヒトへ感染するウイルス(新型インフルエンザウイルス)になることです。もうひとつの仕組みは、ヒトやブタに、ヒトのインフルエンザウイルスと鳥インフルエンザウイルスが同時に感染し、それぞれが混ざり合い、ヒトからヒトへ感染する新型インフルエンザウイルスになることです。

鳥インフルエンザウイルスと新型インフルエンザウイルスの関係


III.国民ひとりひとりの予防と対応

III-1 通常のインフルエンザの予防接種(ワクチン接種)は、新型インフルエンザに効果がありますか。

 新型インフルエンザのヒト−ヒト感染が起きた場合、予防手段として直ちに使用できるワクチンは現時点ではありませんが、新型インフルエンザのウイルスに対して効果を発揮するワクチンの早期実用化に向けた開発努力が、日本を含め世界の各国で展開されています。

III-2 新型インフルエンザの予防はどうしたらよいのですか。

 通常のインフルエンザは、感染した人の咳、くしゃみ、つばなどの飛沫とともに放出されたウイルスを吸入することによって感染します。そのため、外出後のうがいや手洗い、マスクの着用、流行地への渡航、人混みや繁華街への外出を控えることが重要です。また、十分に休養をとり、体力や抵抗力を高め、日頃からバランスよく栄養をとることも大切です。現状では新型インフルエンザは出現していませんが、出現した場合も通常のインフルエンザと同様に感染防御に努めることが重要です。

III-3 新型インフルエンザに感染した場合、どのような症状がでるのですか。

 新型インフルエンザに変異することが懸念されている高病原性鳥インフルエンザの症状としては、これまで東南アジアなどでの事例では、発熱、咳など、ヒトの一般的なインフルエンザと同様の症状に加え、60%以上の感染者に下痢が認められました。また、結膜炎、呼吸器症状や、多臓器不全に至る重症なものまで様々な症状がみられ、死亡の主な原因は肺炎でした。
 しかし、ヒトからヒトへ感染する新型インフルエンザウイルスに変異した場合、その症状の程度は、現在のところ予測することが困難です。

III-4 新型インフルエンザにかかったかどうか、どうしたらわかりますか。

 現在、新型インフルエンザは発生しておらず、その臨床症状については予測することが困難です。将来的に、新型インフルエンザが出現した場合、特定の症状がある場合には、医療機関を受診し、専門的な検査を受けることとなります。厚生労働省では、その検査法について、研究開発を進めています。

III-5 新型インフルエンザの治療法はあるのですか。

 インフルエンザの治療に使われている抗インフルエンザウイルス薬が有効であると考えられており、今回の行動計画では、2500万人分の抗インフルエンザウイルス薬を備蓄することとしました。抗インフルエンザウイルス薬については、本Q&A第IV章で詳細に扱っております。また、III-1にあるようにワクチンも開発中です。治療薬、治療方法について、最新の知見が発表され次第、情報提供し、国がとるべきしかるべき対応策について公表してまいります。


IV.リン酸オセルタミビル(商品名:タミフル)について

IV-1 タミフルの効能・効果、用法・用量について教えてください。

 タミフル(有効成分:リン酸オセルタミビル)は、A型又はB型インフルエンザの治療及びその予防のために使用される医薬品であり、カプセルタイプとドライシロップタイプがあります。その効能・効果、用法・用量は、次のとおりです。

 <<タミフルカプセル75>>
   <効能・効果>
A型又はB型インフルエンザウイルス感染症及びその予防
   <用法・用量>
1.治療に用いる場合
通常、成人及び体重37.5kg以上の小児は1回1カプセルを1日2回、5日間服用する。
2.予防に用いる場合
通常、成人及び13歳以上の小児は1回1カプセルを1日1回、7〜10日間服用する。

 <<タミフルドライシロップ3%>>
   <効能・効果>
A型又はB型インフルエンザウイルス感染症
   <用法・用量>
通常、成人は1回75mgを1日2回、5日間服用する。
通常、幼小児は1回2mg/kg(体重1kgあたり2mg)を1日2回、5日間服用する。

