8月31日の日記「ボイジャー1号」 それは1980年代のこと。「惑星直列」という現象が話題となったことがありました。ほぼ一直線に並んだ惑星の引力が影響しあい、地球に大きな天変地異がおきるのでは? などというマコトしやかな予言は外れ、その代わりにこの好機を生かして、NASAは惑星探査船ボイジャー1号、2号を打ち上げて、最短距離の航行により火星や木星、土星をはじめ、天王星、海王星の謎を次々に明らかにしていったのでした。
そして時は流れて2006年夏。
今年はウルトラマンの最初のシリーズが放送されてからちょうど40年。これを記念して東京を中心に様々な催しが計画されることになりました。春からは新しいウルトラシリーズの放映も始まって、ひなさんのウルトラ熱がとどまるところを知らない今、このようなチャンスは二度とないかもしれません。さあ、僕たちも旅に出よう。無限に広がる大宇宙を目指したあのボイジャーのように!
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という訳で今回の行程(4日間)
事前に申し込んでおいた、円谷プロのスタジオ見学会は残念ながら抽選に外れてしまいましたが、それでもひなさんには十分に満足してもらえるはずの盛りだくさんのプログラムです。 ★ ★ ★ ★ ★
食事が終わり仲間に別れを告げると、最初の目的地「世田谷文学館」へ。最寄の芦花公園駅には下北沢からは京王線一本でいけるのですが、小田急線の祖師谷大蔵駅から、地元の自動車学校のスクールバスが文学館の比較的近所まで無料で乗せてくれるサービスがあるという情報を事前にゲット。祖師谷大蔵といえば「ウルトラマン商店街」で知られる言わばウルトラの聖地。当然のように新たに行程に組み込み、完璧な計画はさらに完全なものとなります。 下北沢から一旦新宿に戻り、小田急線に乗り換えて祖師谷大蔵駅にわざわざ大回りする僕たち。ホテルのチェックインは文学館鑑賞後の予定。4日分の荷物の入った巨大荷物を抱えたままのこの移動が、僕たちの体力を確実に奪い、後の行程に影を落とすことになることに、到着したばかりで興奮状態の僕たちはまだ気付いてはいませんでした。 ★ ★ ★ ★ ★
ほどなくやってきた無料バスに乗り込み文学館方面へ。しかし、比較的近所でおろしてもらえるはずが、降りてみると現地まではまだまだ意外に距離がある様子。歩みを進めるたびに重たいカバンの紐が肩に食い込み、ギリギリと痛みはじめます。 そして歩くこと15分(結局あんまり近くない)。 ようやく最初の目的地、世田谷文学館「不滅のヒーローウルトラマン展」に到着です。
会場撮影に使われたヒーローや怪獣たち貴重なデッサン画に模型などが展示されています。博物館ですから本来なら写真撮影は禁止なのですが、場内数か所で撮影ポイントが設けられているところも心憎いサービスです。
普段はお堅い図録や書籍が売っているのであろうミュージアムショップもこの日ばかりは、ウルトラマンの絵本やおもちゃがいっぱい。ここでひなさんに好きにさせていたら何をねだられるかわかりません。 ★ ★ ★ ★ ★ そこから再び電車を乗り継ぎ、ようやく麹町のホテルにチェックイン。 次の目的地は、ウルトラマンフェスティバル2006のスペシャルナイト。フェスティバル自体は翌日が初日だったのですが、事前に申し込んだ人(有料)のために特別にステージショーの先行上演や、ウルトラマン関係者のトークショーが行なわれるのです。ちなみにこの日は、ウルトラマンの正体の人を加えた科学特捜隊のメンバーに、ウルトラセブンの正体の人、さらに何と、仮面ライダー1号の正体の人がスペシャルゲスト。 2大変身ヒーローの豪華な夢の共演! ビバ40周年! ★ ★ ★ ★ ★ そんな事を思いながら、ホテルのお部屋でノンビリとしていたら、いかんいかん! 居眠りしてしまったよ、ウサギさん! 現在午後5時10分。ショーの開始は午後6時! 間に合うか! 間に合うのか? 準備もそこそこに麹町駅から地下鉄で池袋に。車中で熟睡してしまったひなさんを抱いて、駅を駆け上って外にでると、会場のあるサンシャインシティまで500mの表示。時間は5時45分ギリギリ! 走るぞ! 今や16キロまでに成長したわが子を抱えたまま! ひなさんが眠っているのはむしろ幸運と考えよう。寝起きで機嫌が悪いひなさんがこの道程を元気に走ってくれるとは思えないから。 平日の大都会の夕刻。ラッシュの人々を軽快なステップでパスし、ほぼ6時ちょうどにサンシャインシティへ。しかし、現地に行ったことのある方ならご存知かと思いますが、会場となる文化会館はサンシャインシティの入り口から見て一番奥! さらに数百メートルのラストスパートです。 途中、自分のものかわが子のものかわからないほど交じり合った二人の汗と全力疾走の振動でズルリとすべり、ひなさんの身体が宙に舞った! 「ああぁ! あぶない!」 大きな叫び声をあげたのは、反対側から歩いてきた見知らぬおじさん。しかし、奇跡的な身のこなしで地上数十センチのところでひなさんをキャッチすると、再び全力疾走。そしてようやくウルトラマンフェスティバル会場に到着したのでした。 時間は午後6時5分。トークショーのオープニングの出演者自己紹介が少しだけ見られなかったけれど、大丈夫。家族3人汗だくだけど大丈夫。もう大丈夫なんだ。 ぜいぜいぜい。 さてさて、楽しみにしていたウルトラの出演者のみなさんはそれぞれにステキな年齢の重ね方をされておりました。ひなさんは目の前にいるオジサマたちが、憧れのヒーローその人である事を理解できているでしょうか。その一方でこちらは放送開始35年のライダー1号様だけは幼い頃に見たヒーローそのままの姿であったことに感動を覚えずにはいられません。
★ ★ ★ ★ ★ こうして我々は一日の予定を終えて、ホテルに戻ろうとしたのですが、そこはそれ、このフェスティバルスポンサーはキャラクター玩具界の王者バンダイ。
トイザラスのような広い売り場のすべてがウルトラグッズ。ひなさんにとっては夢のような空間。ハチミツのツボに落ちたクマのプーさんです。しかもあからさまに初日狙いのマニア様でいらっしゃる大きなお友だちによる、いわゆる大人買いのレジの賑わいで、いやが応にもひなさんの購買意欲が高まってしまいます。 一方、僕たちは帰りたいんです。疲れたし。ご飯食べてないし。 ひなさん、今日はショーを見に来ただけだから! もう夜遅いからホタルの光も鳴り始めたし、本番は明日! 明日だから! と、明日来てもおもちゃを買ってやるつもりなどないクセに、適当なことを言って、涙を流して抵抗するひなさんを引き剥がして、会場を後にしたのでした。 途中、麹町からサンシャインシティに行くには、「池袋」の手前の「東池袋」で地下鉄を降りたほうが圧倒的に近いことに気がついて、先ほどの長距離走は何だったんだろうと、悲しい気持ちにもなりましたが、まだまだ旅ははじまったばかり。 初日の夜にして体内エネルギーはすっかり消耗しているんですけど! 旅行の予定はあと3日もあるし、このレポートのいつ終わるのやらわかったものではありません。 そうこうしているウチに明日から9月。
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