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  渓流魚、アマゴの燻製?つくり
 
 実のところ、これは燻製とは言えませんね、アマゴの“焼き枯らし”と言った方が正しいでしょう。
 世の中、3月1日は渓流解禁の第2弾です。アマゴに命を賭けている「元祖渓流師匠」のKさんが三重県の龍神方面まで解禁の釣りをしてきました。今年は暖かではあるのですが水が低く、大漁とはいかなかったようです。
 その釣果の一部をお裾分けいただきました。前年に比べ小振りですが、小さなアマゴは焼き枯らしをするに限ります。
 釣ったアマゴを如何に成仏させてあげるか。
 いわゆる我ら“渓流釣師”はフライフィッシャーマンとはやや趣向が違いまして、釣った魚をリリースするなんてことはしたことがありません(もちろん、制限魚は放流しますが、)。アマゴやイワナ、食べて大変旨い魚です。
 山の中で一日遊び、おまけに旨い土産を持って家に帰り、夕餉の一品とするわけです。
 小さな魚を成仏させるには、頭から尻尾まで口に入るようにすればいいでしょう。
 ・・・となれば、sao-masa特製の
焼き枯らしと言うことになります。もう少し身のある材料のときは、冷燻とか温燻とかでやりますが。
焼き枯らしをつくりましょう

 塩味付けは「ガンガンに塩を振って」5~7分置きます。
 塩については人それぞれのやり方があると思います。目分量で人差し指につけた塩を・・ひとこすりする、何パーセントの塩水に浸す。・・・と、色々でしょう。
 私の場合は、飽和食塩状態で5~7分程してから塩を洗い流します。(材料の大きさで時間を長短します。アジの干物などの時は、やや長めにしています。)
 自分流の塩加減を見つけることです。
 次に竹ヒゴを鼻の穴から通します。
 網に並べて火にかけるやり方もありますが、途中、ひっくり返したり、網にくっつくのを剥がしたりの手間をかけないためにこのやり方をしています。(但し、一斗缶のサイズに合わせて竹ヒゴを準備する手間はかかりますが、)

     ・・・・・・・・・・・
 この作業に平行して、七輪に炭を熾しておくと能率よく事が運びます。
 缶(3分の1斗缶…煎餅の入れ物)は丸く底を抜いてあります。 炭の直火がアマゴを直撃しないように遮蔽版を被せます。足をつけて3センチほど浮かせてありますので、炭の熱気はあがります。炭は安物でいいでしょう。適当に煙の味付けになります。写真は線香式の薫煙材をひとかけら燻しています。 
 準備OK、串に刺したアマゴを並べた一斗缶(底は抜いてあります。)を上に乗せれば全てOKです。
 最初の30分くらいは、かなりきつめに炭を焚きます。これは骨の芯まで熱を回して、細胞をバラバラにする行程です。後は弱火で3時間、他事をやりながらでも、出来上がります。

 ※ 出来上がったばかりは煎餅のようにパリパリに乾燥していますので、チョッとさわるとヒレなど折れてしまいます。口に入れるのは一晩冷蔵庫で寝かせ、脂が戻ってシンナリしてからが食べ頃です。





  
令和3年6月 燻製缶新規製作

 永く使ってきた燻製缶がボロボロになってきましたので、新規に作り直しました。先のものはかれこれ20年は持ったのでしょうか。ちゃちな物ですが良く働きました。最近はなかなか一斗缶が手に入りにくくなりました。ネットで探したら1,000円程度で売られているようですが、それでは何か面白くありません。3分の1缶とか4分の1缶など、あられが入っていた缶がいくつかありましたので、これで作ってみようと思います、


 出来上がりの姿、上のサビた缶は以前からのニンニク専用の燻製缶で、下4段が今回製作したものです。

 丈の低い缶を積み上げて一体のものにするにはひと工夫します。
 下の画像のように、口部分を少し絞ることが必要です。こうすることで上に乗る缶の底が無理なく積めます。

 こちはニンニク専用で、網が二段にセットしてあります。

 電子レンジで熱を加えたニンニクを薄皮まで剝いてから並べて煙を掛けます。
 おつな摘みになります。

 底は切り取り、口はペンチでこじってそれぞれの缶が積み重ねられるようにします。
 見にくいですが、ステンレスの細いワイヤーを張ってあります。缶の寸法の竹ぐしを渡すためのサポーター。これで三段魚が並べられます。意外な利点が見つかりました。魚を乗せたまま、缶を上下して均等に煙が掛けられることにきづきました。一斗缶の時は途中で魚を取りだし、上下を並べ替えていましたので。
 右画像は寸法のある魚を縦に吊るす時の、しっかりした鉄棒を渡しました。フックを使って吊るします。


