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         第31作    細ヒゴの大籠    H22・ 2月

           
第41回東海伝統工芸展に初出品し落選しました。取りあえずは名前だけでも、、



  3月16日  完成しました。



 高さ41p、巾25p。
 かなり気合を入れて取り組みましたが、2ヶ月かかりました。
 自分が思っていたイメージ通りと言う訳には参りませんでした。もう少し明るい感じに仕上げるつもりでしたが。

 ザル目編みは単純ですが、その単純な編み目が連続するところに良さが出るようです。延々と編み作業が続きますのでしんどかったです。

 脇の小籠4つは第28作で紹介したもので、大きさを比べるため並べてみました。


2月6日までの作業記録

 正月明けから細ヒゴの大物に取り組んでいます。

 昨年の暮れに第28作で紹介しました細ヒゴの小物を4個製作し、概ねポイントが修得できましたので、いよいよ大物籠に取り組みました。

 まず試作品として写真左を仕上げましたが、先生から「まだ小さい、、」と言われてしまいました。左の籠の寸法は巾20p、高さが40pです。確かに広い場所にポンと置くと、迫力ありません。

 もう一回りサイズを上げることにします。
 底は菊底編みで8本×2=16本、立ち竹の本数としては32本です。
 中心部は柔軟な籐ヒゴ2本で追い編みします。 まずは8本を組み、5周位してから更に8本を挿し込み編み続けます。
 
緑線が差し込んだヒゴ。

 大籠になりますので立ち竹を増します。
 
緑矢印
の所で立ち竹32本をあてがい、縄編みで2周します。

 直径13cmまで編んだところで腰立ちさせました。丸ーくではなく、鋭角で立ち上げしたかったので、焼き鏝を使いました。

  高台の製作、取り付け
 竹の輪を二つ(若干内径を違えて)作って籐で滴巻きの要領で縛りました。
 後で飾り縛りをするために芯にする籐を一本咥えて縛っていきます。
 立ち上げ直後をやや内向きにしたかったことから、下の輪の直径を5oほど大きくしてあります。
 

 いちばん底の部分で立ち竹の間隔は約6o強です。13p×3、14÷64

 ヒゴが細く、編んでも編んでも仲々はかどりません。

 中段で模様を付ける為、3p程波編みを入れました。境目をきりっとさせるため、縄編みを一周させます
 上部に行くに従って編み目がの間隔が広がりますので、やや幅広のヒゴとしました。更にここから底で増し立ちさせた要領で、立ちヒゴを増します。やや細めにして、本数は64本です。
 この部分で立ちヒゴの本数は128本になりました。

 

 所定の高さまで編み進んだら立ちヒゴを焼き鏝で内に鋭角に曲げます。

 ここまでの高さは18p、巾は25p。

 水平に近い状態で内に向かって編み進みますが、このあたりはかなり難儀な作業です。きっちり目を外に詰めて進みませんとグジャグジャになってしまいます。丸い籠に比べて格段に難度が高くなります。

 2pほど内に編んだ所で増し立ちした細ヒゴは終了させます。

 その後松葉編み(茶色の部分)を施しました。
 同質の竹が足らなくなりそうですので、この部分に別の竹を持ってきました。染色で染め色が変っても、それはそれで善しとします。

2月11日  ヒゴ編みの作業が完了
 松葉編みが済んだところで、一本おきに立ちヒゴを差し込んで延長します。

2月17日  口仕上げ

 口仕上げの下処理  丸籐を半割りにして口仕上げします。
 二芯縛り、下部を不連続に滴巻きして装飾します。

2月20日  手の製作
 首の両脇に手を取り付けるデザインにしました。
 丸籐の半割りを熱で曲げ、飾り巻きします。
 籐巻きは虫こぶの高級編、二目戻りの二目押さえ。
 籠への取り付けは、松葉編みした部分の編み目の隙間を使って。
 写真左は首の部分で上部、右は籠上面部分で手の下部の取り付けです。

2月22日  手取り付け完了、本体完成
 この二つ目は1月の半ばから取り掛かりましたので今日で一月と一週間ですが、毎日ほとんど掛かりっきりで相当な時間を費やしました。

 ヒゴが細いこと、籠が大きいことで材料つくりに時間が掛かることと、編み目が細かく当然に編む時間も半端なものではありませんでした。

 ようやく姿が出来て一区切りです。
 作業の合い間に陽に晒してきましたので、初めの頃より竹の青みが抜けてきましたが、未だ十分ではありません。青みを完全に抜いて安定した色になってから染色に入ります。更に一週間は必要でしょう。

 この間に落としの製作を進めます。


   3月3日 ウルシの乾燥

 試作の籠と落しの漆を風呂場で乾燥させています。ウルシの乾燥には湿度が必要です。残り湯を抜かずに湿度を保っています。
     

3月 9日  
染色錆び付けウルシ掛け

 日焼けサロン(二階ベランダ)で一週間こんがり焼きあげ、そのあと染色しました。
 自分の思いより濃く染まってしまいました。仲々ぴったりと言うわけには行きません。

 染色後、
錆び付けをして漆を掛けます。写真は第1回目のウルシ掛けをしたところです。
 更に二度、拭塗りをして完成させます。

3月16日  完成しました。

 籠、落しのウルシ塗り、全て完成しました。ついつい先を急ぐ気持ちから、後になって、「しまったな、きっちりチェックしてから次の工程に進めば・・・」と、反省しきりですが、そこら当たりは次の時に心することにしましょう。写真はトップに。

 第41回東海伝統工芸展に出品し、見事落選しました。
 “これだけの編みが出来ていますから技術的には十分ですが、色々な作品を参考にしてデザイン的なことを勉強してください。” との鑑評を頂きました。