12月26日の日記「病める乳児」

生まれた瞬間に「強い生命力」を発散し「生きる」という意味の名を贈ったうちの次男さんは、ひなさんと比較して2か月ほど早く寝返り、這いずりをはじめるなど、第一印象のとおりにたくましく育っています。そして、どんな場所に行っても、誰と会っても物怖じすることなく笑顔をふりまき、街行くおばちゃん、おじちゃんたちをワラワラと惹きつける事を得意技としております。

 
12月上旬には這い出す準備万端だったいくるさん。

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そんないくるさんが高熱を出してしまったのは12月10日の月曜日。
翌火曜日にみきさんがかかりつけの小児科に連れて行くと、「何かの菌に感染しているらしい」との診断。「小さな診療所では治療ができないし、入院もあるかもしれないから、大きな病院に連れて行く」とのみきさんの電話に、「こりゃ大変!」と午後からの仕事をキャンセルして病院にかけつけると、いくるさんは一見して元気そうで熱も下がってきているというのに、体内にいる菌が完全に消えるまでは抗生剤の点滴を継続する必要があるそうな。

そんな経緯でひなさんの時には経験のなかった入院が決定。

とりあえず、一旦みきさんに入院用具一式を取りに帰ってもらい、いくるさんと待合室で座って待っていると、タイミング悪く現れた看護師さんに「これからお部屋をご案内します」と言われるままに入院病棟へ。そこで入院前の問診をうけたものの「今朝のお熱は?」とか「朝から咳は出ますか」とか、今来たばかりだからわからない質問に答えたり、答えられなかったり。

問診後、その場でさっそく点滴開始。赤ちゃんの場合は足首をギプスのように固定してそこに針を刺すのですね。さすがのいくるさんも大きな泣き声をあげ続けています。そうこうしている間にみきさんが到着。なにしろいくるさんの食糧はみきさんの乳しかありませんから。そして、このときから1週間が目安といわれて、いくるさんとみきさんの入院生活と、ひなさんと僕の留守番生活が始まったのでした。

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とりあえず、晩ごはんはウチの実家で用意してもらう事にしたものの、折悪く実家は改修工事の真っ最中で、宿泊どころかお風呂に入ることすらできません。そこで、仕事を早めに片付けて、病院でいくるさんの様子を見たあと、実家に帰ってごはんを食べてすぐに帰宅して風呂に入って寝るという慌ただしい生活。朝はふたりとも弱いのでモタモタと準備をしている間に遅刻しそうになります。

さらに問題は入院3日目に開催されるひなたさんの幼稚園の「生活発表会」。今回は「浦島太郎」で重要な役を演じるという事で(ウソです)、みきさんも楽しみにしていたのに、泣く泣く断念。仕方ないので一人で観覧。親戚からビデオカメラを借りて、いつものデジカメと2刀流でひなさんの熱演を記録したのでした。しかし幼稚園行事の前には必ず体調を崩していたひなさんが、今回は珍しく元気で準備も万端だと思ったら、まさかいくるさんが病気になるとは。


入院中のいくるさん。
意外に元気だから安心してと、
親戚衆への報告用に撮影。

そういえば、先月に行われた幼稚園の文化祭ともいえる「ニコニコまつり」の当日にも熱を出していたいくるさん。幼稚園生活最後の「まつり」なのに家族4人で参加の夢やぶれ、違ったパターンでひなさんの間の悪さの健在ぶりを見せ付けられる結果のなったのです。

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そして、入院生活も4日目の金曜日の夜、実家から帰宅して眠る用意をしていたらひなさんがポツリとつぶやきました。

「なんか きのどくだねえ」

ああ、みきさんといくるさんか。そうだねえ、かわいそうだねえ。

「ちがうよ、ひなくんたちのことだよ
 ママがいなくて なにをしていいのかわからない」

そのセリフは、みきさんがいるときは好き勝手な事をして、いつも叱られているフリーダムな幼児の口から出た言葉か!? しかもひなくん”たち”って、僕の事もみきさんがいないと何もできない気の毒な男だと思っていたのか! ちょっとショック。

「それに、ママのおいしいごはんもたべられない」

じゃあ、聞くが、「毎日がレストランのよう」と自分で言ってたばあちゃんのごはんと、みきさんのごはんとどっちがおいしいと思うかね。

「ばあちゃんのごはん」

そうだろう? まあ、そんな事を聞いてはいけなかったのかもしれないけれど、こんな意味不明の事を語りだしてしまういほど、ひなさんは心細い気持ちでいたんだねえ。

「はやく、いくるさんとあそびたい」

まだ5か月児は上手に遊べないのに、弟思いの健気なひなさんです。

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土曜日の回診では、週明け早々には退院できるだろうとの見込み。いくるさんも点滴の針さしたままベッドの上を縦横無尽に動きまわっているのだとか。

そこで、日曜日にはいろいろと苦労をかけてしまったひなさんと2人で、ちょっぴり遠出の旅行にでかけ、十分にストレスを発散して参りました。

そんな、「生活発表会」「小旅行」の様子は次回にまとめてご報告するとして、月曜日にはいくるさんとみきさんが元気に帰ってきました。さっそく嬉しそうにいくるさんでコロコロと遊びまわるひなさん。コロコロされることに戸惑いながらも「ウキャウキャ」笑ういくるさん。それから付添には病院食がでなくて菓子パンとかお菓子とかさんざん親戚のみなさんに差し入れてもらっておきながら、
「入院中は精進料理みたいなのしか食べてないから甘いものが食べたい」
とケーキをせがむ意味不明のみきさん


仲良くクリスマスを楽しむ兄弟

こうしてわが家に平和が戻ってきたと思いきや、なんでも口に入れてしまういくるさんが病院で風邪を拾ってきて、鼻水ズビズバーのクリスマス3連休。そしてサンタにプレゼント貰った瞬間に、いくるさんが持ってきたのであろう何かの病気を発症し熱を出すひなたさん。思えば去年も25日に熱出してたな。クリスマスに弱い男である

みきさんも風邪気味だし、お正月はみんな元気で過ごすことができるのでしょうか?