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第28作
細ヒゴで編んだ花籠
各種
H21・12月
その1
【高さ13p5o 径14p】
これまで四ツ目編みから始まり、かなり手の込んだ編み方もマスターしてきましたが、 教室の先生が仰いました。
「少し基本をやっといたほうがえーぞ、、」
「細ヒゴのこういうやつで、首がぐっとえぐれたヤツだけどナー、、」
先生の言うところの「基本」とは? 黒板に絵を描いてもらいました。ザル編みの絵です?
「その編み方ならビク編んどったのと変らんので出来ると思うけど、、」と内心は思ってしまったのですが。
第1号は丸型(予定のスタイル無しに編み始めました。)になりましたが、中央から上部に行くに従って結構しんどい思いをしました。
立ち竹が内に向かって並び重なりますので、一目編むのにかなり手間がかかります。その辺りは当初から想定の範囲内としていたのですが、相当しんどい想定の範囲でした。
編みヒゴの幅は1o〜0、6o 立竹は菊底編みで16本重ね16本増し立ちで32本、目数は64目になります。底の中心部だけは柔軟な籐の細ヒゴで、胴の横回しは編み目に変化を着けるため茣蓙編み、波編み、松葉編みを組み合わせました。編み目の境界に二本縄編みを配して輪郭を出しました。
口仕舞いは内外に縁竹を宛がい、籐ヒゴで12か所縛りです。高台と耳を取り付け完了です。
先生が言うところの「基本」とは、、細ヒゴの扱い、丸い籠を作るとしたなら底の立ち上げを如何に丸くできるか、一番難しいのは胴から肩、首にかけて編みヒゴが緩まないように窄めていくこと、首から急展開して広げること、この辺りでしょうか。
その2
【本体高14p 径10、5p】
第2作はオーソドックスなスタイルを予定しました。
今回の細ヒゴ編みの「課題」は、立ち竹の急激な曲がり(内にも外にも、)と、それに合わせたヒゴ編みにあると考えられます。
肩から首にかけての急に窄まるところで立ち竹を一回、焼き鏝で内に曲げます。更に首の部分で角度をつけて外に焼き曲げます。どうしても何本かは折ったり焼き切ったりしてしまい、継ぐことになります。まあそれも目立たなくやるようにすればOKです。竹を外側に曲げるのは難しいことと思っていましたが、慣れれば案外うまく行くようです。
焼き曲げ以上に難しいと言うのか、手間取ると言うのでしょうか、肩から角度を持たせて内に編み進む事がかなり忍耐の要る作業になりました。一番狭い首部分が済んで、外に開いて編むことも同様です。
胴の中ほど過ぎの部分に「松葉編み」を施し、模様をつけました。
立ち竹の巾は2o ヒゴ巾は1、3〜0、8o程度です。
松葉編み
この場合は1目押さえの2目掬いで「裏松葉」編みです。
同じ編み方で編み目を揃えたものが「波編み」となります。
その3
【本体高17p 手含め28p】
3つ目となればいよいよ気合が入ります。
第2作の形を更に胴にクビレを入れました。今回は底編みからの立ち上げ部分にも焼き鏝を使って鋭角な立ち上がりとしました。
焼き鏝を入れた箇所は6箇所です。底の立ち上げ、胴のクビレの肩、クビレの反転部分、上部への立ち上がり、首の肩、首の反転部分です。
第2作の首部分の2箇所に比べると何倍も編むのに手間が掛かりました。
手の取り付けにも一工夫しました。手は2箇所で縛っていますが、上段の縛り部分で、第2作は籐を削って挟み(スペーサーの役目)ましたが、今回は手竹そのものを焼きを入れて曲げてみました。
手竹はヒゴと違ってかなり厚いのですが、ゆっくりと焼き鏝で熱をかけたらうまくいきました。染色で長時間100℃に熱せられますので、戻ってしまわないか危惧しましたが概ね大丈夫でした。
この手の曲げ部分を教室の先生に見てもらった所、「お、えーなー。ワシも使わせてもらおかなー、、」 なんて、嬉しいことを言っていただきました。
12月20日、染め・漆塗り、落し全て完成。
その4
【高さ18 胴12、5 口7、3p】
飲み屋の2合徳利のような形になりました。
「鶴首」とまではいきませんが、胴の膨らみが手の平になじんで、いい感じです。
4作目になり、益々ヒゴが細くなってきました。底組みの途中から胴から首にかかるあたりまで立ち竹を増してあります。
菊底組みの本数はヒゴ16本、従って目数は32目ですので、増し立ちのヒゴは32本あてがって。あります。
口仕上げは丸籐を半割にしたものを内と外にあてがい、上縁に竹ヒゴ2本を沿わせて「2芯組み巻き」をしました。更に下部にもう1本ヒゴをあてがい不連続に「滴シズク巻き」をして装飾しました。
材料の都合で青竹を使いましたので、青みが抜けるまで陽に晒し、その後染色することにします。
細ヒゴの小物を4作作りましたので、基本工作の練習はこのあたりにして、次はもう少し大振の籠を製作することにします。