矢田川を遡って<その1>(尾張旭市〜瀬戸市)

矢田川の源流とはどこだろう。途中で、いくつもの川が合流していて判断に苦しむ。とりあえず、矢田川から赤津川に沿って歩き、東大演習林宿舎付近を目指すことにした。
今回は、宮下橋から海上の森の手前まで、交通量が多いところでは、静かな道を選びながら歩いた。
終わりがけに、矢田川から少しコースを離れて山口八幡社や大津城址にも立ち寄った。
なお、このコース地図は2回に分けて歩いた結果を1つの地図にまとめたものである。
また、地図上の紫線は別の機会に歩いた移動軌跡を参考までに追加表示したものである。

コース:P 神社駐車場→1.0km→@の地点→1.2km→西本地橋(Aの地点)→1.1km→本地大
      橋(Bの地点)→0.8km→C道標→1.6km(観音堂立ち寄り)→D庚申塚、道標→0.8km
     →菱野城址(Eの地点)→1.4km(庚申堂、天中禅師碑立ち寄り)→F仙寿寺→1.8km
     →G殉国戦士之碑→0.8km→H瀬戸デジタルタワー→2.0km→遊歩道(Iの地点)→
     1.8km→屋戸橋(Jの地点)→1.1km→山口八幡社(Kの地点)→0.6km→本泉寺(Lの
     地点)→1.1km→大津城址(Mの地点)
日付:平成20年12月20日(土)、27日(土)
天候:晴れ
所要時間:4時間30分(休憩時間を除く。紫線は含まない。)
歩行距離:17.1km(紫線は含まない。)

    コース地図を開く  ここをはじめてクリックするとプラグインのインストール画面が
            (初期値は1/10000)      表示されるので、「はい」をクリックする。不具合が発生した
                                 場合はこちらの「8」参照

                                 なお、念のため他のウィンドウをすべ閉じておくこと。


  (移動軌跡データファイルのみの呼び出し方法および地図の利用上の留意点)
 
1.この上にカーソルを当て、右クリックで「対象をファイルに保存」を選択し、デスクトップに「移動の軌跡
  データ」を保存します。ここでは、そのファイルは開かないでください。

2.国土地理院の電子国土ポータルへジャンプする。
3.国土地理院のプラグインのインストール画面が表示されたら、「はい」を選択する。
4.小さな日本地図が表示されるので、「ファイルを開く」(ボタンは画面右側の作図パネルの下部に隠れている)で、
  先ほどデスクトップに保存したファイルを指定して、それを開くと、地図の上に「移動の軌跡」が合成される。
5.この状態では、まだ地図の縮尺が小さいので、縮尺スケールが600mほどまで拡大して利用します。地図の表示
  窓が小さいので見にくいが、印刷結果はとても鮮明です。不要になったら、デスクトップのファイルは削除してくだ
  さい。
  地図の呼び出し方について、詳しくはこちら

6.留意点
 (1)地図上の赤線はGPSよる移動の軌跡を、手書きで地図に転記したもので、実際の軌跡データとは若干の誤差が
   ある。
 (2)地図上での経緯度線の表示は省略した。
 (3)地図と緯度経度の関連付けをより明確に知るにはカシミール3Dのホームページのフリーソフトを利用されたい。

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(各地点の説明)

