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第55作
瓢型掛け花入れ
H25・5月
5月29日
出来上がり
このところ「メダケ」の材料に凝っています。
先般、教室の先生(竹工芸家・伊藤賢一郎
氏
)が名古屋松阪屋で作品展を催した折り拝見した瓢型の掛け花入れが気に入り、真似したくなりました。
26日の教室の日、底部分まで作った(下の画像)ものを持参しました。
大先生曰く、「丸っこうするの、結構難しいぞー、」
当初の立ち上げではやや底が扁平になっていましたので、かなり解いてやり直しました。
サイズは高さ16.5a、下部胴径10a、口径4pです。
5月26日
まずは底編みから。丸型の立ち上げですから当然、菊底編みです。白く見える中心部分は籐ヒゴで巻きました。全て竹ヒゴでやりたいところですけどね。(竹を柾割りしてヒゴを作ればやれると思います。)
メダケのヒゴは割りっぱなしで、幅きめはしてありません。この素材の場合はこの方がいいように思えます。面取りはしました。
立竹は十字を重ねた8本で巻き始め、その後8本を挿し込みました。16本を組んで、立ち竹の目数は32です。
5月27日
底から立ち上げ、最大径を過ぎたあたりで立ヒゴを焼き鏝で曲げます。
この先丸く編み進めるために立竹の窄まりが編み作業の邪魔になりますので。
32本焼き鏝完了。
なかなか全てを完璧に焼き曲げることは難しいですね。
緑丸印が不良部分です。身の部分を外側に曲げるのは、結構微妙です。
横回しヒゴを編み進んで折れなければいいですが、折れたなら継ぎ足しすればいいですから、こんなところで作業を進めることにします。
ひょうたんの下部の姿が見えてきました。
丸ーるく内向きに目を詰めて編むのが意外に難しいところです。パッと見、ザル編みで大したことはなさそうに見えますが、案外簡単にはいきません。実技レベルは「中級」編でしょうか。
ここで一旦ザル編みを止め、胴のくびれ部分を3本縄で5、6段編み、その後上部に取り掛かりますが、急反転させるあたりがやや難しい部分です。
口縛り
ひょうたんの上部の編みが完了しました。
最後の部分はここもやはり3本縄で5周しました。上縁に籐ヒゴを一本咥えてぐるぐる巻きします。
最後の飾り縛りは、咥えたヒゴを拠り所にして蛇腹篝で納めました。
上縁の切り口が波打っていましたので、このような出来上がりになりました。波打ちが案外味になっているように思えます。自分で言ってはナンですが。
編み作業はすべて完了しました。
右の画像は背面で、一応掛け花籠としましたので吊り手を籐で取り付け、更に下部の2か所の縛りは壁にかけた時に左右のぐらつきを防止するための突起です。大先生の作品から盗みました。
底は安定していますので、置き籠としても使えます。
わざとした訳ではないのですが、胴のくびれから上部がオヨヨッ、、と傾き(真っ直ぐにヨー作らんかっただけのことですが、)かえって面白味のあるものになりました。いい訳です。
漆を染ませ、拭き取りをして完成しました。