第12

   19882

 
管理釣り場の放流マスにイクラが使えない訳ないでしょう。

                         (H19年11月9日 記)


  2月も半ば、渓流も解禁になったと言うのに“ドマス”釣りも珍しいことですが、Kチャンの誘いで自称“川釣りのプロ”の腕をお見せすることとしました。

この日はナンデモ釣り仲間6名が管理マス釣り場に集いました。

ドマスなどとドマスさんを侮辱するようで失礼な言い方をしましたが、本名はニジマスです。以前元祖渓流仲間で宿の夕食をとっていたとき、隣の席で別グループのおじさんが、「おうおう、釣れてくるのはドマスばっかりでよー」と仲間と話しているのを聞いて、我々グループの人間もついついニジマスのことをドマスと言ってしまうようになりました。今でも渓流各河川ではアマゴの養殖モノに加え、ニジマスの養殖モノが直前成魚放流されることが良くあります。マスはアマゴに比べ安価なようで、マスが沢山放流されるのだと思います。

本来自然の川や湖で成長したもの (種は仔魚放流でしょうが、) は体側に綺麗な虹色が出て、まさしく虹マスと呼べるものになるようですが、養魚池育ちの直前放流ものは黒ずんでおり、おまけに尾、鰭が擦り切れた惨めな姿をしたものが多くいます。養魚池のコンクリートの色に同化するのでしょうか。そんなのを入れ食い状態で釣ったのでしょう、かのおじさんが、「ドマス」と呼んだのだと思います。一端気分の渓流釣師は、“なんだ、放流モンのマスか、”なんて言って格好つけたりするものです。釣れんよりは嬉しいくせに・・・

ところで今日はそのドマスさんに1日遊んでいただくわけですから感謝しなければいけません。

釣り場へ現地集合しました。風も無く、ポカポカ陽気で楽しめそうだ。段取りをしてくれたKチャンは朝一番に来ていて、既に残り物の大物マスを釣り上げ、好調なスタートを切ったようですが、その後今一つ伸び悩んでいました。

 

  Kチャンは情報通で素直な性格の人です。「ここの釣り場はメダカのエサしかだめなんですわー」、空き缶の入れ物にメダカが泳いでいます。その事については私も釣り新聞などで、“エサは生きメダカ”と紹介されているので知っています。その生きメダカは管理事務所で売られていましたが、メダカと言っても近辺の浅瀬で泳いでいるようなハヤとか何かの仔魚でしょうが、イクラで釣れない訳はないと思うのですが。・・・「絶対そんなことは無いはずだよKチャン、養殖のマスなんだからイクラで釣れると思うけど。」 釣り場も商売しなくちゃいけませんからね。  

  定刻の午前9時に一斉放流がされ、いよいよ釣本番です、やるぞー。 イクラを一粒付けてホイ、一粒付けてホイ、快調に釣れあがってきます。よその釣り人達もほとんどの人がメダカを使っている様子です。上層でピョロピョロ泳がせている人もいるようですが、放流直後のマスは深みの底に溜まりますので、なかなか釣れず苦戦しています。

  Kチャンの向う隣で竿を出しているオジサンが盛んにボヤいています。「イクラを持ってこんとイカナンダかなー 」

  「やっぱりイクラでも釣れるんですネェ、」「始めからそう言っとるでしょう、Kチャン。」

  結局、24〜5匹釣り上げたでしょうか、燻製の材料となりました。・・・「隣のオジサンが寄ってくるのを、私がガンバッテ阻止したからNサンが釣れたんですヨ!!」と、Kチャンに何度も言われてしまいました。「有難トヨ、」

  放流後時間が経ち、スレて餌を追わなくなったようなマスには、動くメダカなんかが有効なエサになると思いますが、放流直後の短期決戦には手返しの早いイクラが勝るようです。

  後日の新聞では、エサは生きメダカのほか、イクラも追加されていました。


トップページへ戻る

釣りよもやま話へ戻る