 タミフルは医師の処方せんによって投薬されることが薬事法によって義務付けられており、医師の処方せんなしに薬局等において購入することはできません。

IV-2 タミフルは、どのような時に服用するのですか。

 タミフルは、医療機関で診察を受け、医師がタミフルの必要性を十分検討した上で、患者に処方するものです。インフルエンザに感染したすべての患者がタミフルを服用する必要はないと考えられます。
 健康な成人の方では、一般的に、インフルエンザウイルスに感染し、症状が出てから3〜7日間でウイルスの排出も終わると言われています。
 また、タミフルは、インフルエンザの症状が出てから2日(48時間)以内に服用を開始することとされています(症状が出てから48時間経過した後に服用を始めた場合には、その有効性を裏付けるデータはありません)。
 なお、65歳以上の高齢者や慢性呼吸器疾患の患者など、インフルエンザにかかった場合に重症化しやすい方々については、同居する方がインフルエンザにかかったときに、その予防のために、医療機関で診察を受け、タミフルが処方されることがあります。一般的な予防投与は認められていません。
 予防のために服用する場合には、インフルエンザに感染した患者に接触した後2日(48時間)以内に服用を開始することとされています(接触してから48時間経過した後に服用を始めた場合にも、その有効性を裏付けるデータはありません)。

IV-3 1歳未満の子どもや妊婦、授乳婦がタミフルを使用するときの注意を教えてください。

 ○ 1歳未満の子どもについて
 1歳未満の子どもについては、安全性及び有効性が十分確認されていないので、医師がタミフルの必要性を慎重に検討し、かつ、その保護者の方々に、服用方法、注意を要する副作用等を丁寧に説明し、同意を得た上で、使用することとされています。
 ○ 妊婦の方等について
 妊婦又は妊娠している可能性のある方については、医師がタミフルの必要性を慎重に検討し、治療上の有益性が胎児への影響等の危険性を上回ると判断する場合にのみ使用することとされています。
 ○ 授乳婦の方について
 授乳をしている方については、タミフルを飲んだときは授乳を避けてください。

IV-4 タミフルを飲んではいけない場合や、特に注意することが必要な場合を教えてください。

 ○ タミフルに過敏症がある方について これまで、タミフルを服用した後に、発疹やショックなどの過敏症の症状が出たことがある方はタミフルを服用してはいけません。
 ○ 腎機能に障害がある方について
 腎機能に障害がある方は、血液中のタミフル濃度が高くなることから、その服用方法が一般の方と異なることがあるので、医師の指示を厳格に守って服用してください。
 ○ 遺伝性果糖不耐症の方について
 遺伝性果糖不耐症の方は、タミフルドライシロップ3%には果糖の前駆物質(体内で果糖に変換される物質)が添加されているので、服用する場合には医師の指示を厳格に守ってください。

IV-5 タミフルの副作用について教えてください。

 タミフルを服用したときは、腹痛、下痢、嘔気などがあらわれることがあります。
 また、まれに、タミフルの服用により、重い副作用を起こすことがあります。
 具体的には、ショック、アナフィラキシー様症状*1、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)*2、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)*3、精神・神経症状(意識障害、異常行動、譫妄(せんもう)(意識がもうろうとした状態)、幻覚、妄想、痙攣(けいれん)等)などがあらわれることがありますので、これらの症状があらわれた場合は、直ちに医療機関に受診してください。

  ※1 ショック、アナフィラキシー様症状:重症の過敏症であり、初期症状として顔面や上半身の紅潮・熱感、皮膚が痒い、唇や舌・手足がしびれるなどの症状をきたし、進行すると血圧低下、呼吸困難、痙攣などから意識消失、呼吸停止に至ることがあります。
  ※2 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群):重症の皮膚障害であり、初期症状として発熱、関節が痛い、皮膚がまだらに赤くなる、水ぶくれができるなどの症状をきたし、進行すると、眼、鼻、口、外陰部などに充血、びらんが起きることがあります。
  ※3 中毒性表皮壊死症(Lyell症候群):極めて重症の皮膚障害であり、初期症状として発熱、発疹、皮膚が焼けるように熱く感じる、水ぶくれができるなどの症状をきたし、進行すると、急速に全身の皮膚が障害され、発赤、水ぶくれ、びらんが広がる、皮膚がむけやすくなり、重症のやけどのようになる、口や目の粘膜にもびらんが起きることがあり、時には意識障害や呼吸困難に陥ることもあります。

IV-6 タミフルを服用した後の異常行動等による小児の死亡例が報道されていますが、厚生労働省としては、タミフルの安全性についてどのように考えているのですか。

 タミフルを服用した16歳以下の異常行動によるものを含む小児13例(治験時1例を含む。)の死亡が報告されています。これら小児の死亡事例とタミフルとの関係については、本年11月18日に米国食品医薬品局(FDA)が評価を依頼した小児諮問委員会においても、「現時点で得られている事実からは、因果関係を示す証拠はないと考えられる」と評価されています。
 厚生労働省としては、専門家の意見も聞いたところ、タミフルと死亡との関係については否定的であることなどから、現段階でタミフルの安全性に重大な懸念があるとは考えていません。
 医師の指示に従って適切に服用するとともに、副作用の症状があらわれたときは、医師、薬剤師に相談して下さい。

