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   第2話


   1981年3月 豪雪の年、寒さよけのガレージ斡旋


                            平成19年3月・記

  
本日、平成19年3月1日です。)渓流第2弾が解禁になりました。
 春ですねえー。この冬は野菜もびっくりするほどの暖冬でした。ところで1年前は日本全国何十年ぶりかの豪雪だったのは記憶に新しいところです。豪雨、渇水、豪雪、暖冬・・本当におかしくなっています。
 日本海側の各地では記録的な積雪が続きました。名古屋市内でも32p積もり、58年ぶりの記録とかで新聞の一面を賑わしていました。 ただその程度のことは雪国の人なら、「そんなもん、雪が降ったとは言わん!」と一蹴される事でしょう。

  ほとんど毎日、新潟県津南町の豪雪ぶりが新聞、テレビで報道され、住民の方々の苦労ぶりが伝えられていました。15年前、津南町から10q程山に入った大場集落にイワナ釣りに行ったこともあり、何だか他人事とは思えません。渓流釣りの友、Yさんの古里で、“秘境”釜川が流れる地です。そのときのお話は後日に譲るとして、雪に纏わる話では56豪雪と言いましょうか、昭和56年、1981年の岐阜県河合村の小鳥川解禁日釣行を思い出します。
 
 こんな体験はありませんか。山家の民宿などに泊まったりして、エー? もうストーブ炊いてるの、春なら春で、エー? まだストーブ炊いてるの、と言ったようなことです。それ程寒いとも思わないものですから、寒い地方の人の方が余程寒がりなのかと思っていました。雪国に生まれ育ったYさんが言っていましたが、本当の寒さを知っているから、早め早めに準備をするのだとか。なる程、そういうものですか。
 
 さて、小鳥川解禁日釣行のアルバムから、

「アマゴ、イワナ、マスを取り混ぜ合計で101匹、3桁の大台に乗せました。長寸はアマゴ23cm、イワナ26cm、マス29cm。クーラー満タンです。」
 この記録は26年前ですから33歳の時のことです。

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 「解禁日を明日に控えた2月28日土曜日、午前中は平常どおり勤務し、午後、岐阜県河合村の小鳥川めざして出発します。ところが午前10時頃から、じわじわ熱が出てしまいました。「こんな時に限って調子悪りーナー
!!  午前11:30、これはイカン、頭がフラフラして足の関節が熱のせいかガクガクしやがる。12:00これで一応勤務時間は終了したが、隣の厚生課で借りた体温計で熱を測ったら、なんとまあ38度6分もありました。それでも仲間のお許しが出ず、道中車の後部座席に転がされ、現地まで連れて行かれました。薬のせいか熱の方はだいぶ下がってきたようで、まぁ、この分なら明日解禁日の釣りは何とかできそうである。若かったんだね!」・・・

 それにしても、山の人は親切ですねぇ。小鳥川、新名(シンミョウ)橋のたもとで入川券を求めたのですが、「今晩は車で寝る。」とおやじさんに話をしたら、「車で寝るウ?凍えて死んでまうゾー」と、少々大袈裟とは思いましたが、真顔で心配してくれました。
  豪雪の年で、道路の端には2メートル近くの雪が積もっていた記憶が残っています。我々メンバーも彼是5、6年釣りをやってきて、夜の10時、11時に現地着、車中で酒盛りのあと4、5時間足を伸ばしてぐっすり寝り、朝一番の釣りをします。解禁どきの雪の中でも何度も車で寝ていますので別に凍えて死ぬとはゆめゆめ思ってはいませんでしたが。・・おやじさんからそんな風に言われると、ひょっとして今晩死ぬことになるのかも。

 よし、ちょっと待っとれよ。知り合いに電話して、駐車させてもらったるデ。
【…モシモシ、おうおう、あのナー名古屋から釣りに若い衆達がナー、今晩車で寝るチッとるんだガナー、お前んとこの車庫空いとるヤロー
!!  車入れさせてやってもらえんカナー…】  さしずめ、町のモンなら他人が勝手に凍えて死のうが死ぬまいが、知った事ではないのでしょうが。お陰さまで凍死もせず、快適に寝る事ができました。
  もう一つおまけに、【朝、寒かったらナー、4時には“いろり”に火を入れるで、あたりにこりゃエーで。】ウーンここまで心配頂いて涙ボロボロです。

 
解禁の朝、一番に狙った淵で3人ひとかたまりで竿を出し、それぞれ20匹ほど釣り上げました。途中ビクがいっぱいになり、ビニール袋に詰めてナップザックへ、よく釣れました。

 この時もあちらこちらで屋根の雪降ろしをしていました。我ら町の人間は何も分からずに、「雪降ろしかー、風情があっていいもんだなー!」なんて暢気な事を言ったりしますが。


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