擂鉢(すりばち)池の大蛇


本堂の左手前に擂鉢池といって、昔はかなり大きな池があった。
ある年の秋に、暴風雨があって、その池の波も吹き上がったかと思うと、境内いっぱいにおよぶ大木がドーシンと落ちてきた。その音に驚いた村人たちは、吹きすさぶ嵐の夜光のなかで、確かにその大木を見た。翌朝、風もおさまって新福寺の境内に集まった村人たちは、我とわが目を疑ってみたが、あの大木がどこにも見あたらない。いぶかしながらも、村の人達は考えた。「あれはきっと、池の主の大蛇が天に昇っていったのを見たのかもしれないと・・・。」

【参考資料:西区の歴史(山田寂雀・西岡寿一著)】


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