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     第94作     茶 托         R2年7月

 

 竹の節板を芯に使い、外縁部を籐の巻きで仕上げて茶托を2枚セットで作りました。今回のものも大先生のモノまねで、我ながら芸がありません。

 

 出来るだけ径が太くて丸く、平らな節板を使いたいです。とは言いましてもなかなかありませんが、少々のパラボラ状なら茶碗の高台に収まるでしょう。
 ドリルやら鋸など使って円盤に切り出します。径5㎝のものが切り出せました。好みの図柄で透かし彫りをします。見えるかどうか分かりませんが、一応カエル、カメレオン、ウナギ、、、のつもりです


 


 節板の外周に丸芯の籐(身籐、径2㎜)を二重にあてがい、皮籐で縛ります。
 右は更に一本加えた2周目の縛りです。3周目も同様に縛りますが、外縁部の飾り縛りの土台とするために、丸芯に更に一本籐ヒゴを乗せて縛ります(下図 左)。径の大きいものにしたければ、同様に4周、5周とやることができると思います。

 


 外周を蛇腹巻きで飾り縛りして終了。 外径寸は7.5㎝です。



 完了したところで一服、心なしかいつものお茶が旨く感じます。

 トップの画像左が1作目のもので、染色したのちウルシと錆び粉で仕上げました。
 右2作目は、縛りをやや手の込んだものとし、地のまま朱合ウルシで仕上げました。




  第2弾 上等編  7月13日~

 概ね全体作業を習得しましたので、各工程の精度アップを目指します。

① 節板を平滑に  節板はなるべく平板なものを使いたいですが、なかなか数が揃いません。左は切り出した姿、かなり部分的に盛り上がっています。水に漬けてからアイロンをあてて矯正しました。長い時間に元に戻る心配は? 時間が経過してからです。邪道ですかね、まあ沢山の中から素性のいい板を使うのがベストでしょう。

 

② 透かし彫り テーマを統一

 先回は思いつくままに小動物を掘りましたが、今回は左が両生類、右が爬虫類です。
 オタマジャクシに手足が生えだした幼生、ジャンプするカエル、着地したカエル。右はヤモリ、カメレオン、ヘビです。 そのつもりで掘りましたが、見て頂けるでしょうか。
 使用する工具は、0.6㎜、0.8㎜、1㎜、1.5㎜のドリル、切り出しナイフ、超小型のホビー用のノコギリ(ちゃちな安物)です。

  

 ③ 中心穴にも籐巻き  万が一のひび割れなど起きぬよう、中心穴にも籐巻きします。これによりデザイン性も上がるでしょう。

      

 外周の縛りは当初の通り。2枚出来上がりました。あとは漆を2、3回拭いて完了です。

    

 左の透かし絵柄は右回り、右の一枚は左回りで掘りました。外寸は前作よりやや大きめの8㎝になりました。 (7月25日)