12月19日の日記「演じる幼児」

「ひなくん いくよ! ジャンバーきて!」

声の主は間もなく2歳と6か月になるいくるさん。やたらとよくしゃべる上に、お節介大好きな幼児ですから、ボンヤリのひなたさんのお出かけの準備がモタついていると、こんな風にとても的確な言葉でせっついてくるのです。

◆    ◆    ◆    ◆

ある夜、ソファの上に乗って「ニャーン」とネコの真似をしていた2歳児。なかなか堂に入ったネコっぷりだったので、「もっとかわいく鳴いて?」とリクエストしたところ、

「にゃぁ〜ん♪」
おお、ちゃんとかわいいじゃないか! じゃあ、笑いながら。

「にゃはははは〜ん」
 
ようし、上手いぞ! 次は泣きながら!

にゃぁぁぁぁん」 
じゃあ、怒って! 

「ニャー!!」

いくる、恐ろしい子! この子は生まれながらにして千の顔を演じ分けるガラスの仮面を持っているようです。この天分を今から伸ばしていけば、「子ども店長」みたいになれるかも(超勘違い)。という事で、店長さんがブレイクするきっかけとなった、歴史ドラマの中の有名なセリフを言わせてみました。

「ワシは こんなとこへは きとうなかった」
おお、セリフ覚えの早さも北島マヤレベル! 
でもこのセリフは怒りながら言わなきゃ。

「ワシは・・・こんなとこへは・・・きとうなかった!!」


エクセレント! 

声を低くして、セリフの間に独自の間を入れた、迫力のあるセリフ回しです。これはぜひじいちゃん・ばあちゃんに披露して、ウケをとりたいところですが(結局小さなウケ狙い)、遊びに行った先でコレをやられると、本当にイヤイヤ来たと勘違いされそうで、いまだウチの外では実演させていない、「幻の芸」なのでした。

◆    ◆    ◆    ◆

とはいえ、2歳児役者いくるには、実はひとつ大きな欠点があるのです。それは「かきくけこ」が上手く発音できないこと。「か」「た」「こ」「と」になってしまうのです。ついでに「が」「ご」「だ」「ど」になります。不思議、不思議。ですから、先ほどのセリフも本当はこんなセリフになってしまいます。

「ワシは・・・とんなととへは・・・きとうなたった!!」

ちょっと、カッチョ悪い。
そんないくるさんの真似をして「どんぐりころころ」を歌ってみました。

「どんぐり とろとろ どんぶりと〜♪」

「ちだう!!」(ちがう)いきなり強い口調で怒るいくるさん。
「どんぐり とろとろ どんぐりと!!」

「いや、だから『どんぐり とろとろ どんぶりと』でしょう?」

「ちだう!! どんぐり とろとろ どんぐりとっ!!!」


そんなに怒らなくてもいいじゃないか。
でも、発音できないだけで自分の中ではちゃんと「どんぐりころころ」なんだね。不思議不思議。とにかく、この欠点を克服したら「目指せこども店長」だな! 

アメンボ、赤いな アイウエオ!
柿の木、栗の木 カキクケコ!