hug
7月竜
7月竜
今日最後にあなたの瞳に映った女の子は、私ですか?
「ギャーッ。何書いてるのよ、瞬!」
「いや〜、ちょっと那由多の気持ちをポエムに」
正義の鉄拳を落とし(トウゼン)、手紙を奪い取る。宛名は無いものの、私の名前が最後に書いてあるし〜(怒)
「お、那由多?顔が赤いぞ」
入ってくるなりボケ無いでよね。八葉さんも!
捏造偽造、ポエムどころか日本語でも無い羅列を千切り捨て、
「じゃ、お先」
冷たく挨拶して帰る。
登校して勉強して生徒会活動して帰宅するいつもの、日常。他の子と違って、見回りしながら歩く真守の日常。
それなのにアイツは
「また、明日」
呑気に言うから腹が立つ。
当たり前に言うから……、頑張れる。
人知れない責務。この宿業は私達まででいい。闇に隠されたチカラの、使い方の継承など
だから負けられない。だから、投げ出さない。
誇りと重責と。自信と拘束の中、ここにいる私へ、明日の約束をする。
あなたに私はどう映ってるんだろう。
使命に隠された晴美ちゃんの可愛さが明るみに出た体育祭。私の素が出た悪夢の体育祭。
「守山さんは守山さんでしょ」
おんぶされて帰る道、泣きたいほど力が抜けた。