茶臼山(西尾市・幸田町)


茶臼山という名の山はあちこちにある。愛知県の最高峰も茶臼山だが、今回登った茶臼山は290.9mと低い山だ。麓にはキャンプ場と滝があり、散策路を少しと登ると展望台もある。なかなかの人気スポットである。私は続けて2回この山に登ったが、いずれも、10人以上のハイカーとすれ違った。
この山の特徴としては、登山道がたくさんあることである。それはこの山の人気度を示しているのかもしれない。しかし、残念ながら、案内標識がほとんど整備されておらず、道に迷う危険性がある。
私もうっかり下山の際、予定とは異なったコースを下りてしまった。悔しくて確認のため、後日もう一度登った。
この地図に表示したコースは2回分のコースを記載したが、ほかにもたくさんコースがあるようだ。
もっとも安心して歩けるコースは、地図上の@の地点→A→B→C→D→Eの地点(山頂)、ここで引き返すのも良し、西茶臼山(茶臼山城址)まで足を伸ばすのもいい。茶臼山からの下りはDの地点から洞穴の前を通って、沢に沿う登山道に合流して、薬師堂の横へ下りるコースではないだろうか。もちろん、その逆のコースも安心コースと言えよう。
なお、「まむしに注意」という看板があったので、念のため・・・。

コース:P 駐車場→7分→薬師堂(@の地点)→18分→展望台(Bの地点)→30分→茶臼山山頂
     (Eの地点)→20分→西茶臼山<茶臼山城址>(Hの地点)
日付:平成24年5月19日(土)、26日(土)
天候:いずれも晴れ
所要時間:1時間15分(片道。休憩時間を除く)
歩行距離:2.5km(片道)

    コース地図を開く  ここをはじめてクリックするとプラグインのインストール画面が
            (初期値は1/10000)      表示されるので、「はい」をクリックする。不具合が発生した
                                 場合はこちらの「8」参照

                                 なお、念のため他のウィンドウをすべ閉じておくこと。


  (移動軌跡データファイルのみの呼び出し方法および地図の利用上の留意点)
 
1.この上にカーソルを当て、右クリックで「対象をファイルに保存」を選択し、デスクトップに「移動の軌跡
  データ」を保存します。ここでは、そのファイルは開かないでください。

2.国土地理院の電子国土ポータルへジャンプする。
3.国土地理院のプラグインのインストール画面が表示されたら、「はい」を選択する。
4.小さな日本地図が表示されるので、「ファイルを開く」(ボタンは画面右側の作図パネルの下部に隠れている)で、
  先ほどデスクトップに保存したファイルを指定して、それを開くと、地図の上に「移動の軌跡」が合成される。
5.この状態では、まだ地図の縮尺が小さいので、縮尺スケールが600mほどまで拡大して利用します。地図の表示
  窓が小さいので見にくいが、印刷結果はとても鮮明です。不要になったら、デスクトップのファイルは削除してくださ
  い。
  地図の呼び出し方について、詳しくはこちら

6.留意点
 (1)地図上の赤線はGPSよる移動の軌跡を、手書きで地図に転記したもので、実際の軌跡データとは若干の誤差が
   ある。
 (2)上記地図の経緯度線は「世界測地系」(GPSではWGS 84)に従い、目安として手書きで表示したものであり、各地
   点の表示は「秒」までに止めた。青線の間隔は10秒(横は約250m、縦は約300m)ごとである。
 (3)高度表示については、約5m〜10mほどの計測誤差がある(ほとんど低めに表示されてい る)。
 (4)地図と緯度経度の関連付けをより明確に知るにはカシミール3Dのホームページのフリーソフトを利用されたい。

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(各地点の説明)

