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     第76作
                     布袋竹採取
                            H27・12月

 農園のお隣さんに誘われ、布袋竹を採取してきました。
 昔々、釣具屋で布袋竹の述べ竿を仕入れて、手作りの釣竿の材料にしたりしました。もう30年も以前のことで、値段は覚えていませんが、子供がフナ釣りに使うようなもので、安いものだったと記憶しています。

 布袋竹が自然生えしているのですねー。いたって近場の河川敷に藪がありました。回りでは家庭菜園をやっていたりして、農作業に利用しているようです。(もったいない、農作業にはマダケの細いやつを使ってちょうだい、)

 こんなのが手に入っては昔を思い出して何かしら竿を作ってみたくなります。このところよく釣行したハゼの穴釣り用の手元(先頃作ったものが虫が喰っていて、、)を取りあえず作り直すことにして、その後は時間を見つけてボートのキス投げ竿やら、乗合船の両軸リール竿なんか出来るといいですが。

 画像左3本は油抜きしたもの、右はこれから。

 花籠にはなりませんが、「竹工芸」ということで遊んでみます。



 12月17日 油抜き後一週間です。
 随分竹の青みが抜けてきました。竹が乾燥するにはまだまだ日にちがかかります。

 太さ、部位を考えながら切り組しました。 一番左の束は穂先も布袋竹のハゼ穴釣り2本仕立て二組分。次はキスボートチョイ投げ竿、穂先はソリッドで。その右は余り、中央が穴釣りの手元に、一番右の太いものは乗合船用の太物でも作ろうかと思っています。先は永いです。



 
第1作 ハゼ穴釣り2本継の手元竿

 水分の抜けがまだまだと思いますが、待てないのが私の悪い性分です。40p程の手元竿ですので、まあやってみます。
 素材竹を火に炙りながら、「矯め木」を使って真っ直ぐに矯正すると同時に焼きを入れて竹を硬くしつつ、併せてほんのり焼き色を付けます。
 継ぎ口に糸巻きをします。(画像左方は糸巻きを終わり、塗料を施した後です。)糸はしっかり緊張させ、隙間なく巻きます。細めの化繊糸使用。
 その前に、これはやってもやらなくてもいいと思いますが、仕上がりの美しさを期待して、継ぎ口部分の径をやや絞めます。
 火に炙った熱い状態で、各種径の絞め板に(30年前に自作したものです。)ねじ込んで径を細めます。画像の竹は本作とは別物で、デモンストレーション。

  ガイドと仕掛け糸巻き
 ガイドはステンレス針金で作りました。市販品を使う程でもないでしょう。口巻と同様に糸で縛って塗料を施しますが、針金部分の隙間を埋めるために、二液混合型のエポキシ樹脂系接着剤を併用しています。
 仕掛けの糸巻きはリールを取り付けるまでもないので、出っ張りが2本あれば用が足ります。竹枝の節を刻んで、φ2oの竹串を通し、同じく上記接着剤で固定しました。

   継ぎ口の内径削り

 継ぎの内径を削ります。柳葉をドリルに咥えて削った後、ゴズリ棒(丸ヤスリ)で平滑に仕上げます。
 柳葉は素人工作で、鋼材ではありませんが、十分仕事につかえます。巾7oと7.5oを使いました。
 

 最後は全体に本透明の工芸うるしを擦り込み完成です。
 手元は39p、2本継全長が130p。


   平成28年3月

 
 第2作 ハゼ穴釣り仕込み一本仕舞い竿

 2本継で、穂先部分を手元に収められるように造りました。手元竿は節を全てくり抜いてあります。竿尻から収納し、尻栓をします。 糸巻きは穂先の元部分に造作しました。
 併せて竹筒でエサ入れも二つ作りました。蓋は印籠仕上げです。一つはハゼの師匠に進呈します。