前頁へ戻る
      5作 ふるさと籠

 染色を施した魚篭型の花籠で、素朴な味わいがあります。

 編み方としてはザル編みですので特に難しくはありません。口に向かって胴をすぼめていきますので、立ち竹を胴の中ほどからテーパーをつけて細く削り出すあたりに材料作りのポイントがあるようです。

 竹には繊維がありますので、真っ直ぐ割るには都合がいいのですが、繊維を切断しながら、且つ段が付かないように順次細くなるように削ることが意外と難しいものです。
 サイズ17×19、高17p

 永いこと実用品のビクをたくさん作ってきましたが、きっちりと目を詰めて編み上げることとは相反するものがあります。
 と、言ってみましたが、教材の見本作品を眺めていると、変化と言うのか乱れと言うのか、そう言った中に実に趣と落着きが感じられます。

  立ち竹の材料作りについては簡単で効率の良い方法を考案しました。溝がテーパーになるような補助具(硬い鋼製の2枚の鉄板に、適当な厚みで竹を挟む。)を作って万力で咥え、その溝に幅、厚さ極めした立ち竹10枚程を挟みこんで、鉄板の縁に沿って一度に削りだす方法をとりました。

  染色後、ウルシをかけ研ぎ出しをして完成としました。しっとりした艶で仕上がり、気に入った作品になりました。