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     第46作        ヒゴ入れ筒の製作         H24・ 4月


 

 文化教室に通う時などに、作りかけのヒゴなんかを持ち運びすることがありますが、ただ紙に包んで持って行くだけでは何か面白くありません。
 ちょっと洒落た筒でも作って肩にかけ、街中を歩くなんてのも格好いいと思いませんか。

 そんなことで前作に引き続き丸竹の工作です。印籠継ぎの口蓋でヒゴ入れの筒を作ってみました。

 右2本は出来上がっているものです。1号は「ごま竹」です。
 左の素材で3本目を作ろうと思います。長さの違うヒゴを収納して保存しておくのにも便利かもしれません。


   4月6日
    まず蓋にする部分をカットします。蓋の節の上部はこの後の作業性を保つため、カットは最終の段階にします。

 筒ですからまずは竹の節を抜かなければいけません。
 “昔々、あるところで若い衆が釣竿なんかを作っておったそうな、、”
 30年も昔の話ですが、釣竿作りに凝っていた頃がありました。節抜きとか継口の工作とか、いろいろやりました。その頃の工具もありますので、太さこそ違いますが、、、昔とった杵柄です。


 節抜きの前に、材料竹はいつも切り出ししている竹林で採取したもので、虫食いにより成長が阻害された竹です。節間が短く編みヒゴにはなりませんが、それなりに面白い使い方が出来るものです。
 まずはその虫食い部分の補修をします。別の竹を削って虫食い部分に嵌め込みます。
 
 左、虫食いの痕が筒内側まで貫通しています。

 右、形に削った竹片を接着剤を塗り込んで嵌め込みました。
 傷物と言わず、これもアクセントの一つになります。

  節抜きの工程
 太めの竹の節を抜く道具は、以前に加工したものです。塩ビ被覆の径3aほどの鉄パイプ(園芸資材)を斜めに切断したものです。
 荒抜きした後は「ゴズリ棒」で滑らかに削ります。この工具は昔、竿作りに使ったもので、長い柄が付いた丸ヤスリです。
 “ゴズリ”をした後の竹筒の内側。
 あとに柿渋を塗り込みました。防虫と湿気対策になると思います。


   4月7日
  
尻栓込み
 竹筒の節は全部抜きましたので、尻栓を別に削った“木”で埋め込みます。こういう時の接着剤は二液混合の5分硬化型で隙間を埋められるものです。30分もすれば鋸で引けます。

  蓋の下工作と胴の継口荒削り
 蓋になる部分に籐を捲いて補強します。蓋は外に広がろうとする力が加わりますので、この始末は絶対欠かせません。
 胴部分の口を荒削りしておきます。この後は双方微調整しながら削って摺合せします。ここの作業を丁寧にやらなくては出来上がりの完成度が左右されてしまいます。因みに真円ではありません。
 

  4月 9日 印籠蓋仕上げ完了
 昨日は第2日曜日、教室の日でした。教室での2時間はお喋りが1時間、諸々のコミュニケーションが30分、蓋の内側の仕上げ削りが30分でした。
 本日、胴の口の仕上げ削りをして摺合せし一応終了しました。後はウルシを拭いて完成です。
   丸ノミで蓋内側を荒削り。  蓋、胴の口を丸ノミと切り出し、平ヤスリで仕上げ。  シュポーッ と、気持ちよく嵌りました。
 ところで、教室の大先生が、「花入れにしても面白いなー、お茶やる人は気に入ると思うよ、、」と言われました。真鍮板を加工して水入れを作り壁にかけられるようにしたら、ヒゴ入れ容器の機能はそのままに、花入れになりそうです。