山崎川(名古屋市千種区〜港区)

山崎川は桜並木で有名であるが、その源は平和公園内にある猫ヶ洞池であり、名古屋港までの距離は12.4kmの川である。
昭和43年頃、この付近を何度も訪れたことがあるが、その頃、猫ヶ洞通に沿って細い川が流れていたのを記憶している。しかし、今は暗渠になってしまって川を見ることはできない。やっと顔を出すのが本山交差点を通過してからである。ここから下流の堤防道路は、ほとんどの区間で車は一方通行になっていて、しかも交通量は少ないので歩きやすい。
よく整備されているのは、石川橋から可和名橋付近までで、途中にベンチや水飲み場も設置されている。
瑞穂運動場を過ぎ、旧東海道を横切ってしまうと、その後は港まで、川の近くは工場が建ち並ぶのみで、特別な見どころはなかった。堤防沿いの道路上には休憩場所もなく、味気ない舗装道路が海まで続く。


コース:P駐車場→26分→@の地点(本山交差点)→22分→Aの地点→29分→Bの地点
     (広路橋)→14分→Cの地点(檀渓橋)→11分→Dの地点(石川橋)→8分→Eの
     地点(向田橋)→22分→Fの地点(下内田貝塚)→33分→Gの地点(旧東海道との
     交差点)→46分→Hの地点(道徳橋)→28分→Iの地点(東築地橋)→31分→Jの
     地点(地下鉄築地口駅)
日付:平成20年6月24日(火)
天候:晴れ
所要時間:4時間30分
歩行距離:17.8km

   コース地図を開く     ここをはじめてクリックするとプラグインのインストール画面が
            (初期値は1/10000)      表示されるので、「はい」をクリックする。不具合が発生した
                                 場合はこちらの「8」参照

                                 なお、念のため他のウィンドウをすべ閉じておくこと。


  (移動軌跡データファイルのみの呼び出し方法および地図の利用上の留意点)
 
1.この上にカーソルを当て、右クリックで「対象をファイルに保存」を選択し、デスクトップに「移動の軌跡
  データ」を保存します。ここでは、そのファイルは開かないでください。

2.国土地理院の電子国土ポータルへジャンプする。
3.国土地理院のプラグインのインストール画面が表示されたら、「はい」を選択する。
4.小さな日本地図が表示されるので、「ファイルを開く」(ボタンは画面右側の作図パネルの下部に隠れている)で、
    先ほどデスクトップに保存したファイルを指定して、それを開くと、地図の上に「移動の軌跡」が合成される。
5.この状態では、まだ地図の縮尺が小さいので、縮尺スケールが600mほどまで拡大して利用します。地図の表示
  窓が小さいので見にくいが、印刷結果はとても鮮明です。不要になったら、デスクトップのファイルは削除してくだ
    さい。
  地図の呼び出し方について、詳しくはこちら

6.留意点
 (1)地図上の赤線はGPSよる移動の軌跡を、手書きで地図に転記したもので、実際の軌跡データとは若干の誤差が
   ある。
 (2)上記地図の経緯度線は「世界測地系」(GPSではWGS 84)に従い、目安として手書きで表示したものであり、各
     地点の表示は「秒」までに止めた。青線の間隔は10秒(横は約250m、縦は約300m)ごとである。
 (3)高度表示については、約5m〜10mほどの計測誤差がある(ほとんど低めに表示されてい る)。
 (4)地図と緯度経度の関連付けをより明確に知るにはカシミール3Dのホームページのフリーソフトを利用されたい。

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(各地点の説明)

