11月22日「フィッシング・ホリデー」

マグロと寿司(マグロの寿司ではなく)をこよなく愛する1年生、ひなたさんはかねてから「つりに行きたい」という願望を持っていたのですが、両親ともに釣り未経験なので、「誰か連れて行ってくれる人がいたら行ってもいいかな?」と、消極的な立場で待っていたら、まんまと釣りマニアの職場の後輩が小学3年生の坊やと毎月1回は海に行ってるから「今度一緒に行きませんか?」とありがたいお誘い。

で、前日に後輩に言われるがままに、ショップで釣り道具を1から揃えて約8000円の出費。それが安いのか高いのかも分らないけど、準備OK!

こうして初めての釣りに行ったのが10月の第2週の日曜日。もう随分と前の話になってしまったけれど、何年も後にこの日記を読み返すときには、1か月半くらいのズレは気にならないと思うから、このまま続けますよ。ええ(こればっかり)。

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当日は快晴。よくわからないけど、今回のポイントである漁港は家から車で1時間ほどの場所にあるそうで、後輩の運転にまかせて現地へ。

「で、どんなサカナを釣りたいの?」と後輩に尋ねられたひなたさん。

「チカラしょうぶがしたい!!」

どうやら巨大マグロと命を懸けた闘いを繰り広げたいらしいけど、それなら松方弘樹について遠洋にいくべきだったね。だけど、今日はハゼ釣りだそうだから。手のひらサイズ。なっ。そんな不満そうな顔をするのはやめて、釣りをしようじゃないか。ほら、ライフジャケットも装着して、気分も盛り上がってきたじゃないか。


気分が盛り上ってるひなたさん

仕掛けや針の取り付けも、やっぱり全部を後輩任せにして、僕らは場所を決めて釣り糸をたらすだけのコンビニエンスなフィッシング。それなのにひなたさん、開始からわずか5分で「つれないねえ」と、早くも堪え性のなさを発揮。そんなにカンタンにいく訳ないじゃないじゃないか。「釣りの極意は忍耐」と初心者のクセにわかったような顔をして説教をしてたら釣れちゃった。


釣果その1:ウミタナゴ

後輩から食べられる魚と聞いてひなたさんのテンションアップ! そしてさらに釣りをナメてしまったようで、そこから先、まったく釣れないという状況に「つれない、つれない」とやかましい。でも、小学3年生になる後輩の子がフグを釣り上げ、その見事にふくれた姿にゴキゲンになったりして、午前の部は早めに終了。

海の近くということで、それらしい昼食で英気を養って午後の部に突入。


100%この海で採れたものではない
魚介類で構成される豪華海鮮丼

午後は風が強くなり、釣りの条件としてはかなり厳しいと後輩。はあ、そうゆうもんなんですか。本当にそうゆうものだったらしくて、周りの人を見てもあまり竿が動いている様子がありません。ヒマになったひなたさんは、釣竿を地面において、さっき釣ったウミタナゴを何度もクーラーボックスから取り出しては眺めています。みるみる腐敗が進行していくウミタナゴ。

ところがそろそろ帰りの相談をし始めたときに、ひなたさんの釣竿が大きく揺れます。引き上げると、それは黒くてヌメヌメした不思議なサカナ。

「ああ、ギンポですね」と後輩。


釣果その2:ギンポ


食べられないことはないけど、調理が難しいとのことで、即座に海に返すことに。しばらくすると、またアタリが。つれたのはカニ。ハイ、海ね。その後も、ギンポ、カニ、カニ、ギンポと、食べられない魚介類を次々にゲット&海にポイ。それなりに初めての釣りを満喫したひなたさんでした。

ただ、持ち帰る魚は結局ウミタナゴ一匹だけ。しかも釣り上げてから外気に触れていた時間が長すぎて食べられる状態にないのは一目瞭然。でも、大丈夫。後輩が見ず知らずの漁船のオジサンに「今日はダメですわ」と気さくな笑顔で泣き言を言ったら、「じゃあコレ持って行きなよ」クロダイを2尾ダタでくれたのでした。

タイが入っていると、クーラーボックスの中はとても華やかに見えます。家に帰ってさっそくみきさんにさばいてもらって、焼いてみんなで頂きました。うむ。タイがあると食卓の上も華やかになるね。


釣果その3?:クロダイ(焦)

こうして、ひなたさんの海釣りデビューはひとまず成功に終わり、でっかいサカナもお土産にできて本人も大満足で「またいきたいなあ」って。そうだね、次はいつ行けるのかなあ。でも、後輩だけでなく、ウチの兄ちゃんとか、みきさんのパパとか、本格的に釣りをする人は身近に結構いるからね。

そのうち誰かが連れてってくれると思うから、楽しみに待ってような!