清末社会 | 清朝は中国最後の王朝である。清末に至ると王朝体制は動揺する。列強の進出、少数民族の立ち上がり、太平天国・義和団などの運動で見られるような社会動乱が相次ぎ、最後に民主革命勢力によって清朝政府は打倒される。 |
封建社会 | 清王朝は封建体制を維持した。王侯貴族を頂点に上下身分社会を採用した。特権階級(皇帝・貴族・官僚・紳衿)、平民階級(地主・商人・自作と小作農民・職人など)と賎民階級(奴婢・楽戸・蛋戸など)の区別があることが知られている。漢人官僚も統治機構の中で権力を振るったが、漢民族は満州族の従属下に置かれた。 |
植民地化 | 中国は半封建半植民地社会とも規定される。孫文はこのような中国社会を「次植民地」と規定した。このときの中国国内には、欧米列強や日本が租界や勢力範囲を設定していた。インドのようにイギリス一国の植民地になる代りに中国は多くの国の進出を受けたのである。 |
民国期社会 | 辛亥革命により清王朝に代り中華民国が成立する。軍閥割拠・南北抗争のなかで政局が混迷したが、北伐により一応の統一が実現した。しかし、国共内戦・日中戦争などがつづき、平和局面の到来を期待しながらも国民政府はついに大陸から追われて台湾に政権の本拠を移転する結果となった。 |
民主主義 |
辛亥革命後の中国は民主主義社会へのあゆみが約束された。しかし、民国初期の政治的混迷、つづく各種政治勢力の対立抗争などが災いして民主社会の形成が立ち遅れた。主権国家の形成にも障害があったことで、旧民主主義と新民主主義の区別があるものの、真の民主主義社会の展開が実現しなかった。 新民主主義への過渡期を旧民主主義社会といい、社会主義中国社会への過渡期を新民主主義社会という。旧新民主主義の転換は「五四運動」を機に、社会主義社会への転換は1956年に実現したとされる。国共合作・国共対立・西安事件・抗日戦争がこの間に起こっている。 |