   P 駐車場【北緯35度10分14秒 東経136度58分37秒】。平和公園には墓参のための駐車
     場がいくつもあるが、猫ヶ洞池に近い駐車場に車をとめた。
      「猫ヶ洞」という名称の起源は、かつてこの付近の山を兼子山と呼んだが、それが転訛し
     たとか、また中国の猫堂にちなんだとか、ほかにもいくつか説がある。
   @本山交差点【北緯35度09分50秒 東経136度57分49秒】。交差点を渡ると、山崎川がや
     っと顔を出した。覗いてみると水量は少ないが、意外にきれいな水が流れていた。
     猫ヶ洞池から本山交差点までの山崎川の暗渠工事は昭和48年〜53年に行われたも
     の。
     また、新池、猫ヶ洞池から矢田川を結ぶ千種台排水路(地下式)は昭和49年に完成。
   Aの地点【北緯35度09分34秒 東経136度57分13秒】。鏡池通2の交差点で、川は地下に
     もぐってしまったが、この地点で再度姿を見せた。
     この交差点では、地下には高速道路が走っているはずだが、その下?をくぐっているのだ
     ろう。
   B広路橋【北緯35度08分56秒 東経136度56分52秒】。ここでは中央分離帯があるため直
     進できず、すぐ東の広路通7の信号交差点を渡る。
   C檀渓橋【北緯35度08分37秒 東経136度56分50秒】。この橋の東詰には、かつてこの付
     近は檀渓と呼ばれる名勝であったことを示す「檀渓之勝蹟」碑が建っている。
   D石川橋【北緯35度08分19秒 東経136度56分40秒】。この付近から両岸はきれいに整備
     されており、萩山橋付近までは桜並木が続いている。言うまでもなく桜のシーズンは超人
     気スポットである。
     この地点から北東300mのところに昭和美術館がある。
   E向田橋【北緯35度08分06秒 東経136度56分32秒】。この橋のすぐ東には、大正時代に
     綿布商伊東信一の別荘として建てられ、その後名古屋市に寄付された東山(とうざん)荘
     がある。日本庭園は無料で見ることができる。
     また、その200mほど東には「暮雨巷」(県文化財)と呼ばれる数寄屋風の書院がある。
     これは、元東海銀行頭取鈴木享一邸、現在は東京UFJ銀行の迎賓館としてなっており、
     衛星画像で見ると敷地の西側が森になっているのでここが日本庭園と思われるが、こちら
     は公開されていないようだ。
     この橋の西側に御莨(おたばこ)町という町がある。かつて、この付近はタバコが栽培され
     ており、「石仏タバコ」の名があった。
   F下内田貝塚【北緯35度07分26秒 東経136度56分36秒】。周辺には大曲輪(おおぐるわ)
     貝塚、瑞穂古墳群などがある。
     また、旧塩付街道沿いには「あゆちの水」、「道分け地蔵」がある。
     「あゆちの水」は万葉集に歌われた尾張水の一つ「小治田(おわりだ)の年魚道水(あゆち
     のみず)」の推定場所であるが、樹木に囲まれているためポイ捨てゴミが散乱しており、あ
     まり手入れはされていない。
     道分け地蔵は、地下鉄「瑞穂運動場東」3番出口の道を挟んで南側の小公園にある。
   G旧東海道との交差点【北緯35度06分51秒 東経136度55分42秒】。山崎橋東詰の「吾妻
     屋製菓」の角には旧山崎橋の親柱のひとつが保存されている。明治21年のもので戦火
     のため一部欠けており、橋は燃えてしまったとか。親柱の隣には、新しい東海道の道標が
     並んで立っている。
     この橋の50mほど北側(呼続駅方向)に「ヤマダイ」という明治38年創業の醤油醸造会
     社がある。レンガ造りの煙突が印象的だった。ただし、この煙突は昭和19年12月の地震
     で倒壊、それを修理したもの。
   H道徳橋【北緯35度05分48秒 東経136度54分44秒】。この付近の街並みについては、私は
     昭和50年頃の風景しか知らないが、国道247号には分離帯が設置され、樹木が植えら
     れ、おしゃれな産業道路に様変わりしていたので驚いた。
     この付近の山崎川の川幅はかなり広く、花見スポット付近の山崎川と同じ川とは思えない
     ほどだ。
   I東築地橋【北緯35度05分35秒 東経136度53分38秒】。遂に、海が見えた!それにしても
     こんな海辺に小学校あるとは知らなかった。
     東築地小学校の歴史は古いようなので、きっと幾多の災害に見舞われたことだろう。
     名四国道の港新橋からしばし船の往来を眺める。
   J地下鉄築地口駅【北緯35度05分57秒 東経136度52分59秒】。帰りはここから本山駅まで
     地下鉄利用。
    

   【参考文献:なごやの町名(名古屋市計画局)、愛知県の歴史散歩<上 尾張>(愛知県高等
           学校郷土史研究会)、ドニチエコきっぷでめぐる名古屋歴史散歩(編集 中山正
           秋)、なごやの古道・街道を歩く(池田誠一著)、南区の歴史ロマンをたずねて
           <旧街道のなぞに迫る>(企画・編集 加納誠】
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