2月12日の日記「占いナイト」

随分と前の日記に少しだけ書いたお話。
職場のお姉さんから、占い師に転職したお友だちの修行のために誕生日を教えて欲しいと依頼されました。そこで、家族3人分の生年月日を渡して待つこと3日。職場のお姉さんから占いの結果を口頭で教えてもらいました。

みきさん:「この人は強いねえ」
  僕  :「実に波乱万丈な運勢よ」
ひなさん:「この子のなかなか面白い人生ね」

非常に気になる結果ですが、これでは要点に過ぎません。具体的にはどうなんだ?
「う〜ん、宴会中に聴いた話だから、飲んじゃってよく覚えてないのよ」
姉さんそりゃないっすよ。波乱万丈や面白い人生はいいけど、吉運なのか凶運なのかすらわかりません。そんな生殺しのような中途半端な気持ちを抱いたまま2年の月日が流れ去りました。

しかし、先日ついにその積年のモヤモヤを晴らすチャンスが巡ってきました。同僚のお姉さんが僕たち家族を含めた職場の仲良しグループが集まるホームパーティをご自宅で企画。その占い師さんをスペシャルゲストとして招待してくださったのです。

果たして僕たちの運命は? 
期待と不安を胸に僕たちはパーティ会場に向かいました。

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お姉さんの家につくとすでに占い師さんはリビングにいて、すでに到着していた仲間の運勢を診断しているところでした。想像していたより気さくな雰囲気の彼女は、転職して以来、順調に売れっ子への道を歩んでいるとのこと。

占いの手法は四柱推命。森羅万象のあるゆる物を五種類 (木・火・土・金・水)に分類する「五行」の思想が基本となっていて、生年月日と生まれた時間から占う相手をそれぞれの5つの属性に照らし合わせるところからご神託が始まるようです。

「基本的にあなたたちは3人とも強いのよ」
まずはこれまでに伝え聞いていた要点を先生は繰り返しました。五行でいうと僕は『金』、みきさんは『木』、ひなさんは『火』の属性をもっていて、他のものに「潤い」「養分」を与える『水』『土』の人たちとは違って、他者から与えられる立場となることが多いとのこと。

「とにかく、あなた達は何もしなくてもみんなが支えてくれる殿様なの。
 特に旦那さん、アナタは殿様より上の将軍様ね」


うへえ。思い当たる節は・・・いっぱいある。ちなみにこの日の出席者は、僕ら家族以外はほとんど施す側『土』の人たちばかり。そこはかとなく、みんなの視線が痛いのは気のせいだと思います。

「今年の旦那さんはこれまで以上にすっごく忙しくなるけど、
  いろんな人からの助けもあって、すごく評価される年になるわよ」

同席の『土』の同僚のみなさんからの痛い視線がさらに強くなったように感じるのも気のせいだよ。そうさ。気のせい。気のせい。

「ひなたくんは『火』だから、とにかく落ち着かないチョロチョロ男ね」
それはご覧いただいているとおりです。何だかいつも走り回ってます。

「彼は一生このままで行くわね」

横で一緒に聞いているみきさんが複雑な顔をしていますけど。

「それと彼は褒めて育てるタイプ。何しろ殿様だから。
 上手に褒めてノせてあげるといいわね」

わかりました。でも、横でみきさんが「それはムリ」って顔してますけど。

「そして奥さん、アナタはものすごいエネルギーを持ってる人」
そうかなあ。思わずみきさんと顔を見合わせます。

「子どもにエネルギーを注いでるなら、それは悪いことじゃない。
 でも、子育てが終わってからその力を持て余すことになるかも。
 ボランティアでも仕事でも何か今から見つけといたほうがいいわね」

幼稚園の役員をやってるのは方向性としては間違ってないわけですね。
あと、気になるひなさんの次の子は・・・?

今年か来年がチャンスよ。できるとしたら男の子」
すると今目の前で、チョロチョロしてるのが一つ増えるってことですか。

「悪いけどこの奥さんからは男しか生まれる気がしないわ」
そうですか。

「大丈夫! 今は産み分けの方法もいろいろあるし。
 もう一人! 旦那さん頑張りなさいよ!」

はい、酔った上でのセクハラまがいの発言ありがとうございます。
では、そろそろ次の人も待ってますのでまとめのお言葉を。

「家族として『金』『木』『火』って属性はバランスがいいの。
 順番に運のいい時期が巡ってくるから、家族全員が落ち込むことはない。
 お互いにいい影響を与え合うことができる関係になってるはず。

 旦那さんもお子さん生まれてから世界が広がったんじゃない?」

大当たり。こんな風に毎週子どもの成長をネットに記録するうちに、全国各地にお友だちをつくってることなど、占い師さんも思いもよらないことでしょう。

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転職、独立、大成、挫折、不良化、破綻、新しい恋などなど。
いろいろな波乱万丈を思い描きながら参加したこの占いナイトでしたが、つまるところ「これまでどおり家族仲良くね」というのが結論のようです。

今回占っていただいた四柱推命学というのは長い中国の歴史の中で積み上げられてきた統計学なのだそうです。ですから同じ生年月日で同じ時間生まれであれば、当然に全く同じ運勢が導きだされます。これを占う対象の社会的環境や人間関係と照らし合わせて適切な助言をするのが占い師さんのお仕事なのです。

多分、実際に会ってみた僕たち3人は、あらかじめ占っていただいたときの予想とはずいぶん違っていて、それが占いの結果の変化につながったのでしょう。

家族がお互いによい影響を与え合って楽しく暮らしていけるなら、特別な出来事はなくても、それはよい人生であるに違いありません。

「あなたたちは本当に幸せよ」
占いが終わったあとの先生の言葉が心に残りました。占いというものを信じるかどうかは人それぞれでしょうが、こんな言葉をほのぼのと自然に受け入れられたって事だけでも、いい時間をすごすことができた占いナイトでした。



《それはともかく納得できなかった話》

お酒が入るにしたがってどんどん滑らかになってくる先生のトーク。

「大体、あなたマザコンでしょ! 決まってるわよ。
 だって、奥さんがこんなに豊満なんだもの」


先生! それは占いじゃないでしょう!? みきさんは知り合ったときにはこんな風体ではなかったのですよ。結婚したら何だかどんどん豊満になってきただけです。現在の見た目が少々小太りぽっちゃりしているという理由だけでマザコン扱いされたことがちょっぴり不満といえば不満な夜でした。