   P 一之御前神社駐車場【北緯35度12分17秒 東経137度02分19秒】。この神社は遠く白
     鳳時代の創建と伝えられて、國之常立命(くにのとこたちのみこと)を祀る由緒深い神社
     である。
     この神社の西側には医師加藤雄次郎の像が立っている。
   @の地点【北緯35度12分01秒 東経137度02分45秒】。川沿いに進む道がないので国道
     363号へ出る。
   A西本地橋【北緯35度12分23秒 東経137度03分19秒】。ここからBの地点までは砂採取の
     事業所が多く、それを避けて地図に示したように歩いた。
   B本地大橋【北緯35度12分24秒 東経137度03分48秒】。ここから、堤防道路は車の交通量
     が多いので1本南に入った道路を歩いた。
   C道標【北緯35度12分14秒 東経137度04分04秒】。常夜灯を目標に進めば容易に発見で
     きる。
     道標には、「右 山口よりさなげ道 左 せとしなのよりぜんこうじ道」とある。裏側には慶応4
     年の文字が読める。指示方向がおかしいので、どこからか移設したのだろう。
     この場所には、ほかに付近にあった津島神社、山念仏供養塔、馬頭観音観音、薬師如来
     像などがまとめてお祀りしてある。
   D庚申塚、道標【北緯35度12分27秒 東経137度04分39秒】。道路の新設工事中でコンクリ
     ートの台に密着したまま置かれている。しかし、どう見ても仮設状態で、ここが定位置だろ
     うか。
   E菱野城址【北緯35度12分09秒 東経137度04分36秒】。平安時代の末期、尾張源氏の一
     人で春日井郡の東部に勢力を持った山田重定の築城といわれ、この地方では最古の城砦
     の一つである。
     明和4年(1767)猿投山崩れの大洪水で土砂に埋まってしまった。
     現在では、城の堀跡を利用した小さな水路が唯一の遺構である。
   F仙寿寺【北緯35度12分11秒 東経137度05分00秒】。創立は享保2年(1717)。寺宝とし
     て十六大善神図が保存されている。
   G殉国戦士之碑【北緯35度11分54秒 東経137度04分49秒】。幡山中学東側の小山の上に、
     岸信介書による碑が建っている(昭和33年建立)。
     この小山のふもとには3〜4個の防空壕がむき出しのまま残っている。
   H瀬戸デジタルタワー【北緯35度11分44秒 東経137度04分30秒】。標高108mの丘の上に
     245mのタワーが立っている。瀬戸市デジタルリサーチパークセンターが隣接している。
   I遊歩道【北緯35度11分47秒 東経137度05分27秒】。短い距離だが、河川敷に遊歩道が設
     置されている。
   J屋戸橋【北緯35度11分48秒 東経137度06分33秒】。橋の上流には小さな公園がある。
   K山口八幡社【北緯35度12分01秒 東経137度06分08秒】。創建は1223年の記録が残って
     おり、神功皇后、田寸津比売命(たぎつひめのみこと) 等が祭神と云われている。この神社
     の鳥居は延宝5年(1677)に造られたもので瀬戸市内では最古のもの。
     境内には山口稲荷、山口天神等も祀られている。
     山口天神には「牛石」がある。この石が牛に見えると願い事が叶うという。
   L本泉寺【北緯35度12分02秒 東経137度06分00秒】。弘安6年(1283)の創建。山田三郎
     泰親(後に仏門に入り瀞顕と号す)が開祖。泰親は菱野城主であったが、閑静を好み、壮
     年にして地頭職をその子・重元に譲り、今の本泉寺のあたりに閑居した。この館は「山口
     城」、別名「屋形の城」ともいわれている。
     もともとの本泉寺は居城より300mほど南方に建てたが、慶長18年(1613)に泰親の館跡
     に移されたものである。
     本泉寺は尾張城東西国三十三観音霊場の31番札所である。
   M大津城址【北緯35度12分06秒 東経137度05分33秒】。弘治元年(1555)大津清宗により
     築城されたが、元亀・天正(1570〜1592)の頃廃城となった。城址碑は今林公園内に建
     っている。

   【参考】・・・紫線の説明
   @松原平内本地城址【北緯35度12分16秒 東経137度03分36秒】。本地城は15世紀にごろ
     建てられたもので城主の松原平内は今村城主・松原吉之丞の弟で、吉之丞の子・広長の
     叔父である。広長と同じ戦いに加わって安土坂で討ち死にした。
     城址碑の隣に「弁財天 白体龍神」が祀ってある。
   A道標【北緯35度12分05秒 東経137度03分26秒】。北東からの旧道を上り詰めた正面に、
     小さな石仏がある。古いものには見えなかったが、「右 本地原 左 やざこ ながくて」と表
     示あり。この祠は誉治(ほんじ)塚?
   B本地大塚古墳【北緯35度12分16秒 東経137度03分44秒】。瀬戸市内に残されたもっとも
     古く(5世紀末から6世紀初め)、最大の前方後円墳である。
     「誉牟治別命(ほむじわけのみこと)」の墓という伝説があるが、それを裏付けるものは発
     見されていない。
   C宝生寺【北緯35度12分13秒 東経137度03分49秒】。寛永9年(1632)雲興寺15世興南和
     尚が創設したといわれる。尾張城東西国三十三観音霊場の24番札所。尾張えびす大黒
     社へ上る途中から見下ろすと、本堂の屋根のカーブが実にきれいである。
     境内には太子堂、六j地蔵、河童の焼き物などがある。
     東から斜めに寺へ通じる小径には、「右 ほんぢがはらを経てなごや 左 ながくてを経てな
     ごや」としるした道標がある。
   D尾張えびす大黒社【北緯35度12分06秒 東経137度03分56秒】。ここには出雲大社と美保
     神社が祀られている。山の上(標高約110m)にあるので境内からの見晴らしがよい。
     神社入口左側には小牧長久手の戦いに縁りのある「三代目の笠松」が植えられている。
          
    【参考資料:愛知の城(山田柾之著)、歩こまァー瀬戸(瀬戸文化財保存会)】

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