アメリカの現行通貨は連邦準備制度の発行する紙幣(Federal Reserve Note)とコインが流通する。現行紙幣は、1ドル、2ドル、5ドル、10ドル、20ドル、50ドル、100ドの7種類と流通停止中の500ドル、1000ドル、5000ドルそれに1万ドルの4種類があるが、コインは、1セント(penny)、5セント(nickel)、10セント(dime)、25セント(quarter)、50セント(half dollar)それに1ドル(one dollar)の6種類が使用されている。
1860年当時のアメリカでは1万種類を超える銀行の紙幣が流通した。銀行倒産、不良債権などが多発する中で紙幣の信用はさほど強固なものではなかった。 国立銀行券は、1914年から連邦準備制度による通貨の統一発行と管理が採用されることで流通市場から姿を消すようになった。 |
アメリカの流通通貨 | ||||||||
通貨種類 | 1800 | 1850 | 1860 | 1870 | 1880 | 1890 | 1900 | 1910 |
州立銀行券 | 10,500 | 131,367 | 207,102 | 2,223 | -- | -- | -- | -- |
国立銀行券 | -- | -- | -- | 288,648 | 337,415 | 181,605 | 300,115 | 683,660 |
出所:合衆国商務省編、『アメリカ歴史統計 』;単位:1,000ドル、各年度6月30日現在 |
アメリカの連邦準備券流通高 | ||||||||
通貨種類 | 1915 | 1920 | 1930 | 1940 | 1950 | 1960 | 1970 | 1980 |
連邦準備券 | 70,810 | 3,064,742 | 1,402,066 | 5,163,284 | 22,760,285 | 27,093,693 | 47,626,751 | -- |
連邦準備銀行券 | -- | 185,431 | 3,206 | 22,273 | 273,788 | 99,987 | 55,272 | -- |
出所:合衆国商務省編、『アメリカ歴史統計 』;単位:1,000ドル、各年度6月30日現在 |
アメリカドルの外国為替相場 | ||||||
年平均相場 | 1961年 | 1971年 | 1981年 | 1991年 | 2000年 | 2002年 |
円/ドル | 360 | 308 | 220.25 | 111.08 | 107.80 | 125.22 |
出所:FRB |
第2次世界大戦後IMF体制の下でドルは為替相場の安定に貢献してきた。しかし、71年のニクソンショック、73年のオイルショックをへて、ドルの切り下げが断行される。 ドル対円の為替相場で見ると、70年代から1ドル200円台の時代が始まり、とくに85年秋の「プラザ合意」から1ドル100円台の相場が今日まで持続するようになる。 |
アメリカ連邦準備制度とアメリカの銀行 アメリカ連邦準備制度(Federal Reserve System)では理事会(board of governors)と全国12地区の連邦準備銀行(Federal Reserve Banks)それにその下にある25支店(branches)が設置されている。 アメリカの銀行は、連邦政府の認可銀行である国立銀行(National Banks)と州政府の認可銀行である州立銀行(State Banks)に区別される。前者は法によって連邦準備制度への加入が強制されるが、後者は自由加入である。1993年末の記録では、全国11,212行ある商業銀行の内4,338銀行が連邦準備制度のメンバー銀行となっている。その内訳は、国立銀行3,360行と州立銀行978行である。
|
1791年 | 最初の米国銀行が中央銀行としてフィラデルフィアにて設立される |
1801-11年 | 初期の銀行は州政府の特別認可が必要だが、この頃州法銀行は30行から88行に急増< |
1816年 | 二番目の米国銀行がフィラデルフィアに設立される(〜1832) |
1818年 | ボストンにてサフォーク銀行(Suffolk bank)設立。 (Suffolk System, required country banks to keep deposits in the Suffolk Bank to insure honoring their notes, in full operation by 1825.) |
1820-40年 | 州法銀行急速に拡張するが、32年以後州政府が銀行を監督した。 |
1863年 | 国立銀行法制定(National banking legislation)。その結果、全国統一銀行券(national bank notes)導入される。 |
1891年 | 鉄道、上下水道、産業などの整理統合に投資銀行活躍。 |
1913年 | 連邦準備制度創設 |
1929年 | 大恐慌、銀行制度に大打撃。1931年時点で1,000行以上の銀行倒産 |
1933年 | 3月5日銀行休業;7月連邦預金保険創設(federal deposit insurance この制度では当時の預金者に対し一人当たり2,500ドルまでを保証した。現行10万ドル)
今日の銀行では電話、カード、自動機が一般的に利用され、コンピュータはじめ情報技術の利用による電子マネー、電子バンキングが展開されている。 |
>
アメリカの証券市場(1910年出来高) | ||||
市 場 | 株 式 | 債 券 | ||
出来高 | 割 合 | 額面額(百万ドル) | 割 合 | |
ニューヨーク証券取引所 | 215.060,272 | 89.7 | 645.8 | 92.1 |
ボストン証券取引所 | 15,503,336 | 6.5 | 32.7 | 4.7 |
フィラデルフィア証券取引所 | 8,341,599 | 3.5 | 14.6 | 2.1 |
シカゴ証券取引所 | 894,362 | 0.4 | 7.4 | 1.1 |
合 計 | 239,799,569 | 100.1 | 700.5 | 100.0 |
出所:LE Davis & RJ Cull,International Capital Markets... |