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         第16作      芭 蕉 籠
 底は菱形から胴を丸く立上げ、首を窄めた後広げて口仕上げする。

  ヒゴは皮むき表竹と一枚下の身竹を適宜混ぜて使用。幅3〜4ミリを80本。割りっぱなしで幅決めはしませんでした。

  底は二枚飛ばしの網代で組みました。一方は密に、一方はやや間隔をもたせて組み、菱形とします。
 胴編みは三箇所に箍をはめて形作ります。

  口仕上げは縁竹を籐で続き巻きした後、上部と横に飾り縛りを施します。飾り縛りの下地として、籐ヒゴをそれぞれに一本咥えておきます。柔軟性が必要ですので竹ヒゴではいけません。

縁巻きの竹幅があまり広くならないほうが形が整います。

  飾り縛りは、蛇腹巻きの上級編をコーチしてもらい仕上げました。気が遠くなる程手間が掛かります。講師の先生は“怒れてくるで”と申しておりました。

  滑りにくくて編み易い・・・との指導により、1号品は表竹のヒゴを皮むきとしましたが、アクセントとなるべき節が滑らかに削られてしまい、この点で趣が減退したように感じましたので、2号品では皮竹と身竹を(1:2)交互に使いました。1号品では首がやや絞りきれず、また膨らみもやや弱かったですが、2号品はこれらを意識して製作した結果、十分納得のいくものとなりました。

 07年10月 名古屋市中区・区民美術展に出品し、工芸部門の上位4番目、教育委員会賞を受賞しました。(中区は勤務地として出品)
 上位3賞に入れば16区全体の展示会に出していただけるのですが残念でした。次の機会に挑戦します。