夜明け前

7月竜

僕の宝物は何だった?

兄さんは大切。
ウィンリィもばっちゃんも。師匠やシグさんや、皆。大切。
兄さんが大切。
近い未来、兄さんの横に立つ人も。生まれてくる子供達も。
之から出会う人達みんな、きっと大切になる。
すごく、大切。
守ってあげたいよ!?

この気持ちは、想いは!決心は強いのに、感覚の境界はあやふやだ。
好きだから、守りたいんだろうか?
失くせないから、大切なんだろうか!?
目の前にあるから、想うのだろうか。

一日一日、僕は記憶や、感情や‥。感覚を少しずつ無くしていく。
分らなく、なっていく‥

いつか、兄さんを大切に想うこの気持ちまでも、分らなくなるんだろうか?
ただの鎧の従者になってしまうのだろうか!?

そんなの嫌だ!と思うのに。
それを悲しむ気持ちも、たぶんもう分らない。

兄さんを哀しませたくない想いしか、ない。

「アル、絶対戻ろうな!」
兄さんが願うのだから、必ずその日は来るだろう。明けない夜は無いのだから。

「元に戻ったらやりたい事、してね。兄さん。」
その時、アルフォンス・エルリックが存在しなくても。
朝は何事も無くやって来るだろう。
明ける夜しか、ないのだから。

アニメ版アルフォンス君。エドとの和解を見てないので似非者です(笑)。済みません。
記憶があやふやになる。自分の存在が不確かと言うのは、すごく不安だと思います。
この世の中、学生証なり保険証なり免許証でもいいですが、自分を証明するものが無いと何も出来ません。住基ネットを採用している役所に自分の番号が無いとしたら?自分が自分であると、どうやって証明できるでしょうか?本人だけの言い分なんて公では通りませんから‥。
そんな不安・辛さをアニメ版で思ってしまいました。書いて忘れてたのを今頃up(爆)。もう、旬過ぎてるって(笑)。2004/04/21