 

 底の缶。空間を作るためと、直火を遮蔽する丸板を組み合わせています。丸板は缶底を切り取った材料で2枚重ねにしました。洗濯物ハンガーの針金で足を作りました。これで出来上がり七輪の熱が缶に行きわたります。必要な場合(大方使いますが、)この上に燻煙剤(線香式)を併用します。炭火の煙だけでもそれなりの風味は付きますが。


 



  ニンニク燻製

 燻製缶が出来たところで早速火入れをしたくなりました。取り敢えず手元にある材料はニンニクです。6月始めに収穫したものです。以前にもニンニクの燻製を作りましたが、結構な酒の摘まみになります。
 ニンニクの利用法としては黒ニンニク(ニンニク専用にした昔の炊飯器で、20日間ほど保温状態を保てば出来ます。栄養価が高いと言われていますが、左程旨い?とも思えませんので、最近はやっていません。)もありですが、私は燻製の方がニンニクらしい味で、好みです。

 下ごしらえ

 一握り、20粒ほど?電子レンジで4、50秒ほどチンします。水にとって皮むき、これを繰り返して下ごしらえ終了。

   

 5㎝角ほどの燻煙剤を燻らせ缶をセットします。七輪に炭火を熾し、2時間ほど熱を掛け出来上がり。

 

 試食、美味い。熱が十分架かっているので、食べた後の臭いはかなり和らいでいます。塩気が無いので醤油をまぶしました。

 



 令3年7月7日  アマゴの燻製

 スーパーで養殖アマゴが並んでいましたので4匹購入しました。
 ハラワタを出し、(ちょっと前に買ったニジマスは腹が出してあってしっかりしていましたが、今回の材料は痛みが進みかけるギリギリのところ。釣りに行ったときなどは2、3時間のうちに釣り場で必ず腹を出しますが。腐るわけではないのですが、胃液の作用で内臓が融け良くありません。)特製のタレに一晩漬けました。タレ? かっこよく言えばソミュール液…玉ねぎ、ニンニク、隠し味に胡椒など、塩分濃度は好み、今回2%ほどです。

   あくる日

 昔に比べたら”養殖モノ”も飼料臭さが無くなり美味しくなりました。 が、姿かたちが良くありません。アマゴ独特の朱点がやけに毒々しく、尾鰭など丸っこくて天然物を見てきた私としましては、どうしても物足りません。ヒレピンの麗しい姿が目に浮かびます。
 贅沢言ってはイカンかな?


 炭火と燻煙剤で3時間ほど燻しました。
 冒頭の”焼き枯らし”に比べサイズが大きいので、温燻と焼き枯らしの中間くらいでしょうか。
 夕食に頂きました。もちろんビール飲みながらですが、十分旨かったです。

 ※ 昔の養殖物のお話、など

 その昔、女房と二人で愛知県東部地方の山の中の温泉旅館でのこと。子供が生まれる前だったようですから40年も前になりますが…
 夕食に立派なサイズのヤマメ(22、3㎝はあった)の塩焼きが皿に乗っていました。箸をつけましたが、不味いなコレー、飼料臭くてだめだー !!
 この頃既に渓流通いをしていましたので、生意気なことを言いますが天然モノの渓流魚の味を知っていました。【この地域、天然ならアマゴの生息域ですが、出されたものはヤマメの姿でした、】

 暫くたってから女中さんが出てきて、「今日のヤマメはどうでしたか?」と聞いてきます。「いやー立派な大きいやつで、美味かったですよー」と、褒めてもらうつもりもしていたかもしれませんが、「変な臭いがしてダメだねー」、、正直な私は答えました。 女中さん曰く「やっぱりねー、養殖だからねー」と私と意見が合いました、めでたし目出度し。





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