歌声に、シンは足を止めた。

  君の姿は、キラに似ている  繰り返される痛みに、静かに泣いているように胸に響く
  キラは、キラが選んだ今を生きたいと願う  それだけ

  君の速さは、私に似ている  歯止めの利かなくなる翼、砂にまみれた靴を払うこともなく
  こんなふうにしか生きられない

  でも、だから  君に約束しよう
  いつか私達に向かって走ってくる時は、君の視線を外さずにいよう  君の思いを受け止めよう
  君の姿は私達に似ている
  同じ世界を見てる君がいることで、私達は自分を、世界を好きでいられる  信じていられる
  明日は君が連れてくる


覗き込んだ先、キラに膝枕をして。カガリはシンに笑いかける。カガリがシンに、笑いかける。
『立ち聞きを確信して、ワザと!』
一気に顔を赤らめたシンが口を開く前に、カガリは最後のフレーズを奏でた。

  君となら、悲しみも憎しみも終わらせることができる

「、、っ」
シンは顔を赤らめたまま、でも何もいわずに、いえずに。逃げるように走り去る。
『ちくしょう、ちくしょう、ちくしょぅ、、、、』
今はまだ分らないけど、いつか
『いつか、俺もあんたに!』
同じ言葉を返したい。
シンはあふれる涙を拭いながら、息が切れるまで走り続けた。


シンの気配が遠のくと、キラはカガリの膝から起き上がる。
「誰が誰に似てるって?」
「キラもアスランもシンも!そっくりだって事さ。」
あっけらかんと言うカガリに、キラは呆れる。
「元歌、そんなだっけ?」
「ああ、、ラクスにヒント貰った。私とラクスが似てるって。ラクスと私じゃ月とツッポンだけどな。」
「ラクス、、、ね。」
「似ていても似てなくても、私達がそれぞれに生かされてるには違いないよ。そうだろ!?」
拗ねるキラの頭を、カガリはぐしゃぐしゃとかき回した。

僕は君に似ている(see-saw) ですが、曲だけ聴いてEDを見なければシンとキラ(皆)の歌に聞こえま、、、、せん?(笑)2005/11/6

7月竜