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      第11作 四つ目編みお椀型


 かなり細いヒゴの花籠に取り組みました。

「ヒゴが短くて丸型には足らないから、お椀型にしても面白い。」と指導を受けました。

  ヒゴは幅1ミリ、底編みは三本まとめの麻の葉編みで各13段、中心の三方は2本(ヒゴの本数を偶数とるため。)ですので、全体のヒゴ本数は・・本×13段×方−本=114本です。

 サイズは底の高台径13a 本体径31a 高さ40aです。

  底編みはさほど問題なく出来ました。腰立ち以後は四つ目のヒゴ本飛ばしで編み進みますが、壷型でなくお碗をイメージしますのでヒゴを絞るわけにいかず、ふんわりと開き加減の形を保つのが難しく、一計を案じました。竹で輪っぱを作り、底板に固定した針金で支えて型として籠を固定し、編み進める事にしたのですが、先生は呆れた物言いで、「ヤメテヨー、」と言いました。プロはこんなことはしないでしょうね、きっと。
 ただ、禁じ手というものは無いようで、前作の四角の(直方体)籠やら、円筒形のものを編む時など、それ用の型を使うと教えてもらいましたので、技術が未熟な分は色々工夫してやればシロウトには許されるのではないでしょうか。

  編むこと自体よりも編目を揃える作業に大変な労力を要しました。 縁仕舞いは8目飛びの巻縁をしてから、縁巻竹を内と外にあてがい籐で縛り仕上げました。 最後に手を取付けて完成です。

  製作途中は何か洗面器のように思えましたが、完成してみると結構見栄えもするし、細かい目がなんとも軽やかで涼しく写り、気に入った作品に仕上がりました。


  06年10月 名古屋市の守山区民展に工芸部門で出品し、奨励賞を受賞しました。