(新)IV-7 タミフルを服用した後の成人の死亡例も報告されているようですが、厚生労働省としては、タミフルの安全性についてどのように考えているのですか。

 タミフルを服用した成人(17歳以上)の死亡が報告されていますが、専門家の意見も聞いたところ、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)※1及び腎不全※2による死亡2例については因果関係を否定できないものの、それ以外の24例についてはタミフルと死亡との因果関係は否定的であるとされています※3。
 タミフルの服用に伴い中毒性表皮壊死症及び腎不全がごくまれにあらわれることについては、添付文書の使用上の注意にそれぞれ平成14年10月及び平成15年7月に記載し、注意を喚起しているところです。
 したがって、厚生労働省としては、現段階でタミフルの安全性に重大な懸念があるとは考えていません。
 医師の指示に従って適切に服用するとともに、副作用の症状があらわれたときは、医師、薬剤師に相談して下さい。
  ※1  中毒性表皮壊死症は、一般用医薬品を含めた多くの医薬品においてごくまれにあらわれる副作用として報告されています。医薬品・医療機器等安全性情報No.218(http://www.mhlw.go.jp/houdou/2005/10/h1027-1.html)の「2.医薬品による重篤な皮膚障害について」を御参照下さい。
  ※2  タミフルと腎不全との因果関係が否定できない事例が、これまでに10例(死亡例は本例のみ)報告されています。
  ※3  タミフル発売(平成13年2月)後に厚生労働省に報告された事例については上記のとおりですが、これとは別に、タミフルの製造販売業者は、そもそもタミフルとの因果関係がないものとして死亡8例を把握していると聞いています。

(参考:タミフルの有用性について)

  (1)  医薬品は、人体にとって本来異物であり、何らかの副作用が生ずることは避け難いものです。このため、治療上の効能・効果と副作用の両者を考慮した上で、医薬品の有用性が評価されるものです。
  (2)  タミフルについては、
 WHOや欧米においても、インフルエンザに有効な医薬品は実質的にタミフルしかなく、新型インフルエンザ対策の重要な柱として位置付けられており、
 タミフルとの因果関係を否定できない死亡例が上記のとおり報告されていますが、ごく限られたものです。
(注)  昨年冬のインフルエンザ・シーズンにおけるタミフルの国内供給量は約860万人分。
  (3)  したがって、タミフルは医薬品として高い有用性が認められるものであり、通常のインフルエンザ及び新型インフルエンザ対策の上で、必須の医薬品と考えられています。

IV-8 タミフルをインターネット等で個人輸入して、使用してもかまわないのでしょうか。

 タミフルは、医療機関を受診し、医師の指示に従って服用する医薬品です。
 タミフルを個人輸入して、自己判断で使用することにより、健康被害が引き起こされる可能性もありますから、安易に個人輸入して使用することは控えて下さい。

〔参考〕
 1.タミフルの添付文書は、医療用医薬品の添付文書情報(検索ページ)(http://www.info.pmda.go.jp/psearch/html/menu_tenpu_base.html)の「一般名・販売名」に「タミフル」と入力し、[検索実行]ボタンをクリックすることにより入手できます。
 2.タミフルの「くすりのしおり」(医師や薬剤師などの医療提供者から患者さんに、その「くすり」の概要を説明する際の補助資料です。)は、くすりの適正使用協議会のウェブサイト(http://www.rad-ar.or.jp/siori/kensaku.html)で、検索・入手できます。
 3.タミフルのインタビューフォーム(医療用医薬品添付文書等の情報を補完し、薬剤師等の医療従事者にとって日常業務に必要な医薬品の適正使用や評価のための情報あるいは薬剤情報提供の裏付けとなる情報等が集約された総合的な医薬品解説書です。日本病院薬剤師会が記載要領を策定し、薬剤師等のために当該医薬品の製薬企業に作成及び提供を依頼しているものです。)は、中外製薬株式会社ウェブサイトの「医療関係者向け情報」(http://www.chugai-pharm.co.jp/hc/di)で、検索・入手できます。
 4.「インフルエンザ脳症ガイドライン」(厚生労働省 新興・再興感染症「インフルエンザ脳症の発症因子の解明と治療及び予防方法の確立に関する研究」班作成)は、http://www.okayama-u.ac.jp/user/med/ped/pedhome.htmlで入手できます。


V.問い合わせ先

V-1 新型インフルエンザについて、わからないことはどこに問い合わせればよいのですか。

 新型インフルエンザ等に関する情報は、厚生労働省のホームページで随時更新される予定です。なお、ご不明な点につきましては、厚生労働省健康局結核感染症課(電話03−5253−1111)にお問い合わせください。


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厚生労働省発表(平成17年12月15日改訂)より