曙光礼賛碑の内容

場所:下半田川町841番地 下半田川町民会館敷地内

下半田地内の山林百六十町三反七畝歩(159ヘクタール)は、江戸時代には尾張藩主から、応夢山定光寺へ寄進された寺領であったが、明治初年の国政大改革に伴って国有地となり、数年の後、旧尾張藩士へ払い下げられることになった。村ではこの機会に、その総ての山林を我が村民の所有にしたいと考えて、旧藩士の代表者と交渉を重ねた。しかし、その買受けには莫大な資金を必要とすることとて、並大抵の業ではなく、全村民は一大決意を固めて行動し、明治11年1月、全山林の買受けを終わった。
 この資金の調達は、下半田川住民にとってはまさに臥薪嘗胆そのもので、辛苦の程は筆舌に尽し難いものであったが、遂にこれを成し遂げた祖先の功は、まことに偉大と言わなければならない。この山林は私有地としてそれぞれ村民に渡し、一部は共有林として村民共同のものとした。今日この共有林は有効に種々活用されて、下半田川町の財政に、文化にすばらしい幸せをもたらしている。
 町民会館の完成を期して、ここに謹んで先駆者の偉業を顕彰するものである。

                                      昭和63年3月5日 建之

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