10月6日の日記「ボイジャー4号」 時はもう10月になってしまったけど、相変わらず夏休みの初めの話です。 さて、申し込んでいたスタジオ見学ツアーの抽選には外れ、実は何のスケジュールも入っていなかったウルトラツアー最終日の4日目は日曜日。さあ、どうする。 しかし、前の日のひなさんの行動にこの日の予定を決めるための大きなヒントがあったのです。それは「古民家園」でのスタンプラリー。 今年の夏休み東京の鉄道各社はポケモンやディズニーなどの子どもに人気のキャラクターを前面に出した、スタンプラリーが大流行でした。そんな中、まんまと東急電鉄様がウルトラマンのスタンプラリーを行なっていたのです。 失礼ながら、4歳児にはほとんど興味を抱かせないであろう前日の、夕方の疲れのピークのさ中の民家園のスタンプラリーですらあれほどノリノリだったのです。これがウルトラマンなのですからひなさん、どれほど喜ぶことでしょう。 こうなると情報収集が大切です。 そして迎えた最終日の朝。
中目黒のスタンプはウルトラセブン。うむ、基本だな。満足しつつ再び東横線に乗り込み、自由が丘で、これもひなさんが大好きなウルトラマンタロウのスタンプを獲得。最先端のセレブな街には目もくれず、大井町線に乗り換えて二子玉川ではウルトラの父をゲット。そこから田園都市線に乗り換えて三軒茶屋に向かいます。 ここでメビウスのライバルの新キャラウルトラマンヒカリのスタンプを押したあとにお昼ごはんへ。三軒茶屋は昔、2年ほど住んでいた街。馴染みだった小さなチャンポン屋さんで当時お気に入りだった皿うどんを迷わず注文。その変わらぬうまさに涙しつつ(ウソ)再び渋谷に向かう僕たち。
それというのも最後に狙うスタンプが五反田にあるウルトラマンだから。やはり、一番好きなキャラクターははずせません。しかし池上線にある五反田駅は東急だけでは非常に乗継が悪い。そこでいったんJR山手線に乗り換え、最短距離で最後のスタンプを押しに行こうという訳です。そして、再びJRで渋谷にトンボ帰りして荷物を回収、そのまま山手線で東京駅から新幹線に乗り継ぎそのまま帰宅してしまおうという計画です。うん、カンペキ。 こうして、渋谷を出発した緑の車両はまず快調に目黒に到着。 ところが、僕たちの目的地である五反田駅を目指して発車したその瞬間、電車が大きく揺れました。ガッタン。ひなさんが転ばないようにと必死でその手を握っていると、何かの事情で急ブレーキがかかったようで瞬く間にに電車のスピードが落ちていきます。 「ただ今、人身事故が発生いたしましたので運転を見合わせています」 何、そのアナウンス? この電車が轢いたの? 反対周りの方? いやどうでもいいけど、もうすぐスタンプラリーとともにこの長い旅も完結して、懐かしいわが家に向かう新幹線に乗れるはずなのに。とにかく疲れているのに。いつになったらこの電車動き出すの? 「ただいま、線路の点検中です」 こうしてやるせない気持ちのまま、五反田で下車。予定通り最後のウルトラマンスタンプを押し、記念品のウルトラマンメビウスフィギュアをゲット。もちろん親子3人分ね。 しかし、相変わらず運転再開の見込みは不明。このままではここで立ち往生です。渋谷に荷物が預けてあることもさることながら、実は渋谷では最後にもう一つサプライズを用意していたのです。それは、東横線で一日に何本かしか走らないウルトラマン電車。これを見てこの旅を完結しようとしていたのですが、このままではそれもままなりません。 そこで一計を案じることに。今僕たちは東急の一日乗車券を3枚持っています。ここから池上線に乗って、途中大井町線に乗り換え、さらに自由が丘で東横線に乗り換えれば渋谷にたどり着くことができます。 目的を達成してすっかり歩く気力をなくしているひなさんを励ましながら、さっそくこの計画を実行に移します。自由が丘、中目黒となんかついさっき立ち寄ったばかりのような駅名が空しく耳に流れていきます。しかし、苦労した甲斐があって、東横線ではついにひなさん憧れのウルトラマン電車に乗ることができました。
列車内は車両ごとにウルトラマン、セブン、ゾフィーなどのキャラクター別の装飾が施されています。大喜びで一両一両詳しく見てまわるひなさん。本当は電車の中ではおとなしくするように指導すべきところでしょうが、これはムリです。一緒についててあげるから騒いだり転んだりしないようにな。 こうしてようやくたどり着いた渋谷駅で荷物を回収。いつの間にやら山手線は完全復旧しており、今度はスムースに東京駅に到着。ここまで、親類縁者、休暇をくれた職場へのお土産を一切購入してなかったので、それをすべてみきさんに任せて、僕らは「家なき人」のように構内にグッタリ座りこんで荷物番を担当させていただくことにしました。 みきさん、よろしくね〜。 だって、もう本当に疲れたんだもの。こんな時、ヨメがたくましいと助かるなあ。 それにしても、誕生40週年という節目の年に立ち会えることができたのは、やはりひなさんはこの上ない幸運だったと言えるでしょう。この旅で大きくレベルアップを果たしたものの、相変わらず幼稚園ではウルトラマン好きは少数派のようですが、気にも留めることなくこれからもわが道を歩んでゆくのでしょう。 そして、10年後にはウルトラマンは50周年というさらに大きなメモリアルを迎えます。恐らく今年以上に盛大な催しが開かれるに違いありません。この頃にはひなさんも14歳になっているはず。うん。十分に一人前だな。そのときは、一人で東京に行ってくるがいい。 中3になってまでウルトラ一筋ってのはちょっと問題かもしれないけどな。
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