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     第91作
                   網代編み盛器

     第51回東海伝統工芸展 展示会は
          愛知県美術館ギャラりー8階G室 4月21日〜4月26日… 新型コロナウィルスのため中止になりました。
          
岐阜高島屋10階催事場      5月13日〜5月18日… 新型コロナウィルスのため中止になりました。
                             R2年2月
 春に催される東海伝統工芸展に出品する作品に取り組んでいます。

 前作(第90作)と同様の手法でヒゴを斑に染めて網代編みの盛器とします。

 型は楕円の船底形、縁付きです。縁の装丁は第20作の菓子器を参照します。
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 東海伝統工芸展入選発表が3月7日にありました。お陰様で今回10回目の入選です。いつまで続けたらいいのでしょうね?

  材料竹の染め
 材料竹の斑染めは前作と同様の手順です。ヒゴにする前の材料竹を適当に、好きなように布なり紐なりで縛って染めます。網代に編んだ時、どの様な模様になるのか出たとこ勝負です。

  ここまでの作業
 船底形のお盆のようなものを作りますので、まずは型枠作りから。
 欲を言えばもう少し井桁を密に、丁寧に作った方が良かったですか。
 型枠に沿って、ヒゴを押し付けながら編みこんでいきます。
 楕円の横幅は38センチ。一本のヒゴ幅は3o弱です。
 立てヒゴ本数は120本程並べます。
 
 十字開きの網代編み、全て編んだら、漆をかけます。
 ウルシ本来の役目(艶出し)と、接着の作用で、この状態から形に切り抜いてもヒゴがバラケないでしょう。
裏張りの編み作業終了です。

  本体上面編み

 同様に上面を編みます。上記裏張りよりヒゴ幅はやや細めです。
 船底形になっているので、編みヒゴは並べた幅より中央に向かって絞られるようになるので留意すること。型枠に目印を打つのも一法、
    
    

 上面と下面の接着

 上面下面2枚編み終わったのち、ウルシ掛けします。
 まずは下面を楕円の寸法に切り出し、上面(まだカットしていない状態で、)と接着します。周辺部のほんの2、3oにゴム系ボンドを使用、くれぐれもはみ出さないように。

 固着の後、下面に沿って上面をハサミでカットします。画像はトップに掲げた段階です。

 底縁枠と押さえの縛り

 底縁枠は周が104pほど、重ね部分を含めて110pほどの一本竹で、節が2か所入ります。
 上面側は径2oの丸ヒゴで・・・
 下面側はササラにした柾割ヒゴ十数本を束ねて宛がい、縁枠ともども縛りこんでいきます。
 縛りは一目飛びで20か所、更にずらして20か所です。上面側は縛り籐ヒゴを連続させていますが、下面側は別の籐ヒゴで装丁します。見た目のデザインであり、また網代面にヒゴが貫通した部分のアラ隠しの役目があります。

  外枠1段目取り付け

 上記で底面(皿本体)が出来たら、外枠を一段分固定します。
 
 周囲14か所を「虫篝り」で縛ります。この先、一段目を基にして2,3,4,5段と積み上げる予定ですが、その縛りの箇所との間隔で、14か所となりました。
 各段の縛りは虫篝りの間に2か所(左右縁は1か所)で26か所の予定です。

  上部枠構成、仮縛り

 縁枠1段目を基にして、上部へ4段積み上げ、仮縛りして全体を整えます。本縛り作業をやり易くするためです。
 枠は上に向かって順次周長を短く(5o)して、内向きの姿としました。

 なお、最上段は縁枠2枚重ねで、内側縁は竹表面を内側にした抱き合わせとしました。

  本縛り

 上部に、飾り縛りができるよう籐を2本咥えて連続して枠4段を縛っていきます。縛りは26か所。

 この後上縁を飾り縛りしたら本体は完成です。
 ウルシかけは適宜施してきました。

  高台

 丸籐を楕円で仕上げ、2本を縛って構成。縛り部分には竹ヒゴ(竹釘)が入っています。

 本体への取り付けは8か所を籐ヒゴで縛って全て完了です。2月24日
    

 審査発表は3月7日、全体画像はそれ以降に掲載します。


 
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