   P 駐車場【北緯34度51分07秒 東経137度07分23秒 標高56m】。キャンプ場利用者やハイ
    カーのために20台以上収容できる駐車場が設置されている。さらに舗装道路を少し登った
    トイレの横にも駐車可能である。
   @薬師堂【北緯34度50分54秒 東経137度07分19秒】。お堂の左側の崖から、女性的な細い
     滝が落ちている。落ちた水は10本ほどの竹の樋を伝い、いく筋かに別れ流れ落ちるように
         手が加えられている。
     説明板によると「滝は、清和天皇の御世(858−875)、比叡山の座主「慈覚大師」ご下行
     の折、この平原の里に一夜の宿をとり不思議な夢を見た。翌日、この山に登り、滝があるこ
     とを発見した。大師は薬師如来の仏像を彫り、本尊として祀った。以来、滝は「薬師の滝」と
     呼ばれ、滝水を飲めば長寿に、打たれると難病も治ると伝えられている。」
     薬師堂の左側の小さい沢づたいにも登山道があるが、今回は薬師堂の右側の「平原の滝
     遊歩道」とある案内に従って階段を登るコース順に説明しよう。
   A分岐点【北緯34度50分51秒 東経137度07分12秒】。右は展望台、左は茶臼山の案内板
     がある。
   B展望台【北緯34度50分55秒 東経137度07分11秒】。展望台からの景色はなかなかのも
     のだ。田園風景の真ん中を八ツ面山に向かって国道23号線が伸びている絵が真っ先に
     目に飛び込んできた。
   C小ピーク【北緯34度50分45秒 東経137度07分19秒】。登る時は何も気にせず通過したポ
     イントだが、下りではこの場所で、左方向へ進むべきところ、そのまま真っ直ぐ下りてしまっ
     た。途中で気付いたが、どこへ下るのだろうかと急な山道をそのまま下りたところ、小さな
     沢に出た。その沢を渡ると薬師堂脇の沢沿いの登山道に合流した。そこから薬師堂まで
     は100m足らずだった。
   D小ピーク【北緯34度50分42秒 東経137度07分21秒】。ここは西方向に展望が開けてい
     る。10mほど先で沢伝いの登山道と合流している。左へ少し下りると洞穴がある。末尾記
     載の資料によると戦時中の防空壕とか。
   E茶臼山山頂【北緯34度50分37秒 東経137度07分23秒 標高290.9m】。大岩がむき出しに
     なっていて、いかにも頂上らしい雰囲気だ。南西方向に大きく展望が開けている。
   F分岐点【北緯34度50分32秒 東経137度07分17秒】。山頂から見えたNTTドコモ吉良無線
     中継所を目指して下り、アンテナの周囲に張られたフェンスの裏側から少し下ると、深篠池
     の方へ下りる道(直進)と西茶臼山へ向かう道(左折)とが分岐している。
   G展望の開けた地点【北緯34度50分20秒 東経137度07分07秒】。Fの地点で左折すると間
     もなく尾根筋に出る。左側は採石場で切り立った崖になっている。しばらく進むと、補助ロー
     プが張ってある。ロープにつかまりながら登ると、太い木の根元に「のろし場跡」と書いてあ
     る。そこを通過して100mほど進むと、南側に大きく展望が開けた山頂らしき場所に到着。
     この地点が西茶臼山かと思ったが、西茶臼山はもう100mほど先である。
   H西茶臼山(茶臼山城址)【北緯34度50分21秒 東経137度07分05秒 標高261m】。Gの地
     点から空堀を越えて、巨木を見ながら進むと石組みの階段の前に出る。階段の脇には覚
     明神霊碑が倒れていた。
     階段を上がると平らな広場で、井戸跡のような窪地もある。ここが西茶臼山山頂と思われ
     るが、何の標識もない。城址についても、何の説明もない。
     また、周囲には樹木があり、展望は開けていない。
   Iの地点【北緯34度50分46秒 東経137度07分33秒】。このコースは道がはっきりしておら
     ず、コンパス、GPS、地図なしでは不安なコースである。
     この地点では、東の方角に展望が開けていた。
     少し下ると「右 無の里」と木の幹に書いてあった。左方向は何の表示もなかった。
   J林道と合流【北緯34度50分54秒 東経137度07分38秒】。ここで、林道を下れば下山でき
     ると思い(ここで使用した地図も「無の里」へ通じる道路に合流しているかのように作図され
     ている。この記載は誤っているので、地図を手修正した。)、草で覆われた林道を進むと突
     然岩の壁が現れ、その先はどうしても進むことができなかった。多分、途中で西方へ抜ける
     山道の上り口があったのだろうが、発見できなかったので、Jの地点まで戻った。改めて
     よく見ると、 「無の里へ」という案内があった。登山道は、林道を横断して薮の中へと続いて
     いた。はっきりした道ではなかったが、かろうじて踏み跡を探りながら下った。
   Kマイナーな登山口【北緯34度51分04秒 東経137度07分46秒】。なんとか薄い踏み跡をた
     どって車道に出た。そこには「登山口」と書いた布切れが木の枝にぶら下がっていた。しか
     し、ここから迷わずに、今下りてきた登山道を探り当てるのは、なかなか難しい。
   L無の里休憩所【北緯34度51分08秒 東経137度07分27秒】。帰りがけに、車で立ち寄って
     みた。
     明治6年頃に建築されたという、徳山村から移築した萱葺きの民家があった。
   Mホタルの里【北緯34度51分16秒 東経137度07分12秒】。ゲンジボタルの保護地。ふ化室
     という建物があった。よく整備されているので、多分、夏になれば蛍の乱舞が楽しめそうな
     場所である。
     隣の烏ケ池には、数人の釣り人がいた。

   【参考資料:「新こんなに楽しい愛知の130山」(あつた勤労者山岳会編集)】

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