防ごう!大人の風しん  

国立感染研究所では、911日現在に2018年第35週(8/279/2)の風しん患者数が1週間で新たに75人増加し、今年に入ってからの累計患者数が362人に上り、昨年1年間の約4倍の患者数となっていることを報告しました。

どうして大人の風しんが増加しているのでしょうか?平成24年から25年にかけて発生した風しんの流行では、
20歳代~40歳代の男性を中心に、大人の間で感染が広がりました。これは、子どものころに風しんにかかったことがあるか、予防接種を受けたことがあるかにより大きく異なります。

風しんは、一度、感染すると、生涯続く免疫が体中につくられ、その後、風しんにかかることはないとされています。この免疫は、風しんワクチンを接種することでもつくられます。日本での風しん予防接種制度は、昭和528月から、「中学生の女子」を対象とした学校での集団接種によってスタートしました。しかし、これまでの制度改正により予防接種を受けられなかった、受けなかった、かつ、風しんにかかったことが無いような大人にかかる恐れがあります。風しんは子どもの病気と思われがちですが、近年では、大人の間で風しんの感染が広がっています。そうした中で最も心配されているのが、妊娠中の女性への感染です。妊娠中、特に、妊娠20週ごろまでの女性が風しんにかかると、母体を通じて胎児がウイルスに感染し、生まれてくる赤ちゃんに「耳が聞こえにくい」、「目が見えにくい」、「生まれつき心臓に病気がある」、「精神や身体の発達が遅い」などの障害(先天性風しん症候群)が生じるおそれがあるからです。その確率は妊娠初期に感染するほど高いと言われています。先天性風しん症候群の発生を防ぐためには、まず、妊娠中に風しんにかからないよう、女性の皆さんは、妊娠する前に予防接種を受けて「予防」することが重要です。また、妊婦や妊娠を控えた女性だけでなく、妊婦に風しんをうつさないよう、妊婦の周囲にいる夫や家族、職場の同僚なども風しんにかからないよう、予防接種を受けて予防することがとても大切です。

ワクチン接種で防げる感染症にも関わらず、いまだ風しんが国内で流行しています。
当院では、おとなの風しん予防接種実施機関として麻しん・風しん混合ワクチン(mrワクチン)の予防接種を行っております。
年末年始には、人混みへの外出や海外旅行などにより風しんに感染する危険性が高まります。この機会に予防接種を行うことを推奨致します。

当院では、
予約制にて実施しておりますので接種を希望される方は事前にお問い合わせください
接種期間は、平成31年3月末日(年度末)までとさせていただきます。

電話0561-84-3115(あさいクリニック代表)


定期接種の実施状況と大人の風しんに感染しやすい人を年代別に表すと、以下のようになります。

生年月日などによる風しんワクチンの定期接種状況

生年月日など

定期接種の状況

昭和3741日以前

接種なし

昭和3742日~昭和5441

男性:接種なし

昭和3742日~昭和5441

女性:1回接種あり (中学生の時に学校で集団接種)

昭和5442日~昭和62101

1回接種あり(中学生の時に医療機関で個別接種)

・幼児期にMMR※1)ワクチン接種の場合あり

昭和62102日~平成241

1回接種あり (幼児期に医療機関で個別接種)

平成242日以降

2回接種の機会ありMRワクチン(※2)の2回目を医療機関で個別接種)

1:MMRワクチン:麻しん(はしか)風しんおたふくかぜ混合ワクチン 2MRワクチン:麻しん(はしか)風しん混合ワクチン

・昭和3741日以前生まれの男女

定期接種制度が行われていませんでしたが、大半の人が自然に風しんに感染することで免疫があります。

・昭和3742日~昭和5441日以前生まれの男性

中学生の時に女性のみを対象とし、学校で集団接種が行われていたため、自然に風しんに感染する機会が減少しましたが、

男性は定期接種制度が行われていないので、風しんの免 疫がない人が多い世代です。

・昭和5442日~昭和62101日生まれの男女

男女とも中学生の時に予防接種を受ける対象になっていましたが、中学生のときに個別に医療機関で予防接種を受ける制度で

あったため、接種率が低く、風しんの免疫がない人が多い世代です。

・昭和62102日~平成241日生まれの男女

男女とも幼児のときに予防接種を受ける対象となり接種率は比較的高いのですが、自然に風しんに感染する機会がさらに減少

したため、接種を受けていない人には風しんの免疫がない人が比較的多い世代です。